Touchで起こして~王子様と目覚めのキス~[後編](獎勵故事)
ハート1つで1回タッチできるよ☆
1ステージ20タッチできて、それぞれの彼に3ステージずつ用意してるよ☆
大好きな彼との甘い時間を楽しんでね♪
。・*特別ストーリーをGETしよう*・。
彼の全てのステージをクリアすると
彼と迎える朝に甘い時間を過ごす
特別ストーリーがGETできるよ♪
*感謝沐沐提供艾倫跟席德的^3^
プロローグ>>>
――…愛する人が目覚める時には、いつでも隣にいたい
眠っていた彼が、あなたの行動に目を覚まして……
………
……
ゼノ:すまないな、まだ少し寝ぼけているようだ
ゼノ:吉琳…眠気覚ましに協力してくれないか?
………
アルバート:寝ている俺に、勝手に触った罰です
アルバート:俺にも、同じようにする権利はあるでしょう?
………
レオ:吉琳ちゃん、いいの…?
レオ:逃げないと、寝起きの狼に襲われちゃうよ…?
………
クロード:寝顔を盗み見とは、いけないお姫様だな?
クロード:それから、同意なくキスをするのもな
………
シド:キスで起こす時は、こうやるんだよ
シド:どうだ、次回はできそうか?
………
アラン:お前、俺の前で寝るとか警戒心なさすぎ
アラン:こういうことされるって、考えなかった?
………
……
???:我慢しないで声上げれば?
目覚めた王子様との甘い時間は、ちょっぴり刺激的…
あなたは、どの彼を起こす…――?
限定ミニストーリー
タッチしたい彼を選択しよう♪
全てのステージをクリアすると、
彼との甘いストーリーをGETできるよ!
◆アランの特別ストーリー◆
――…淡い陽の光が、東の空を染めていく朝
ベッドの上で目を覚ますと、アランが私の隣で眠っていた。
アラン:ん……
(…あれ?)
(私、どうしてアランと一緒に眠ってるんだろう…?)
体を起こそうとすると、アランが私の腰に手を回す。
沐沐:…っ…アラン?
アラン:……何?
(あ、起きてるんだ…)
瞼を閉じたまま、アランが眠そうな声を出す。
沐沐:私、いつアランの部屋に来たっけ…?
アラン:…昨日のこと、覚えてないわけ?
沐沐:うん…
(視察の帰りで、車に乗ったところまでは覚えてるんだけど…)
記憶を辿っていると、アランがうっすらと目を開いた。
アラン:昨日、車で寝たお前を俺がここまで運んだ
アラン:最近、公務が多かったから疲れてたんだろ
沐沐:そうかもしれない…ごめんね
沐沐:でも、どうしてアランの部屋に…?
(いつもなら、私の部屋に運んでくれそうだけど…)
首を傾げると、アランはむっとした表情を浮かべ、私の頬を軽くつまむ。
沐沐:…っ、な、なに…?
アラン:お前が言ったんだろ
アラン:…休日は朝から一緒に過ごしたいって
沐沐:あ…
アランに言われて、今日が休日だったことを思い出す。
(車の中で、そんなお願いしたんだっけ…)
(最近忙しくて、アランとゆっくり過ごせなかったから…)
わがままを叶えてくれたのだと思うと、途端に嬉しさが込み上げる。
沐沐:……ありがとう、アラン
頬を緩めると、アランがふっと口角を上げた。
アラン:礼はもう貰ったから
沐沐:…?
アラン:…ここ
とんとん、と胸元を指で示され視線を落とすと……
沐沐:……っ、これって…!
肌に薄く赤い痕がついていることに気づき、瞬く間に頬が熱を帯びる。
アラン:お前、ほんとに気づいてなかったんだな
沐沐:ア、アラン…っ
慌てて顔を上げると、ふいに唇を塞がれた。
沐沐:ん、ぅ……っ
言葉を呑み込むように深くなっていくキスに、吐息がこぼれる。
甘い感覚に目眩を覚えると、唇が微かに離れた。
アラン:お前、俺の前で寝るとか警戒心なさすぎ
アラン:こういうことされるって、考えなかった?
沐沐:……っ、次からは気をつける
アラン:ふうん…?
悪戯めいた笑みを浮かべたアランが、私の腰を抱き寄せ胸元に唇をつける。
沐沐:…っ、あ…
赤い痕を濃くするように、肌をきつく吸われた。
アラン:こうやって痕つけられるの、嫌?
沐沐:そうじゃない、けど…
沐沐:……恥ずかしいよ
アラン:…こんなので恥ずかしいとか言われても困るんだけど
(え…っ?)
アランがドレスの肩紐に指を掛け、鼓動が速くなる。
沐沐:ま、待って…
アラン:待たない
アラン:昨日、俺を我慢させた罰
一気にドレスを下ろされ、肌が空気に触れると、
アランに体をうつ伏せにされた。
沐沐:ん……っ
背中をなぞるようにキスが滑って、肩がびくりと震える。
こぼれてしまいそうになる声を抑えると、指先で唇をなぞられた。
アラン:我慢しないで声上げれば?
アランの指先が焦らすように腰の下に落ちて、思わずシーツを強く掴む。
沐沐:ん、ぁっ……
体の奥からあふれる熱に耐えていると、アランが耳を甘く噛んだ。
沐沐:……っ、ゃ…だめ
シーツを掴む手にさらに力を込めると、大きな手が重なる。
アラン:…やめない
アラン:寝起きのお前、可愛いから
楽しそうなアランの声が、後ろから響いてくる。
沐沐:っ…いじわる
アラン:知ってる
振り向くと、目の前に優しい笑顔が広がって胸が締めつけられた。
(…ずるい)
(そんな顔されると、何も言えないよ…)
アラン:俺と朝を過ごすの、嫌になった?
沐沐:ううん…
沐沐:いじわるだけど…そんなところも好きだから
(これからも、瞼を開けた先にはアランがいてほしい)
アランは小さく目を見開くと、笑みを深めて私を抱きしめる。
大好きな人と過ごす休日の朝は、世界で一番の幸せに満ちていた…――
◆ゼノの特別ストーリー◆
――…まどろむような陽気が窓からこぼれ落ちる午後
公務のためシュタインに滞在している私は、
休日にゼノ様と二人きりの時間を過ごしていた。
吉琳:……ん…
小鳥たちのさえずりに誘われるように目を開くと、
ソファーに座ったまま眠っていたことに気づく。
(私…たしか、ゼノ様と一緒に本を読んでて…)
肩に触れる温もりに、そっと視線を上げると……
ゼノ:…………
(あ…ゼノ様も眠ってるみたい)
穏やかな寝顔に、頬が緩んだ。
(最近忙しそうだったから、きっと疲れてるんだろうな)
ゼノ:……吉琳…
吉琳:…?
小さな声で名前を呼ばれた瞬間、ゼノ様が私の頭に頬を寄せる。
吉琳:ゼ、ゼノ様…?
ゼノ:…ん……
(起きたわけじゃないみたい…)
(気持ちよさそうに眠ってるし、起こすのはやめておこう)
ゼノ様の温もりに寄り添うように体を傾けると……
吉琳:あ……っ
膝に乗せていた本が滑り落ち、大きな音を立てた。
ゼノ:ん…
ゼノ:……どうした?
(しまった、起こしちゃった…)
ゼノ様が薄く目を開き、私に視線を向ける。
吉琳:すみません…本を落としてしまって
ゼノ:…怪我はないか?
吉琳:はい
ゼノ:それならいい
いつもより低く掠れた声で、ゼノ様が言葉を落としていく。
(…何だか、まだ眠そう)
気だるそうに前髪をかき上げるゼノ様は、眠気を堪えているように見えた。
(こんなゼノ様…見たことないかも)
本を拾ってソファーの脇に置き、ゼノ様と向き合う。
吉琳:このまま眠っても大丈夫ですよ
ゼノ:いや…今日は1日、お前と過ごすと決めている
吉琳:ゼノ様が眠られても、私はここにいます
吉琳:久しぶりの休みだと聞きましたし、無理はなさらないでください
さらさらの髪に手を伸ばし、眠気を誘うように優しく撫でると……
ゼノ:吉琳…
吉琳:……っ
そっと手首を掴まれ、引き寄せられた指先にゼノ様の唇が触れる。
ゼノ:無理はしていない
ゼノ:ただ、お前といる間は起きていたいだけだ
大きな手が肩に添えられ、体の隙間を埋めるように抱き寄せられた。
(ゼノ様…?)
髪にキスを落とされ、鼓動が甘く高鳴り始める。
吉琳:あ、の…
ゼノ:ん…?
(いつもと、雰囲気が違うような…)
首筋にかかった髪をかき分けられ、うなじを指でくすぐられる。
吉琳:っ、ぁ……
首から耳へと指が滑り、撫でるように弱い場所を掠めた。
(どう、しよう…変な声が出そう)
吉琳:ゼノ、様……っ
ぎゅっとシャツを掴むと、ゼノ様が微かに笑う。
ゼノ:すまないな、まだ少し寝ぼけているようだ
ゼノ:吉琳…眠気覚ましに協力してくれないか?
吉琳:…? 眠気覚ましって…
答えの代わりに、ゼノ様の指がドレスの肩紐にかけられる。
ゼノ:お前の温もりに触れると、目が覚めそうだ
(からかわれてるの、かな…? でも……)
胸の音が大きくなるのを感じながら頷くと、
肩紐を外され、腰までドレスが落ちていく。
(あ……)
さらされた胸にゼノ様が顔を寄せて、熱を煽るように肌を唇で挟まれた。
吉琳:ん……ぁっ
甘い感覚に持っていかれそうになる意識をかき集め、ゼノ様を見つめる。
深い色の瞳には、まだ微かに眠気が残っているように見えた。
吉琳:…っ……ゼノ様がこんなに眠そうにされているのは、珍しいですね
ゼノ:そうだな…
胸から顔を上げたゼノ様が、私の頬を軽くくすぐる。
ゼノ:俺は、人前で眠ることはほとんどない
吉琳:え…?
ゼノ:気配がすれば、すぐに起きてしまうのでな
ゼノ:だが、お前のそばだと気が緩むようだ
吉琳:ゼノ様…
(何だか、特別だって言われてるみたいで嬉しい…)
高鳴る胸に、温かい感情が広がっていく。
吉琳:それでは…私が今見ているゼノ様は、他の誰も知らないゼノ様ですね
ゼノ:…ああ
ゼノ:このような姿は、お前にしか見せないからな
目を細めたゼノ様が、私の唇を優しく塞ぐ。
大切にされていることが伝わってくるようなキスに、心が震えた。
(これからも、もっと知りたいな…)
(他の人が知らない、ゼノ様の素顔を…)
宝物のような想いと温もりを抱きしめながら、
陽だまりの中で、ゼノ様と秘密のひとときを過ごした…――
◆クロードの特別ストーリー◆
――…優しい月明かりが降り注ぐ夜
クロードに会いにアトリエにやってくると、
そこには、瞳を閉じて机に伏せたクロードの姿があった。
クロード:…………
(仕事の途中で寝ちゃったのかな?)
床に落ちていたデッサンを拾って、テーブルに戻す。
そして、穏やかな寝息を立てているクロードの顔を見つめた。
(寝てる時のクロードって、少し幼く見える)
額にかかった前髪を、そっと指で払う。
(まつげ長いな……)
クロード:…………
(…なんだかキスしたい…かも)
無防備な寝顔に誘われるように、顔を近づける。
起こさないように気をつけながら、私はクロードの唇にそっとキスをした。
クロード:…………
(…勝手にこんなことして、悪いことした気分)
恥ずかしさを誤魔化すように、羽織っていたショールをクロードの肩にかける。
(こんなにぐっすり寝てるのに、起こしたら悪いよね)
アトリエを出ようと、ドアに向かおうとしたその時……
クロード:寝顔を盗み見とは、いけないお姫様だな?
クロード:それから、同意なくキスをするのもな
吉琳:…っ…クロード! 起きてたの?
机に頬杖をついたクロードが、面白がるように切れ長の瞳を細める。
クロード:いや、お姫様の魔法のキスで起こされた
吉琳:…嘘ばっかり
クロード:そういうの好きだろ?
さっきの無防備な表情が嘘のように、クロードが余裕のある笑みを浮かべる。
(…この言い方、絶対キスする前から起きてたんだ)
じっとクロードの寝顔を見つめていたことを思い返して、頬が熱くなる。
(それにしても…仕事中に眠るなんて、きっと疲れてるんだろうな)
いつもは弱みを見せないクロードだからこそ、少し心配になる。
クロード:これ、ありがとな
吉琳:うん…
私は、差し出されたショールを受け取り、
座っているクロードの頭を、ぎゅっと抱きしめた。
クロード:吉琳…? どうした?
吉琳:クロード、お仕事頑張ってるみたいだから…ご褒美
吉琳:少しでも疲れを癒せたらなって
(本当はお仕事を手伝ったりできればいいんだけど…)
すると、腕の中のクロードが肩を震わせ、楽しそうに笑い声を上げた。
吉琳:え、どうして笑うの?
クロード:いや、お前は優しいなと思って
(…こうやって抱きしめるの、子どもっぽかったかな)
じわじわとこみ上げた恥ずかしさに、つい抱きしめる腕に力が入る。
クロード:確かに、お前にこうされるのは悪くない
クロード:けど…
クロードが体を離し、私の頬を両手で包みこむ。
吉琳:クロード…?
クロード:どうせ癒してくれるなら、こういうやり方のほうが俺好みだ
ふいに、クロードの瞳が近づいて……
吉琳:ん…っ
優しく唇が重なり、そっと離れていく。
吉琳:…キスはいつもしてるでしょ
クロード:ああ。だから、するたびいつも癒されてる
吉琳:また嘘ばっかり
(でも、触れたいのは私も一緒だから…)
吉琳:いいよ…騙されてもう少ししてあげる
クロード:優しいお姫様だな
クロードは悪戯っぽく囁くと、ふいに私の手を引き寄せた。
吉琳:きゃ…っ
クロードの膝の上に座り込み、慌てて肩に手をつく。
吉琳:急にどうしたの?
クロード:キスをするには、こっちの方がいい
クロードの大きな手が、私の背中を支えて……
吉琳:んっ…
さっきよりも深く、唇が重なる。
吉琳:…んっ…、ふ……
キスを繰り返しながら、クロードの指が器用に私のドレスのファスナーを下ろす。
はだけた胸元を手でなぞられて、体の奥が甘く疼いた。
吉琳:…っ、キスするだけじゃなかったの?
クロード:それだけで満足できると思うか?
視線を上げると、どこか熱をはらんだような瞳と視線がぶつかった。
吉琳:でも、クロード仕事で疲れてるんじゃ…
(あんな風に、机で寝ちゃってたくらいだし…)
心配で頬を撫でると、安心させるようにクロードが微笑む。
クロード:心配しなくても、仕事はひと段落してる。それに…
クロード:『ご褒美』、くれるんだろ?
(…そんな風に聞くの、ずるい…)
肯定も否定もせず黙っていると、首筋にクロードの唇が触れた。
吉琳:ぁ…っ……
唇がゆっくり肌を下に辿って、与えられる甘い刺激に体が熱くなっていく。
クロード:…なあ、さっきおまえは、キスで癒されてるのは嘘って言ったけど
クロード:全部が嘘ってわけじゃない
吉琳:え…?
胸元から顔を上げて、クロードは瞳を和らげた。
クロード:こうしてると、心が安らぐ
クロード:それに…――
クロード:キスの後のお前の顔も、悪くない
大きな手が、そっと私の頬を撫でる。
クロード:…お前の存在そのものが、俺の癒しかもな
(そんな風に思ってくれてるんだ…)
クロードの言葉がくすぐったくて、思わず笑顔になる。
吉琳:…大げさ
(でも、そうなれたら…)
(大好きな人を、いつでも癒せる自分であれたらいいな)
吐息が触れ合うような距離で微笑み合い、愛しさで胸が満たされていく。
そして今度は私から、クロードの唇にそっとキスをした…――
◆レオの特別ストーリー◆
――…澄んだ青空に、緩やかな風が心地いい休みの日の朝
レオに逢いたくなって部屋を訪れ、扉をノックする。
吉琳:レオ、入ってもいい?
レオ:んー……どうぞ…
吉琳:それじゃ、お邪魔します…
(あれ…?)
部屋に入ると、ベッドで眠っているレオの姿が目に入った。
(さっき聞こえたのは寝言…だったのかな?)
そっとレオに近づき、耳元に唇を寄せる。
吉琳:あの、レオ…?
レオ:んー…?
レオ:…………
レオは寝ぼけたような返事をしながら、薄く目を開いたけれど……
吉琳:…起きてる?
レオ:…………
またすぐに瞼を閉じてしまう。
(ずいぶん眠そう…)
(用事があるわけじゃないし…起こすのは申し訳ないな)
気持ちよさそうな寝顔に頬を緩ませ、部屋を出ようと一歩下がったその時……
吉琳:え……っ?
眠っているはずのレオが私の手を掴んで、ぐっと引き寄せた。
ぐらりと体勢が崩れ、レオの隣に倒れてしまう。
吉琳:……っ、レオ…?
名前を呼ぶと、ぎゅっと体を抱きしめられた。
(ね、寝ぼけてるのかな…?)
吉琳:レオ、起きて…
レオ:……んん…
寝ぼけた様子で私の頭を抱き寄せたレオが、首筋にそっとキスをする。
吉琳:……っん
肌をくすぐる甘い感覚に、吐息がこぼれそうになるのを堪える。
吉琳:ね…ねえ、起きて…
レオ:んー…起きたくない……
肩を軽く揺すると、抱きしめる腕の力が強くなった。
レオの吐息が鎖骨を掠めて、思わず息を呑む。
(どうしよう、全然起きてくれない…)
(こんなに揺すってるのに、どうして……?)
気だるげな手が、背中にあるドレスのファスナーを下ろしていく。
迷いのないその手つきに、はっとした。
(もしかして……っ)
吉琳:レオ…っ…ほんとは起きてるでしょ…?
レオ:…あれ、バレちゃった?
背中をなぞる指先がぴたりと止まると、
レオは悪戯がバレた子供のように目を開けて、にっこりと笑う。
レオ:おはよう、吉琳ちゃん
吉琳:お、はよう…
レオ:吉琳ちゃんの反応が可愛くて、つい寝たフリしちゃった
吉琳:もう…
(…からかわれてただけなのに、本気でドキドキしちゃった)
熱くなった顔を伏せると、レオが優しい手つきで髪を撫でる。
レオ:ごめんごめん。それより、俺に何か用?
吉琳:用は…ないんだけど……
吉琳:ただ、レオの顔が見たくなったから…来ちゃった
レオは一瞬だけ驚いたような顔をした後、すぐに頬を緩めた。
レオ:俺に逢いたかったってことだよね?
レオ:嬉しいよ、吉琳ちゃん
大きな手のひらに頬を包まれ、触れるだけのキスを落とされる。
レオ:…朝目が覚めて、大好きな人が隣にいるって幸せだな
幸せを噛みしめるような声音に、くすりと微笑んだ。
(こんな風に言ってもらえるなら、来てよかった)
吉琳:もう寝たフリはしない?
レオ:しないよ
レオ:目を開けてないと、吉琳ちゃんの照れた顔が見れないから
視線が重なり、もう一度キスを交わす。
繰り返すキスの合間にレオは体を起こすと、指先で私のドレスを引き下ろした。
吉琳:あ……っ
手のひらで胸を包まれ、肌に熱が灯っていく。
レオ:吉琳ちゃん、いいの…?
吉琳:…っ……いいって、何が…?
レオ:逃げないと、寝起きの狼に襲われちゃうよ…?
色づいた瞳に見下ろされ、鼓動が大きな音を立てる。
(わかってる、けど…)
吉琳:狼じゃなくて、恋人だから…逃げないよ
(もっと…そばにいたいから)
レオ:…そっか
レオは嬉しそうに口元を緩めると、耳元で低く囁く。
レオ:でも俺、狼よりもたち悪いよ?
レオ:一度捕まえた獲物は、ずっと離さないからさ
吉琳:っ…私は、その方が嬉しいな
吉琳:レオと一緒にいることが、私の一番の幸せだから
レオ:……そんな可愛いこと言われると、やっぱ食べずにはいられないな
レオがじゃれるように、私の首筋に優しく噛みつく。
(触れられるたびに、愛しさで胸がくすぐったくなる)
(こんなに朝を幸せにしてくれる人は、レオしかいないよ)
窓から差し込む穏やかな陽の光が、私たちを優しく包む。
この肌に重なる温もりを、いつまでも抱きしめていたいと思った…――
◆シドの特別ストーリー◆
――…淡い星の光が、優しい眠りを誘う夜
隠れ家を訪れると、シドがベッドで眠っていた。
(夜に来いって言ったの、シドの方なのに…)
シド:…………
(人のこと呼んでおいて寝てるって、どういうこと?)
ベッドの横で寝顔を見下ろしながら、小さくため息を落とす。
(気持ちよさそうに寝てる……)
(…そうだ。この間キスで起こされたから、仕返ししよう)
ベッドに片膝をついて、シドを見下ろす。
シド:…………
(気配には敏感な方なのに、今日は全然起きないな)
(ベッドが軋まないように、そうっと…)
シドの顔の横に手をついて、そっと唇を重ねる。
シド:…………
(…あれ、起きない……?)
何度かキスをしてみても、その後もシドは目を開けない。
(自分で始めた悪戯だけど…)
(こう目を開けてもらえないと、なんだかもどかしいな)
顔を少しだけ離し、変わらない寝顔を見つめる。
シド:…………
(そうだ、いつもほっぺたぎゅってされるから次は…)
頬に手を添えた時……
シド:なんだ、キスはもう終わりか?
沐沐:え……、わっ!?
体勢を入れ替えられ、シドに見下ろされた。
沐沐:い、いつから起きてたの…っ?
シド:さあな
シド:それよりお前、わかってねえな
沐沐:何が…?
ベッドが軋んで、獲物を捕えるような瞳が近づく。
シド:キスで起こす時は、こうやるんだよ
沐沐:え…? …んっ……!
唇が強引に重なり、息を呑む。
思わずシドのシャツを掴むと、舌が滑り込んで……
沐沐:ん…ぅ…っ…
口の中で擦れる熱に、足の力が抜けていく。
(息、苦し……っ)
ようやくシドの顔が離れると、濡れた唇を指でなぞられた。
シド:どうだ、次回はできそうか?
沐沐:…っ…次回はないです
(こんなキスで起こしてたら…こっちの心臓がもたないよ)
涙目で睨むと、シドが意地悪に口角を上げる。
シド:そうか。なら、お前はずっと俺に負けたままってことだな
沐沐:負けたってどういうこと?
シド:だって、お前は勝負から降りるんだろ?
沐沐:…っ、勝負してたつもりはないよ
シド:その割にはさっき、悔しそうな顔だったけどなあ?
(それは……そうだけど)
図星を指され、ぐっと言葉に詰まる。
シドは笑いながら体を起こし、ベッドの端に腰かけた。
シド:で、どうすんだよ?
(確かにこのままだと、負けっぱなしみたいで悔しい)
沐沐:…次回は、ないよ
シド:ああ、それはさっき聞いた
沐沐:そうじゃなくて…
ベッドの上で膝を進め、シドの頬を両手で包み込む。
シド:沐沐?
沐沐:今、するから
シド:は?
目を瞬くシドに、そっと唇を合わせる。
(シドみたいに激しいキスじゃないけど…)
(…好きだって気持ちが、伝わりますように)
想いを込めるように、時間をかけてゆっくりと温もりから離れた。
沐沐:……どう?
シド:…へえ
照れを隠して強気に尋ねると、シドがにやりと笑う。
シド:さっきよりは悪くねえ
シド:けど、俺のキスに追いつくにはまだまだだな
試すように顔を近づけるシドを、真っ直ぐに見つめ返す。
沐沐:今のはシドのキスとは違うから、いいの
シド:あ? どういう意味だよ
沐沐:今のは、おはようのキスじゃなくて…気持ちを伝えるためのキスだから
言いながら恥ずかしくなってきて、顔を背ける。
すると、視界の端でシドが肩を揺らして笑うのが見えた。
シド:くっ…なんだそれ、負け惜しみか?
沐沐:負け惜しみじゃ……、…んっ
さっきより優しくキスが返されて、またシーツの上に押し倒される。
唇が離れると、シドの手がドレスの裾から入り込み、足を上になぞった。
沐沐:……っ…ぁ…
シド:お前がらしくねえこと言うから、キスだけじゃ足りなくなった
シド:――…抱かせろ
見下ろす眼差しの強さに、体が勝手に熱を上げていく。
(なんだか全部シドの思い通りみたい…)
沐沐:…いやって言ったら?
シド:へえ…?
シドが目を細め、耳に柔らかく噛みつく。
沐沐:…ぁ……っ
シド:そんな赤い顔で言われても、説得力ねえけどな
シド:触れてくださいって顔に書いてあるぜ?
沐沐:……っ…
低い笑い声が耳元で響いて、また胸の奥が高鳴る。
(好きな人に触れられるのが、嫌なわけない…)
(でも…簡単に素直になるのは、やっぱり少し悔しいから)
火照る頬を隠すように、シドの首にしがみつく。
沐沐:じゃあ……
シド:なんだよ
沐沐:私をキスじゃ足りないって思うくらい…シドで満たして
小さく告げると、ふっと吐息混じりの笑い声が届く。
シド:…上等だ
シド:あとで嫌って言われても止めねえから、覚悟しとけよ?
ドレスのファスナーが引き下ろされ、大きな手が背中から腰を撫でる。
唇が焦らすように鎖骨から下に下りて、甘い予感に瞼をぎゅっと閉じた。
沐沐:…っ…シド…
シド:…散々子どもみてえなキスで焦らされたんだ
シド:今度はお前の体に、大人の愛し方を教えてやるよ
空気に触れた肌に、熱い唇が幾度となく落ちる。
愛しい人の名前を呼びながら、眠れない夜が更けていった…――
◆アルバートの特別ストーリー◆
――…窓から淡い月明かりが透ける夜
(借りてた本を返しに来たけど…)
アルバート:…………
部屋に入ると、アルバートがソファーに横になって眠っていた。
胸の上には、開いたままの本が抱かれている。
(アルバート、本読みながら寝ちゃったのかな?)
ソファーの横にそっと膝をついて、アルバートの寝顔を眺める。
(寝るならベッドで寝てほしいし、ほんとは起こすべきなんだろうけど…)
(こんなにゆっくりアルバートの寝顔見られることなかなかないから)
(もう少し見てたい…)
愛しく思いながら眺めていると、アルバートが微かに眉を寄せた。
アルバート:…ん……
(起きたのかな?)
吉琳:アルバート…?
確かめるために頬から唇へと、軽く触れていく。
アルバート:…………
(これでも起きない…。きっとすごく疲れてるんだ)
(ベッドまで運んであげたいけど、できないから…せめて眼鏡だけ外してあげよう)
そっと眼鏡を外し、音を立てないようアルバートの顔の横に置く。
アルバート:…………
(あと、何か体にかけるものを…)
立ち上がった瞬間、手を掴まれて……
アルバート:どこへ行くんです?
吉琳:え…っ
視線を向けると、アルバートがソファーから体を起こすところだった。
吉琳:いつから起きて…?
アルバート:あなたが俺のそばに屈んだ頃に
吉琳:それ、ほとんど最初じゃ…っ
アルバート:ええ、寝たフリをしていたので
悪戯な笑みを向けられ、恥ずかしさが募る。
(もう…声をかけてくれれば良かったのに)
(でも、そんな時から起きてたなら…)
吉琳:えっと…さっきは勝手に触ってごめんね?
アルバート:…まったくですね
アルバートがため息をつき、諦めたように微笑む。
アルバート:でも、あなたが勝手に俺に触るのは今に始まったことではないしな
吉琳:え、そう…?
アルバート:そうですよ。いつも俺の許可なく触るでしょう?
(そうだったかな…)
首を傾げると、アルバートは私の体を抱き寄せて……
アルバート:…こうやって
吉琳:…っ……
頬に甘やかすようなキスが一つ落とされ、顔が一気に熱を持つ。
吉琳:ア、アルバート…っ
アルバート:まったく、いつも何気なくしてくるのに、自分がされたら照れるんですね?
アルバート:でも、これで俺が不意打ちに困る気持ちがわかったでしょう?
(急にキスされるのって…こんなにどきどきするんだ)
吉琳:はい…すみませんでした。これから気をつけるね
熱い顔を隠すように俯くと、優しく顎をすくい上げられる。
アルバート:…別にそのままのあなたで構わないが
アルバート:さっきあなたが俺にした行為には、罰を与えさせてもらいたい
吉琳:罰…?
目を瞬かせると、アルバートが笑みを滲ませたまま頷く。
アルバート:ええ。寝ている俺に、勝手に触った罰です
アルバート:俺にも、同じようにする権利はあるでしょう?
(罰なんて言うから、何をするのかと思ったけど…)
子どものような仕返しに、口元が緩む。
吉琳:そうだね。いいですよ
アルバート:余裕ですね…では、失礼します
アルバートは私を膝の上に座らせると、ゆっくりと頬を撫でて……
吉琳:…っ……
まるで柔らかさを確かめるように触れていく。
(こうして触られるとくすぐったいな…)
それでもじっと我慢していると、
すべり落ちた指先が、焦らすように唇をなぞる。
吉琳:…っ…ぁ…
アルバート:どうしました?
吉琳:な、何でもない…っ
平静を装いながら、唇をきつく結ぶ。
(声が…こぼれそう……)
(でも、さっき頬と唇しか触らなかったし…ここで終わりだよね?)
心の中でほっとした瞬間……
(え…っ?)
アルバートの手が首筋を辿って、下に落ちる。
鎖骨をくすぐるように撫でられて、無意識に肩が跳ねた。
吉琳:んっ…これ、私と同じじゃない。…こんなに触ってないよ
アルバート:そうでしたか? なら、俺は夢でも見ていたのかもしれないな
吉琳:夢って…、………んっ
言葉を塞ぐように唇が重なり、そっとベッドに押し倒される。
(寝たフリしてたって言ってたのに…)
深くなるキスに体の奥から熱が滲んで、唇の隙間から吐息をこぼした。
吉琳:アル、バート……
アルバート:……もう、罰などどうでもいい
吉琳:え…?
少しだけ顔が離れると、いつもより色を増した瞳に目を奪われる。
アルバート:ただあなたが愛しいから、触れたい
アルバート:それが理由では…ダメでしょうか?
(アルバート…)
愛おしさが胸に込み上げて、自然と笑顔が溢れる。
吉琳:ううん…ダメじゃない
吉琳:私も、アルバートに触れてほしい…です
(くすぐったくて、どきどきするけど…)
(大好きなこの手は…私を幸せにしてくれるから)
アルバート:…ええ
アルバートが柔らかく笑って、私を腕の中に閉じ込める。
アルバート:…また、あなたには本を貸しておかないといけないな
吉琳:どうして?
アルバート:こうしてあなたを、俺の部屋に誘う口実ができるので
(もう……)
アルバートの言葉に笑いながら、首の後ろにぎゅっと抱きつく。
吉琳:そんなことしなくても、呼ばれたら逢いに来るよ…?
小さく告げると、すぐ目の前にあるアルバートの耳が赤く染まった。
そのことが嬉しくて笑うと、笑わせないと言うように唇が重ねられる。
そんな風に愛しさを伝え合いながら、二人きりの静かな夜が過ぎていった…――