日版王宮 收集活動-我停更後的合集:2018年

 

嗯……之前小窩在2018年5月開始就停止更新日版了,

這邊會放那些沒更新到的,而現在手邊有的截圖和故事。

當然,一定會漏會少,就當……小小記錄吧☆

預覽圖>>>

 

Love Message~彼と秘密の交換日記~

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

Bridal Lesson~先生は愛しの王子様~

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おあずけは恋のエッセンス

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Working Romance~ナイショで彼のお手伝い~

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Sweet Sweets time~いじわる彼とやさしい彼~[前編]

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Sweet Sweets time~いじわる彼とやさしい彼~後編

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日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

城下でこっそり♡お忍びデート~カレの願いを叶える1日~

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20180522~20180602

Love Message~彼と秘密の交換日記~

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期間限定で始めた、彼との交換日記。
最後のページには、愛する人への秘めやかな想いを綴って…―
ゼノ「日記を受け取るたびに、俺も同じことを思っていた」
ゼノ「…お前の元へ飛んでいけたら、と」
レオ「ラブレターみたいっていうのは、間違ってないと思うよ」
レオ「どんな瞬間でも沐沐ちゃんを愛してるって、分かってもらいたかったから」
ユーリ「あ、いいこと思いついた」
ユーリ「文字を書くのは時間かかっちゃうけど、こうすればすぐに俺の気持ち伝わるよね?」
レイヴィス「もう、お前のことしか見えない」
レイヴィス「これだけ夢中にした責任、ちゃんと取りなよ?」
言葉も想いも交わし合い、彼との愛をいっそう深めていく…―

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

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20180620~20180701

Bridal Lesson~先生は愛しの王子様~

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彼と行う花嫁修業は、一途な想いを深めるものになって…―
アラン「バーカ。お前だけ頑張ることないだろ」
アラン「料理も刺繍も、一緒にやればいいってこと」
ジル「そう言って頂けて嬉しいですよ」
ジル「今の言葉を、大勢の前で誓える日が来るのが楽しみです」
アルバート「俺はどんな吉琳も好ましいと思うでしょう」
アルバート「そんなあなたを、必ず俺の花嫁にします」
吉琳「…私を、花嫁に選んでくれる……?」
レイヴィス「レイヴィス=ハルナイトが選ぶ相手は、吉琳…永遠にお前だけだ」
夢にまで見た幸せな日々のために、二人きりのレッスンが始まる…―

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プロローグを読む>>>

 

静かな空を星が賑やかに飾る、ある夜…―
一日の公務とレッスンを終え、部屋に戻っていると、
ふいに、廊下に面した中庭から声をかけられた。
レオ 「こんな時間までお疲れ様」
吉琳 「レオ」
声を辿って視線を向けると、レオがこちらに歩み寄る。
吉琳 「レオこそ、こんな時間まで公務?」
レオ 「まあね。ちょっと休憩中」
そう言ったレオは、ふと心配そうに私の顔を覗きこんだ。
レオ 「いつもより疲れてるみたいだけど、特別レッスン大丈夫?」
吉琳 「ありがとう。でも平気だよ」
将来、王妃になった際に必要な教養や技術を学ぶ特別レッスンは、
プリンセスの基礎を身につけた後の、次のステップとして始まったものだった。
レッスンは数日前から始まり、日々の公務を調整しながら続けている。
(大切なレッスンだし、いつも以上にしっかり取り組まないと)
(それに…あの人も一緒だから)
講師がまだ決まらないうちに、彼にレッスンの話をした際、
快く講師を引き受けてくれたのだった。
そんな恋人の顔を思い浮かべると、疲れも吹き飛ぶように思える。
レオ 「王妃のためのレッスンなんて、気が早いって思ってたけど、」
レオ 「案外そうでもないかもね」
吉琳 「え…?」
レオ 「ほら。この特別レッスンって、花嫁修業みたいなものでしょ」
レオ 「恋人との仲も順調みたいだし、」
レオ 「吉琳ちゃんが花嫁になる日も近そうだなって」
吉琳 「っ……」
(確かに、王妃になるということは…そういうことだよね)
(レッスンの内容ばかり考えていて、気づかなかった…)
レオ 「式場の準備なら、俺に任せてね」
吉琳 「もう、レオってば」
からかう言葉に笑って返しつつ、
『花嫁修業』という言葉をもう一度、胸の中で繰り返す。
(自信を持って、あの人の隣に立てるように、)
(明日のレッスンも、頑張ろう)
何故かいつもより綺麗に見える星空を見上げ、
きらめく未来を思い描いて微笑んだ…―

 

【50個特典】アルバートの特典ストーリー
特典ストーリーを読む>>>

 

流れる川の水面が、美しく輝くある日…―
特別レッスンのため、シュタイン城を訪れていた私は、
アルバートから各国の工芸品について学んでいた。
(アルバートも外交のために異国の工芸品を学んでいると言っていたし、)
(王妃の素養として、こういった知識が必要なのは分かるな)
アルバート 「ここまでで質問はありますか?」
吉琳 「大丈夫です。ありがとうございます」
テーブルに広げられた数冊の本から視線を上げ、
ソファに隣り合って座るアルバートに微笑む。
吉琳 「今まで少しずつ勉強していましたが、」
吉琳 「まだまだ知らないことばかりで恥ずかしいです」
アルバートの博識さに感心する反面、勉強不足を実感していると…―
アルバート 「恥じる必要などありません。俺は、どんなあなたも好ましく思います」
吉琳 「えっ」
アルバート 「…っ……」
アルバート 「…今のは、現状に満足せず学ぶ姿勢を持つのが好ましいという意味です」
吉琳 「あ、ありがとうございます…」
(そうだよね。ここにはレッスンに来ているんだから)
(でも…どんな私もって言ってくれたから、少しドキドキしてしまったな)
気恥ずかしい雰囲気にくすぐったくなってしまい、
話題を変えるために、広げてある本に描かれた木製のお皿を示した。
吉琳 「これも、今教えて頂いた南の国の品ですか?」
アルバート 「はい。この皿を作った工房の食器は、どれも長持ちすることで有名なんです」
そう言って立ち上がったアルバートは、
すぐ側の棚に近づき、お皿を一枚取り出して戻ってきた。
アルバート 「実は、俺もこの工房の皿を持っているんです」
吉琳 「……! そうだったんですね」
目の前のテーブルに置かれたお皿は、
少し見ただけでも、かなり使いこまれていることが分かる。
(大切に使っているんだな…)
アルバート 「長く使っていると、愛着が湧きますし、」
アルバート 「使っているうちに新しい魅力が発見出来ます」
吉琳 「新しい魅力…ですか?」
アルバート 「最初は、デザインに惹かれて購入しました」
アルバート 「ですが、使いやすさや他の皿よりも軽い点など、」
アルバート 「同じ物でも、だんだんと違った一面が見えてくるんです」
(長く使うことで見える、違った一面…)
告げられた真摯な言葉が、温かさをまとって胸の奥まで伝わってくる。
吉琳 「…何だか分かる気がします」
(時を重ねて色んな魅力に気づくのは、物だけじゃなく人も一緒だと思う)
(…たとえば、好きな人と結婚をして、同じ時間を過ごしたら…)
吉琳 「きっと、アルバートの花嫁になれたら、」
吉琳 「一緒に過ごすうちに、素敵な面をもっと沢山見つけられると思います」
アルバート 「なっ! 花嫁とは……随分、話が飛びましたね」
吉琳 「す、すみません」
吉琳 「…このレッスンが花嫁修業のようだとレオに言われたので、つい…」
私は頬が熱くなるのを感じながら、レオと話した内容を告げる。
すると、アルバートは少し考えるように視線を伏せた後、ぽつりと呟いた。
アルバート 「プロポーズは男の俺から、と思っていましたが…」
アルバート 「先ほど誤魔化してしまった俺も、よくありませんでした」
アルバート 「やはりきちんと伝えさせてください」
(プロポーズ…?)
急に出てきた言葉に小さく息をのんでいると、アルバートが言葉を続けた。
アルバート 「今こうして勉強を頑張っている姿も、この先見る様々な姿も、」
アルバート 「俺はどんな吉琳も好ましいと思うでしょう」
アルバート 「そんなあなたを、必ず俺の花嫁にします」
吉琳 「……!」
言葉通りのプロポーズに、一気に鼓動が騒がしくなる。
(私が『アルバートの花嫁になれたら』って言ったから、応えてくれたんだ…)
真っ直ぐな言葉が、身体の深い部分を甘く震わせた。
吉琳 「はい…宜しくお願いします」
笑顔で返事をすると、アルバートがぎゅっと抱きしめてくれる。
(今、目の前で見せてくれる姿も、きっとこれから見つける姿も、)
(アルバートの全てを、愛してる)
私も広い背中に腕を回し、湧き上がる大きな愛を改めて確かめあった…―

 

【210個特典】ジルの特典ストーリー

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ひやりとした夜風が、さっと吹き抜けるある夜…―
ジルから特別レッスンを受けていた私は、
休憩中に、昨日レオが言っていた内容を話していた。
ジル 「この特別レッスンを花嫁修業とは、レオも妙なことを言いますね」
吉琳 「ですが、ぴったり当てはまる言葉だなと思いました」
机を挟んで向かいに座るジルに、私は微笑みながら答える。
(このレッスンを全て終えた後は、きっとジルの花嫁に…)
未来を思い描いて表情を緩めていると、ジルが穏やかに告げた。
ジル 「では、その花嫁修業を再開しましょうか」
吉琳 「っはい」
広がり始めた想像から意識を戻し、気を引き締めて頷く。
(今はまず、色んな国の言葉を覚えないと)
王妃になると、今まで以上に様々な国の要人と逢う機会が増えるため、
この特別レッスンでは、集中的に異国の言葉を学ぶことになっていた。
ジル 「では、この文章の意味は分かりますか?」
教科書の一文を示したジルから問題が投げかけられる。
(この流れだと『見たい』という意味になるから…)
吉琳 「『早くあなたの花嫁姿が見たい』…でしょうか」
ジル 「正解です。さすがですね」
ほっと安堵の息をこぼしつつ、示された文章に視線を落とした。
(この文章…もしかして結婚前の恋人たちの会話なのかな)
(何だか身近に思えてすぐに覚えられそう)
密かに心を弾ませつつ、しっかりとレッスンに集中して…―
……
ジル 「では、最後の問題です」
そう言ったジルは、教科書をぱたりと閉じた。
ジル 「今からお伝えする言葉を聞きとって意味を答えて下さい」
吉琳 「はい」
頷きを返すと、ジルが低く心地良い声で発音をしていく。
(これって…)
異国の言葉で紡がれたのは、ジルの花嫁になるという想像をさらに膨らませるもので、
自然と、身体が嬉しさで埋め尽くされた。
ジル 「少し難しかったでしょうか」
(多分、答えは合っているはず。でも…)
(私が思っている通りの意味なら、ジルから聞きたい)
にこやかに答えを待つジルを見つめ、そっと口を開いた。
吉琳 「…はい。まだ勉強不足で…答えを教えてもらえますか?」
期待を胸に訊ねると、細められたジルの瞳が近づいて…―
ジル 「私はこの先もずっと、貴女を幸せにし続けることを誓います」
愛しい人の声に乗って、待っていた言葉が耳元に落ちる。
(レッスン中に、こんなことを思ってはいけないかもしれないけれど、)
(やっぱりジルに言ってもらうと、嬉しいな)
ぽっと胸の奥に広がるときめきを感じていると、ジルが柔らかに続けた。
ジル 「では意味が分かったところで、次の問題です」
(あれ…今の問題で最後だって言っていたのに)
ジル 「同じ国の言葉で、今私が伝えた内容をどう思ったのか教えて頂けますか?」
吉琳 「えっ」
ジル 「貴女には簡単な問題だと思いますよ」
ジル 「勉強不足だと言っていましたが、もうこの国の言葉は習得されているようですから」
吉琳 「っ……」
(分からないふりをしたこと…ばれているのかな)
全てを見透かすような瞳に、鼓動が波打ってしまう。
(…私の嘘に気づいていたのに、それでも答えを教えてくれたなら、)
(私も、同じように伝えたい)
私は、覚えたばかりの異国の言葉で想いを告げると、
ジルは、いっそう優しげな表情を浮かべた。
ジル 「そう言って頂けて嬉しいですよ」
ジル 「今の言葉を、大勢の前で誓える日が来るのが楽しみです」
その言葉と共に、ジルは微笑みながら私の顎をすくい上げる。
吉琳 「ん……」
優しい口づけを受け止めながら、もう一度ジルに告げた言葉を心の中で呟いた。
(私も、誰よりもジルを幸せにすると誓います)
唇も、指先も、ジルと触れ合う場所全てが幸せに包まれていく。
その幸福感をジルに受け渡すように、口づけに応えていった…―

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

 

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

20180721~20180801

おあずけは恋のエッセンス

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彼からの小さなおあずけが、恋する気持ちをもっと高めて…―
ルイ「ごめん。でも…吉琳が可愛いから、意地悪したくなる」
ルイ「ちゃんと、君の言葉で聞きたい。……どうしてほしい?」
ユーリ「我慢出来なくて、逢いに来ちゃった」
ユーリ「久々に吉琳様のことぎゅって出来た。嬉しいなあ」
シド「要望通りにしてやったってのに、随分な反応じゃねえか」
シド「じゃあ、お前も素直になるんだな」
ゼノ「お前は十分、魅力的だ」
ゼノ「お前が望むなら、今から触れてもいいが…どうする」
焦れったい想いが、あなたをいつもより大胆にしていく…―

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【50個特典】シドの特典ストーリー
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空に浮かぶ満ちた月が、夜道を静かに照らす夜…―
休日にシドと城下でデートをしていた私は、ある酒場を訪れていた。
照明がわずかに落とされた店内を歩きながら、シドに話しかける。
吉琳 「今までも何度かシドの行きつけのお店に連れて行ってもらったけれど、」
吉琳 「…ここは初めてだね」
シド 「他とは違えからな」
(お客さんも店員さんも普通に見えるけれど、ほとんどの人が情報屋なんだ…)
先ほど奥まった通りを歩いていた際、
シドが偶然、店主に話しかけられ、その店に入ったところだった。
男性客 「ようシド、女連れとは珍しいな。デートか?」
シド 「それ言うためだけに、わざわざ声かけんじゃねえ」
顔なじみらしい男性のからかうような眼差しを、シドは涼しげにかわしながら、
お酒の香りが漂う店内を自分の庭のように進んでいく。
(シドの日常が垣間見えるみたいで、ちょっと嬉しいな)
そう思いながら、私は自分の服装をもう一度見返した。
プリンセスだと知られると面倒だからとシドに言われ、
近くの洋品店で色の落ち着いたワンピースに着替えてから、お店に足を踏み入れたのだった。
シド 「お前、忘れてねえだろうな」
先に席に着いたシドから低い声音で問いかけられ、
私も座りながら小声で返す。
吉琳 「もちろん。名前は名乗らないようにする」
シド 「ああ。俺も呼ばねえからそのつもりでいろ」
吉琳 「うん…」
(普段から沢山、名前を呼ばれるわけじゃないけれど、)
(あらかじめ宣言されると…ちょっと寂しいかも)
ふっと抱いた胸のつかえを抱きつつ、
近づいてきた店員さんに、シドと同じように注文をした。
……
その後、二人で宿へと戻り…―
扉を閉めると、先に入っていたシドがベッドに腰かけた。
シド 「だいぶ飲んでたな。ふらつくほどじゃねえみてえだが」
シドがいつも飲んでいるというお酒はとても強かったものの、
お店に置いてあるお酒は、どれも美味しいものだった。
吉琳 「素敵なお店だったから、いつもより進んでしまったのかも」
ほんのり笑いながらそう答えると、シドは顎で自分の隣を示して…―
シド 「お前も寝るんだろ。さっさとこっち来い」
含みのある笑みを浮かべるシドに歩み寄ろうとして、ふと私は足を止めた。
(このまま眠ってしまうのは…少し寂しいかも)
吉琳 「…名前、呼んでくれたら行ってあげる」
シド 「あ?」
(凄く子どもっぽいことを言っているのは、分かっているけれど、)
(帰り道でも一回も呼ばれなかったから…)
微かな酔いも手伝って、酒場で抱いたもやもやとした気持ちがまだくすぶっていた。
シドの言葉を待ちながら、じっと見つめていると…
シド 「吉琳」
吉琳 「っ……」
予想外に優しい声で名前を呼ばれて驚いてしまう。
けれどすぐに、水面に広がる波紋のように徐々に嬉しさへと変わっていく。
シド 「要望通りにしてやったってのに、随分な反応じゃねえか」
吉琳 「だって…シドが珍しく素直だから」
照れ隠しから出てしまう言葉に、シドはどこか不敵に笑った。
シド 「じゃあ、お前も素直になるんだな」
(素直に…)
その言葉が胸の中にすとんと落ちてきて、
私はシドへと歩み寄ると、目の前で足を止めた。
吉琳 「もう一回、呼んで」
(今夜は、いつもより沢山シドに名前を呼んでほしい)
(これが、今の素直な気持ち)
すると、喉の奥で笑ったシドが私の手をぐっと引き、その耳元に顔を寄せた。
シド 「気が済むまで呼んでやるよ」
シド 「吉琳」
身体の奥がじんと熱くなるような低い響きに包まれながら、ベッドに押し倒される。
(…まだ足りない)
もう一回と言おうとした声は、シドの熱い唇に塞がれてしまった。
吉琳 「ん……ぁっ」
深くなるキスとは裏腹に、大きな手が優しく髪を撫で、喉元を辿っていく。
(今夜は、思ったままを全て伝えてしまいそう)
(お酒のせいだけじゃなく…シドがいつも以上に、私の気持ちに応えてくれるから)
月明かりに照らされるシドに翻弄されながら、
何度も呼んでくれる名前を胸に刻み込んでいった…─

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20180921~20181002

Working Romance~ナイショで彼のお手伝い~

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

いつもより忙しそうな彼のために、周りに内緒で、お手伝いをすることになって…―
アラン「頑張ってたな」
アラン「初めてにしては上出来」
ジル「貴女との時間が待っていると思うだけで十分なのですよ」
ジル「夜は恋人に癒やして頂きますから」
ユーリ「今はまだ仕事中だから、これで我慢するけど、」
ユーリ「今夜、ちゃーんと俺の気持ち、教えてあげるね」
レイヴィス「お前といると、仕事が順調すぎて忙しかったってこと」
レイヴィス「お礼に、何でも言うこと聞いてあげる」
向けられる真剣な表情、ふいに告げられる優しい言葉。
お仕事中に見せる彼の色んな姿が、鼓動を甘く揺さぶっていく…―

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すがすがしい風が木々を揺らす、ある朝のこと…―
公務が始まる前の早朝、私は心地よい静けさに包まれた中庭のベンチに腰かけ、
一冊の本を読んでいた。
きりのいいところまで読み終えて顔を上げると、太陽がすっかり昇っている。
(…続きは休憩時間にしよう)
そう思って本を閉じた時…
??? 「吉琳ちゃん」
ふいに声をかけられ、庭に面した廊下を見ると、
ロベールさんが、笑顔でこちらに歩み寄ってきた。
ロベール 「読書の邪魔をしてしまったかな?」
吉琳 「いえ、ちょうど一区切りついたので部屋に戻ろうと思っていたんです」
ロベール 「そう。よかった」
ロベール 「何の本を読んで…」
そう言いかけたロベールさんは、私が持っていた本の表紙を見て瞳を瞬かせる。
ロベール 「珍しい本を読んでいるね。公務に関係が?」
吉琳 「あ、そうではないんです。実は…」
最近、忙しく仕事をしている彼が心配で詳しく話を聞いてみると、
人手が足りないと言っていたため、
明日のお休みを使って、一日彼の仕事を手伝うことにしていたのだった。
ロベール 「吉琳ちゃんは優しいね」
吉琳 「そんなことないです。彼にも最初はすごく反対されてしまいました」
しかし、彼の負担を減らせるならと思い根気強く頼み込んで、
周囲に、プリンセスだとばれないようにすることを条件に、了承してもらっている。
吉琳 「それで、始める前に少しでも知っておきたくて」
ロベール 「勉強熱心だね」
吉琳 「たった一日ですが、あの人がいつも頑張っているお仕事に関わるので、」
吉琳 「役に立てるようにしたいんです」
(あの人のことも、お仕事も尊敬しているから…しっかり準備をしないと)
ロベール 「吉琳ちゃんのそういうところ、とても素敵だと思うよ」
ロベール 「明日は頑張ってね」
吉琳 「はい!」
眩しい朝日が差す中庭に、私の声が静かに響く。
ロベールさんに笑顔を向けて、私はベンチから立ち上がった…―

 

【50個特典】ユーリの特典ストーリー

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青空にふわりと浮かぶ雲が、穏やかに流れていく、ある午後…―
メイド服を身にまとい、城内のメイドさんたちに交ざりながら、
私は、広間で掃除をしていた。
(この拭き掃除が終わったら、次は食堂だよね)
朝、聞いた予定を頭に思い浮かべながら手を進めていく。
ここ数日、病気でお休みをしているメイドさんに代わり、仕事をしているユーリのために、
こうして手伝うこととなったのだった。
(今のところ、誰にも気づかれていないみたい。よかった)
ほっとしながらも、気を抜かずに窓を丁寧に拭いていると、
いつの間にか隣に立っていた人影に話しかけられた。
ユーリ 「頑張ってるみたいだね!」
吉琳 「っ…ユーリ……様」
ユーリ 「新人さんだし、分からないことがあったら何でも聞いて」
吉琳 「は、はい」
(もう、ユーリってば…)
からかうような眼差しと、いつもと違う状況に、鼓動が早鐘を打つ。
そんな私へ意味深に微笑んだユーリは、
その場から離れ、他のメイドさんにも声をかけていった。
(何だか、『執事』と『プリンセス』の時と、ユーリが違って見えるな)
ユーリは、周りを細かく見ていきながら、
困っていそうなメイドさんには、頼まれる前に手を貸している。
(私といる時も、すぐに色んなことに気づいてくれるけれど、)
(きっと普段から、こうしてお仕事しているからだろうな)
胸の中で改めて感謝していると、
近くで掃除をしていたメイドさんたちが、声をひそめながらこちらに話しかけた。
メイド1 「私たちも、新人の時はユーリ様に助けてもらったの」
メイド2 「執事のお仕事もあるのに、優しいわよね…」
吉琳 「そう…ですね…」
瞳を輝かせ、憧れの眼差しを向ける様子に、
わずかに、もやもやした気持ちが湧いて、あいまいに頷いてしまう。
(でも…そんな場合じゃないよね。もらった仕事を、ちゃんとこなさないと)
私は無理やり気持ちを切り替えて、止めてしまっていた手を再び動かした。
……
その後…―
(自分で食事の準備をするなんて、城下に戻ったみたい)
順調に仕事を進め、私は予定通り食堂で夕食の準備をしていた。
(これが終わったら、プリンセスに戻ってここで食事をとるなんて、少し変な感じ)
思わず笑みをこぼしながらテーブルに食器を並べ終えると、
すぐ側で夕食のメニューを確認していたユーリが、明るい笑顔を浮かべる。
ユーリ 「うん、完璧だね!」
吉琳 「ありがとうございます」
半日ですっかり慣れてしまったメイドとしての態度を崩さず頭を下げると、
ユーリが、おかしそうにくすくすと笑い声をこぼした。
ユーリ 「ここには誰もいないし、いつも通りでいいよ吉琳様」
(あっ、言われてみれば…)
『吉琳様』と呼ばれ、ばれないように気を張っていた心が落ち着いていく。
ほっとして頷きを返すと、ユーリがふと嬉しそうな表情を浮かべた。
ユーリ 「あ、やっと俺のこと見てくれた」
吉琳 「え?」
ユーリ 「目が合わないなーって思ってたんだ」
ユーリ 「広間の掃除の後から」
吉琳 「っ……」
図星をつかれ、鼓動が大きな音を立てる。
(やっぱり気づいていたんだ…)
(…やきもちを焼いてしまったからって、不自然すぎたよね)
素直に謝ろうと口を開きかけた時、ユーリが私の手を両手でそっと包みこんだ。
ユーリ 「何かあった?」
その眼差しには心配の色が浮かんでいて、私は慌てて首を横に振る。
吉琳 「ううん、そうじゃなくて、」
吉琳 「…ユーリがメイドさんに人気だったから、つい……」
言葉にすると恥ずかしさが湧き、頬に熱が集まるのを感じながら告げる。
すると、吹きだすように笑ったユーリが、額をこつんと合わせて…―
ユーリ 「ちょっと嬉しいなー。大丈夫、俺は君しか見てないから」
ユーリ 「俺は、吉琳様から人気でいたい」
その言葉と共に、頬に柔らかな感触が落ちた。
吉琳 「ユ、ユーリ……誰かに見られちゃうかも…」
ユーリ 「だって、吉琳様が可愛いこと言うんだもん」
ユーリ 「今はまだ仕事中だから、これで我慢するけど、」
ユーリ 「今夜、ちゃーんと俺の気持ち、教えてあげるね」
(改めてこう言われると、どんな風に教えてくれるのか気になってしまうけれど…)
(ユーリの想いなら、何でも全部受け止めたい)
夜を思い、胸が甘く騒ぐ音を聞きながら、ユーリにそっと寄り添った…―

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20181021~20181101

Sweet Sweets time~いじわる彼とやさしい彼~[前編]

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大切な人にお菓子を贈る『収穫祭』のため、
彼と一緒にお菓子作りをすることになって…―
アラン「嫉妬してんの?」
ルイ「もっとしたい…いい?」
レオ「……そんな可愛いことされたら、本当に抑えられなくなるよ?」
ユーリ「…食べさせてもらうの恥ずかしかった?顔が赤いよ?」
アルバート「俺も、大切な人にお菓子を渡したくなったんです」
意地悪な彼と優しい彼の、普段は見せない一面に…
あなたの心は、お菓子よりも甘いときめきで満たされる…―

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

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それは、うららかに晴れたある日のこと…―
いつになく賑やかな雰囲気に包まれた城下を、吉琳はジルと共に歩いていた。
ジル 「公務とはいえ、年に一度のお祭りですから、」
ジル 「どうぞ楽しんでください」
吉琳 「ありがとうございます」
ジルからお菓子の入ったバスケットを受け取り、ゆっくりと歩を進める。
すると、その姿に気づいた子どもたちが笑顔でこちらへ駆けてくる。
子ども 「プリンセス!お菓子ちょーだい!」
吉琳 「はい、どうぞ」
子ども 「わたしにもー!」
次々と伸びてくる小さな手に、お菓子の包みを手渡していく。

(こんな風に城下の人と触れ合える機会があるのは嬉しいな)

『収穫祭』は、国の豊作を祝って行われるお祭りで、
国民を労いお菓子を配るというのが、今回の公務だった。
子ども 「ねぇ、プリンセスは、たいせつな人におかしあげた?」
質問を投げかけられ、城下に伝わるある風習を思い出す。

(収穫祭では、家族や恋人に手作りのお菓子を贈り合うんだよね)

吉琳 「私にとっては、国のみんなが大切な人だから」
そう言って笑みを返すと、子どもたちは嬉しそうに頷いて親の元へと戻って行く。

(国の人たちみんなを大切に思っているのは本当だけど…)

この後、愛しい彼と約束していることを思い出し、わずかに体温が上がる。

(今夜、彼と特別な時間を過ごせるといいな)

空が赤みを帯びていく中、彼のことを想うと、私の心もほのかに色づき始めていた。

 

【50個特典】アルバートの特典ストーリー
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澄んだ空気が広がる、収穫祭の日の夜…―
公務を終えた後、
ウィスタリアを訪れていたアルバートと一緒に、宿舎のキッチンへと来ていた。
吉琳 「まさかアルバートの方から、」
吉琳 「『収穫祭のためのお菓子を作りましょう』と誘われるなんて、思ってもみませんでした」
アルバート 「大切な人にお菓子を贈るというのが、収穫祭の風習と聞いて」
アルバート 「俺も、大切な人にお菓子を渡したくなったんです」
吉琳 「そうだったんですね」

(公務後に、元々会う約束はしていたけれど…)
(収穫祭の日にこうして一緒にお菓子作りが出来るなんて、嬉しいな)

調理をするための準備をしながら、二人で笑みを零す。
アルバート 「これだけ材料もありますから。好きなだけお菓子が作れますよ」
吉琳 「はい、楽しみです!」

(沢山お菓子を用意するってことは、ゼノ様やお城の方に配るのかな)
(アルバートにとってシュタインの方は、大切な人だもんね)

調理台に用意された様々な食材を前に微笑むアルバートを見ていると、
胸に温かなものが広がる。
アルバート 「あなたの荷物は、汚れないように別の台に置いておきましょう」
吉琳 「ありがとうございます」
私が持っていた包みを、アルバートはそっと隣の調理台の上へと置いてくれる。

(…アルバートへのお菓子は、調理の後に渡そうかな)

用意してきた包みから視線を外し、さっそくアルバートと一緒にお菓子作りを始めた。

***

パウンドケーキを作ることにした私たちの時間は、
和やかな雰囲気で進んでいたけれど…
吉琳 「クリームを泡立たせるのって、なかなか難しいですね……」
アルバート 「ずっと混ぜていて疲れたでしょう。俺が代わります」
吉琳 「…ありがとうございます」

(アルバートって、いつも私のことを見てくれているな…)

私の代わりにクリームを混ぜ始めたアルバートの横顔を見つめて、胸の奥が甘く震える。
アルバート 「こういうのは根気のいる作業ですから。一緒に頑張りましょう」
吉琳 「…はい!」
優しい眼差しで微笑んでくれるアルバートに笑顔で頷き返し、
再びパウンドケーキ作りへと戻った。

***

ひと通りの作業を終えると、
二人でキッチンの椅子に腰かけながら、ケーキが焼き上がるのを待っていた。

(あ、そうだ…今なら渡せるかな)

吉琳 「あの…アルバート、これを…」
隣の台に置いていた包みを控えめに差し出すと、
アルバートは不思議そうに首を傾げる。
吉琳 「アルバートに渡したいと思って用意してきた、収穫祭のお菓子です」
アルバート 「………!」
吉琳 「クッキーを焼いてみたので、良ければ食べてください」
アルバート 「…早速頂いても良いですか?」
吉琳 「はい、もちろんです」
私が嬉しさを滲ませながら頷くと、
アルバートは丁寧に包みを開いてクッキーの箱を取り出した。
割れ物を扱うかのように、
アルバートはクッキーの一つをゆっくりと口の中へと運ぶ。
アルバート 「……」
吉琳 「どうでしょうか…?」
わずかに胸を高鳴らせながら見つめていると、アルバートはふっと目を細め…―
アルバート 「これはあなたが作ったものですか……? とても美味しいです」
吉琳 「良かったです…お口に合わなかったらと、少し心配していたので」
アルバートの言葉に、
安心して胸をなでおろしていると、ケーキの甘い香りが漂ってきた。
アルバート 「作ったお菓子も、ちょうど出来上がったようですね」
吉琳 「はい、温かいうちにお皿に移しましょう」
焼き上がったケーキをアルバートがお皿へと移してくれると、
穏やかに微笑みながら私の方へ差し出してくる。
アルバート 「ケーキは出来立てのうちに、どうか食べてください」
吉琳 「でも…私が食べてしまっては、ゼノ様たちに配る分が減ってしまうんじゃ…」
アルバート 「このパウンドケーキは、あなたの為に作ったものです」
吉琳 「え…?」
そう言うアルバートの優しい瞳は真っすぐに私の姿だけを映していた。
アルバート 「今の俺にとって、一番大切な人は吉琳です」
吉琳 「っ……」
アルバートから注がれる愛情のこもった眼差しに、
胸がトクンと甘い音を立てる。

(いつでもアルバートが私を見ていてくれるから…)
(こんなに笑顔でいられるのかもしれないな)

二人並んで椅子に腰かけた私たちは、
愛おしい想いを込めるように、どちらからともなく手を繋ぐ。
互いの温もりを分かち合う私たちの間には、
幸せな時間がゆっくりと流れていった…―

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

 

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

20181121~20181202

Sweet Sweets time~いじわる彼とやさしい彼~後編

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

大切な人にお菓子を贈る『収穫祭』のため、
彼と一緒にお菓子作りをすることになって…―
ジル 「きちんと聞かせてください。…この口で」
ゼノ 「大切な相手の為に作るというのは…こんなに良いものだったんだな」
ロベール 「吉琳ちゃんは、何か他にもしたいことがあるのかな?」
シド 「大人しくしてろ」
レイヴィス 「意識しすぎ。今さら照れることじゃないだろ」
意地悪な彼と優しい彼の、普段は見せない一面に…
あなたの心は、お菓子よりも甘いときめきで満たされる…―

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プロローグを読む

 

それは、風が小枝を優しく揺らす、ある日のこと…―
いつになく賑やかな雰囲気に包まれた城下で、お菓子を配るため、
ユーリと一緒に並んで歩いていた。
ユーリ 「『収穫祭』のお菓子を街で配るなんて、大変かなって心配してたけど…」
ユーリ 「吉琳様が楽しそうで、安心したよ」
吉琳 「うん。だって城下の人たちと直接話せる機会って少ないから…」
吉琳 「疲れよりも、楽しさの方が大きいかな」
ユーリ 「そっか」
私の答えに、ユーリも安心したような笑みを返してくれる。
『収穫祭』は、国の豊作を祝って行われるお祭りで、
国民を労いお菓子を配るというのが、今回の公務だった。
子ども 「プリンセスー!さっきはお菓子ありがとー!」
吉琳 「どういたしまして。お家でゆっくり食べてね」
子ども 「プリンセス!わたしにも、おかし、ちょうだい!」
吉琳 「もちろん。はい、どうぞ」
お菓子の包みが沢山入った手元のバスケットからは、ほのかに甘い匂いが香る。
そこから一つずつ丁寧に取り出しては、街の人や子どもたちへと手渡していく。

(みんな喜んでくれているみたい、良かった)

お菓子を渡した人たちの笑顔を見て、私が顔を綻ばせていると、
隣にいたユーリが思い出したように口を開く。
ユーリ 「そういえば、さっき街の人に聞いたんだけど…城下では、街で配ったりする以外に、」
ユーリ 「『大切な人』にもお菓子を渡す風習があるって、吉琳様は知ってた?」
吉琳 「えっ」
悪戯な瞳でユーリに問いかけられ、私は城下で暮らしてた頃に聞いた、ある風習が頭をよぎる。

(家族や恋人に手作りのお菓子を贈り合うっていう風習のこと…だよね)

吉琳 「もちろん、知っているよ」
ユーリ 「ふーん、そうなんだ。……ねえ、吉琳様にとって大切な人って誰?」
吉琳 「私の…?」
ユーリ 「うん」

(私の大切な人、か……)

ユーリの思わぬ質問に、少しだけ考えを巡らせてから口を開く。
吉琳 「私にとっては、国民の人たちが大切な人だから」
ユーリ 「…そっか。吉琳様ならそう答えるかなって思ってたよ。…じゃあ、続きを配ろっか」
吉琳 「う、うん…!」
ユーリの言葉に頷きながらも、愛しい彼との約束を思い出して、わずかに頬が熱くなる。

(国民の人たちが大切っていうのは、本当だけど…彼と過ごす時間も、私にとっては特別だから)
(楽しい時間を過ごせるといいな…)

頬を撫でる冷たい風すらも愛おしく感じながら、
彼への想いを募らせていくのだった…―

 

【50個特典】ロベールの特典ストーリー
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月が淡く照らす、ある夜…―
ロベールさんと収穫祭のお菓子を作る為、キッチンで待ち合わせをしていた。

(一緒に作って食べるって約束だけれど、)
(せっかくなら、ロベールさんに喜んで貰えるものを作りたいな)

いくつかお菓子のレシピが書かれている本を見ながら、ロベールさんを待っていると、
キッチンの扉が静かに開く。
ロベール 「…吉琳ちゃんは、もう居るかな?」
吉琳 「ロベールさん!」
扉の奥から顔を覗かせたロベールさんに、満面の笑みを返すと、
ロベールさんからも柔らかな笑みが零れる。
ロベール 「ごめんね、遅くなってしまって」
吉琳 「いえ。気にしないでください」
ロベール 「…何を見ていたんだい?」
吉琳 「お菓子のレシピです。何を作ろうか迷ってしまって」
ロベール 「そうか…」
私の言葉を聞くと、ロベールさんがふっと目を細めて微笑んだ。
ロベール 「今日は、吉琳ちゃんの食べたいと思う物を作りたいな」
吉琳 「えっ?」
ロベール 「君のことだから、俺好みのお菓子を作りたいって、考えてるのかと思ってね」

(私が何で悩んでいたか、ロベールさんにはお見通しだったんだ…)

ロベール 「昼間も公務で疲れただろう。
ロベール 「頑張ったご褒美を、俺から君にあげたいんだ」
吉琳 「ロベールさん…」

(こんなにいつも甘えてしまって、いいのかな)

私が答えを迷っていると、こちらを見つめていたロベールさんが優しく頭を撫でてくれた。
ロベール 「俺は、吉琳ちゃんが美味しく食べてくれるなら、それだけで嬉しいよ」
吉琳 「…ありがとうございます。では、お言葉に甘えて」
ロベール 「うん、どうぞ」
そう頷くロベールさんの隣で、そっと寄り添うように、
レシピの載った本を見ながら、二人きりのお菓子作りを始めた。

***

調理を終えて、早々と片づけをした私たちはロベールさんの部屋を訪れていた。
ソファへ腰かけた私の横にロベールさんも並んで座ると、
二人で作ったクリームブリュレを口にし始める。
ロベール 「美味しく出来て良かったね」
吉琳 「はい…ロベールさんが一緒に作ってくれたおかげです」
ロベール 「そう言って貰えると、俺も嬉しいよ」
微笑みを交わしながらクリームブリュレを食べていると、
不意にロベールさんが、私の方へ片方の手を伸ばしてきた。
吉琳 「……っ…」
ロベールさんの指先が口元に触れ、思わず鼓動が跳ねる。
覗き込むように顔を近づけたロベールさんに、指の腹で優しく口の端を拭われ、
初めて濡れた感触に気づいた。
ロベール 「口元に付いていたんだ」
ロベール 「いきなりごめんね、驚かせてしまったかな?」
吉琳 「い、いえ…ありがとうございます」

(凄く距離が近かったから、少しドキドキしちゃった…)

安堵したような少し残念なような、複雑な気持ちでほっと息をつく。
しばらくして、クリームブリュレを食べ終えると、
私はロベールさんの方へと向き直った。
吉琳 「今日は、私のわがままを聞いてくれてありがとうございました」
ロベール 「…本当に吉琳ちゃんは真面目だね」
ロベール 「ただ、俺がそうしたかっただけなのに」
吉琳 「それでも…やっぱり嬉しかったので」
素直な気持ちを伝えた私を見つめながら、ロベールさんが口元を綻ばせる。
ロベール 「お菓子作りの他に、何かしたいことはあるかい?」
吉琳 「えっ……」

(私のしたいこと…?)

頭の中で考えを巡らせていると、ふとロベールさんと視線がぶつかり…―
ロベール 「したいことがあったら全部言ってね。
ロベール 「今日は好きなだけ甘えてほしいから」
そう言って優しく微笑んだロベールさんと見つめ合い、胸が甘く波打つ。
吉琳 「それなら…ロベールさんと、ずっとこうしていたいです」
ロベール 「吉琳ちゃん…」
恥じらいながらロベールさんの胸に顔を埋めると、柔らかな温もりがそっと包み込んでくれる。
吉琳 「ロベールさん……」
ロベール 「……」
抱きしめられた腕の中で、ロベールさんの方を見上げると、
思っていたよりも顔が近くて、あと少しで唇が触れてしまいそうだった。

(どうしよう…つい、意識してしまう…)

ロベール 「吉琳ちゃんは、何か他にもしたいことがあるのかな?」
吉琳 「っ…えっ、それは…」
ロベール 「…ほら、言ってごらん」
いつもより艶やかな瞳のロベールさんに促され、高鳴る胸を押さえながら口を開く。
吉琳 「……キス、して下さい…」
私が望みを口にしたと同時に、唇には甘いキスが落とされる。

(こんなにも甘えさせてくれるロベールさんに、)
(いつかちゃんと、私からもお返ししたい…)
(けど今は……もう少しだけ、このままで)

愛しい人から与えられる柔らかな口づけと、包まれるような温もりに、
私の胸は、幸せな気持ちで満たされるのだった…―

 

【190個特典】シドの特典ストーリー
特典ストーリーを読む

 

満月の光が照らす、静かなある夜…―
収穫祭のお菓子作りの約束をしていたシドと、キッチンで準備をしていた。
スコーンとブランデーで漬けたジャムを作ることになり、まずはジャム作りを始める。
シド 「さっさと作るぞ」
吉琳 「あっ、ちょっとシド…!」
私が手に持っていた果実を取ったシドは、調理台で丁寧に皮を剥き始めた。
シド 「お前がやると、実が無くなっちまうかもしれねえからな」
吉琳 「もう……でも、ありがとうシド」

(ぶっきらぼうだけど…なんだかんだ優しいんだよね)

私の代わりに、隣で果実の皮を剥くシドを見て、思わず顔が綻ぶ。
シド 「ニヤけてねえで、ちゃんと手伝え」
吉琳 「べ、別にニヤけてなんて…」
口角を上げたシドにからかわれながらも、順調にジャム作りは続き…
吉琳 「わっ、良い香り……!」
シド 「ああ」
瓶詰にして冷ましていたジャムの蓋を開くと、
キッチン内には、甘酸っぱく食欲をそそるような香りが漂う。

(ジャムだけでも、とても美味しそう…)

赤い果実の果肉が入ったジャムは、瓶の中で魅惑的に色めく。
シド 「ちょっと味見してみるか?」
吉琳 「えっ…?」
指先でジャムを掬い取ったシドは、その手を私の口元へと差し出してきた。
シド 「ほら、早くしろ」
吉琳 「そんなこと言ったって…」

(シドの指についたジャムを、舐めろって事だよね…?)

頬が熱くなりながら、差し出された指を見つめていると、
焦れたようなシドが、少し強引に唇へと指先を触れさせた。
吉琳 「ん……美味しい…」
シド 「よし、こっちは良さそうだな」
満足そうな笑みで頷いたシドは、軽く手を洗ってから今度はスコーン作りへと移る。
私も、まだ熱の冷めない頬とわずかに速まった鼓動のままに、
シドの調理を手伝った。

***

その後。スコーンを焼き上げた私たちは、
そのままキッチンの椅子に座り、作ったお菓子を試食することにした。
温かなスコーンを切り分け、その上に赤い果実のジャムを添えて一口かじる。
吉琳 「……っん」
シド 「……」
口に含んだ瞬間、舌の上にはジャムの甘酸っぱさとスコーンのほのかな甘みが広がる。

(美味しい…!これもシドが一緒に作ってくれたおかげかな)

自然と顔を綻ばせながら、スコーンをじっくりと味わっていると…
吉琳 「っ……!」
シドが片方の手で私の後頭部を支えながら、顔を寄せてキスをしてくる。
キスは徐々に深くなっていき、口を開かせるようにシドの熱が口内へと入り込んできた。
吉琳 「…っ…はぁ…」
シド 「ん、美味く出来たな」
吉琳 「もう、シドってば…」
口移しで味見をしたシドは、不敵な笑みを浮かべ、意地悪な瞳をこちらに向けてくる。

(こうやってすぐ、からかってくるんだから…)

乱された呼吸を整えながら、シドの方を見上げると、
綺麗な装飾のされた包みを私の方へと差し出していた。
吉琳 「これは…?」
シド 「あ? 収穫祭の菓子に決まってんだろ」
吉琳 「だって、お菓子は今…」
シド 「作った菓子はお前から俺へのだろ。これは、俺からお前にだ」
私の手を引いたシドは、自分の持っていたお菓子の包みを、私の手の平の上にぽんと乗せた。
吉琳 「シド…ありがとう」
吉琳 「このお菓子は、シドが私のこと、好きって想ってくれてる証だよね」
手渡されたお菓子の包みを見つめて、胸の奥が甘く痺れる。
嬉しさの滲んだ表情の私を見つめていたシドは、
不意に私の手を引いて…―
シド 「『好き』っつー言葉だけで満足なのか? お前が望むなら、身体に教えてやってもいいがな」
引き寄せられた私の身体は、シドの腕の中へと閉じ込められてしまう。
力強いシドの腕に抱かれ、思わず鼓動が高鳴った。
吉琳 「…シド…っ」
シド 「大人しくしてろ」
そのまま、吐息さえも奪うような深いキスをシドに与えられ、
私は眩暈すら覚えた。
吉琳 「…苦しいよ」
シド 「悪いな」
吉琳 「ううん。でも、嬉しいから…」

(シドって口調は乱暴だし、意地悪なところもあるけれど…)
(思いやりがあって、すごく優しいんだよね)

強引だけど真っすぐなシドの愛情表現に、私の中に愛おしさがこみ上げてくる。
吉琳 「ねえ、シド」
シド 「あ?」
吉琳 「今のじゃ…満足できない」
シド 「……言うじゃねえか」
その挑発的な言葉や声とは裏腹に、シドの表情はとても穏やかで優しい。
シド 「今夜は、覚悟しとけよ」
私が頷きを返す前に、両手で顔を包み込んだシドは、
今度は優しいキスを落としてくれる。

(からかってたと思ったら、お菓子を用意してくれていたり、)
(相変わらずシドは、ずるいな…)

何度も繰り返される柔らかなキスを受け止めながら、
とろけてしまいそうな程に、心が甘く震えるのを感じていた…―

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

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20181219~20181230

城下でこっそり♡お忍びデート~カレの願いを叶える1日~

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

彼の『やりたいこと』が書かれたメモを見つけたあなたは、
願いを叶えるため、城下のイベントに彼とこっそり参加することに…―
アラン「あんまりはしゃいで目立つと、プリンセスだってバレるぞ」
アラン「お前が、こういうの好きそうだと思って…」
ルイ「吉琳も目立つよ、可愛いから」
ルイ「誰も見てないよ」
レオ「これで、誤魔化せるかな」
レオ「来たばっかりで連れ帰られるのは勿体ないよね」
ゼノ「今年の最後を、お前と一緒に過ごしたいと思っていた」
ゼノ「このままだと、お前がプリンセスだと分かってしまうかもしれないな」
ユーリ「ちょっと寒いけど、吉琳様は大丈夫?」
ユーリ「大丈夫、誰も吉琳様だって気づかないよ」
今年最後の思い出は、彼とこっそり楽しむ甘いひととき…―

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冷たい風が葉の落ちた木を優しく揺らす、ある日の朝…─
ベッドの上で身体を起こした私は、
まだ隣に残る、わずかな温もりに胸をときめかせていた。
(昨夜は、彼と一緒に過ごしていたんだっけ…)
誰かに見つかってはいけないと、
『朝になったら部屋に戻る』と言い残した彼の言葉を思い出す。
(もっと一緒に居たかったけれど…仕方ないよね)
ほんの少し寂しさを感じていると、部屋の扉がノックされた。
ジル 「…失礼いたします、プリンセス。開けてもよろしいでしょうか?」
(ジル…?)
吉琳 「あ、待ってください…!今、開けます」
慌てて身だしなみを整えると、扉を開いて、ジルを部屋へと招き入れる。
ジル 「…まだ、お休みのところだったのですね」
ジル 「邪魔をしてはいけないと、これでもゆっくり来たつもりでしたが」
口角を上げて微笑んだジルの含みのある言葉に、思わず頬が熱くなってしまう。
(もうこんな時間だったんだ…気づかなかった)
ジルの手元にある懐中時計に視線を落とすと、起床時刻は既に過ぎていた。
吉琳 「それよりジル…今日はどうしたんですか?」
(たしか、公務は午後からだったはずだけれど…)
ジル 「本日から年末までの公務の予定が少し変わりましたので、」
ジル 「それをお伝えしに参りました」
吉琳 「そうだったんですね、ありがとうございます」
それから公務の予定を伝えたジルは、少しだけ申し訳なさそうに息をこぼした。
ジル 「年を終える直前まで、予定が立て込んでしまい申し訳ありません」
吉琳 「いえ…気にしないでください。ジルのせいではありませんから」
頭を下げるジルに向かってそう言うと、顔を上げたジルは、目を細めながら微笑む。
ジル 「ありがとうございます」
ジル 「…少し気が早いですが。今年もよく頑張りましたね、プリンセス」
吉琳 「ジル…」
(そんな風に言われると、なんだか照れてしまうな)
気恥ずかしさを隠すように、思わず私は別の話題へと話を逸らす。
吉琳 「もう今年も終わりなんですね。なんだか、あっという間でした」
ジル 「そうですね、私もです」
私の言葉に、穏やかな声音で答えたジルは、ふいに何かを思い出したように口を開く。
ジル 「そういえば…」
ジル 「もうすぐ今年も終わるからと、城下ではイベントが行われるようですね」
吉琳 「城下で?」
ジル 「ええ」
そう言うジルに、城下で行われる年の瀬のイベントについて詳しく教えてもらう。
吉琳 「…そんなイベントが行われるんですね。とても楽しそう」
城下が楽しげに賑わう所を想像して、つい顔を綻ばせてしまうと、
ジルが軽く咳ばらいをしてから、こちらを見つめる。
ジル 「…言っておきますが、国の状況をお伝えする為に申し上げただけで」
ジル 「決して、イベントへの参加を勧めたわけではありませんよ」
吉琳 「っ…もちろんです」
ジル 「お分かりでしたら結構です。…それでは、また後ほど」
微笑みながら部屋を出て行くジルの背中を見送り、ベッドの上へと腰かけると、
ふと枕元に小さな紙が落ちている事に気づいた。
(何だろうこれ…)
開いてみると、そこには彼の筆跡らしき走り書きで私の名前と、
彼の『やりたいこと』らしき事柄が書かれていた。
彼の心の中を覗き見てしまったようで、どことなく胸がざわめく。
吉琳 「……あれ? この『やりたいこと』って…」
メモの内容を見つめていると、先ほどのジルの話が頭をよぎる。
(さっき話していた城下のイベントでも、こんなことがあったような)
(もしかして彼は、そのイベントに参加したかったってこと…?)
そんな疑問が浮かんだ後、私の中に少しだけイタズラ心が芽生えてしまう。
(…誰にも見つからないように、こっそり二人で参加できないかな)
(……なんて、やっぱり難しいよね)
年の瀬だけに行われる城下のイベントでしか叶えられないであろう、彼のやりたいこと…
その願いを叶えたいという想いを、胸の奥にそっと秘めながら、私は、
部屋の扉をゆっくりと開いた…─

 

【50個特典】ユーリの特典ストーリー
  
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夜空に星が瞬き始めた頃…―
『雪を見に行きたい』……ユーリの字でそう書かれたメモを拾った私は、
いつものようにお茶を淹れてくれるユーリを見上げた。
吉琳 「ねえ、ユーリ……一緒にお城を抜け出してみない?」
ユーリ 「え?」
驚いたように目を瞬かせ、ユーリの手がぴくりと止まる。
私は今度、雪で出来たオブジェが沢山飾られるイベントが城下で開催される事を伝えた。
吉琳 「ユーリと一緒に行ったら楽しそうだなって思ったの」
すると、ユーリが困ったように笑う。
ユーリ 「もしかして、俺の落としたメモ…見ちゃった?」
吉琳 「えっ……」
どきりと鼓動を跳ねさせると、ユーリは唇に笑みを滲ませる。
ユーリ 「まさか吉琳様から誘われるなんて思ってなかったな」
ユーリ 「ジル様に見つからないようにしないとね」
肩をすくめるユーリと笑い合って、
今度の公務のない日に二人で出かける事を決めた…─

……
数日後…─
こっそりと城下を訪れた私たちは、イベントが行われる会場を目指していた。
ユーリ 「ちょっと寒いけど、吉琳様は大丈夫?」
吉琳 「うん、大丈夫だよ」
ユーリ 「よかった。どんなオブジェがあるか楽しみだね」
何気ない会話に心を弾ませていると、ユーリがふと私の顔を見つめる。
吉琳 「どうかした?」
ユーリ 「うん、今日も吉琳様は可愛いなと思って」
突然の言葉に、顔がほんのりと熱を持つのを感じていると、ユーリが楽しそうに笑う。
吉琳 「もう……」
熱を帯びた顔を俯かせた私に、ユーリはふわりとマフラーを巻いてくれる。
ユーリ 「ここは大丈夫だけど、会場は寒いかもしれないから」
ユーリ 「それにこうしてれば顔も隠せるし、プリンセスだって分からないよ」
(そっか……騒ぎになったら大変だものね)
包まれた温もりにほうっと息をこぼすと、ユーリの唇が軽く頬に触れる。
吉琳 「ユーリ!」
(街の人たちもいるのに……っ)
ユーリ 「大丈夫、誰も吉琳様だって気づかないよ」
悪びれずに手を差し出され、私は火照った頬のままユーリと手を繋いだ…─
ユーリ 「吉琳様、見て!」
吉琳 「わあ、可愛い」
雪が敷き詰められた教会前広場で最初に目に飛び込んできたのは、
沢山の動物を模したオブジェたちだった。
私たちは手を繋いだまま人波に交じって見て回る。
ユーリ 「ねえ。これはどう見ても……」
吉琳 「チロルだね」
頬っぺたをいっぱいに膨らませたリスの像の前で、お互いの顔を見つめて笑い合う。
(やっぱりユーリと過ごす時間は、すごく楽しいな)
ユーリ 「向こうも見てみよう」
吉琳 「うん」
優しい手に引かれて広場の中央に移動すると、人垣の向こうにあった一つの像に目を見張る。
女の子たちは羨望の眼差しを寄せ、街の人たちはその美しい像に賛辞の声を贈っている。
(あれは、もしかして…)
ユーリ 「プリンセス、だね」
人々に慕われているその美しい佇まいを見つめ、胸の中がじわりと温かくなる。
吉琳 「…ねえ、ユーリ」
吉琳 「私、もっともっと頑張りたいな」
ユーリ 「もっと…?」
吉琳 「うん。いつか、この像に見合う素敵なプリンセスになれるように…」
ユーリ 「…俺は、もう十分だと思うけどな」
吉琳 「え…?」
ユーリは繋いだ手にきゅっと力を込めると、優しく私を見つめて…─
ユーリ 「プリンセスの素敵なところ、俺いっぱい知ってるよ」
ユーリ 「頑張り屋で、責任感もあって、可愛くて……あれ、照れちゃった?」
贈られた言葉たちが胸をくすぐって、私の頬はいつの間にか染まっていた。
吉琳 「……ありがとう、嬉しい」
ユーリを真っ直ぐ見られないまま呟くと、目の前に影が差してこつんとおでこが重なった。
ユーリ 「帰ったら……吉琳様の素敵なところ、もっと伝えてあげる」
囁かれた声はいつもより甘く響いて、ますます顔が熱を帯びていく。
(ユーリといると、幸せ過ぎて困るくらいだな…)
高鳴る鼓動と共に、私の胸は輝く雪のように幸せな気持ちに包まれていった…─

日版王宮 收集活動-我停更後的合集: 2018年

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