新版王宮 本篇轉蛋(本編プリンスガチャ):レオ

本編プリンスガチャ

◆ 恋の予感 
  『偽物の恋人同士の始まり』
◇ 恋の芽生え 
  『好きだなんて言わないで』
◆ 恋の行方 ~夢見るプリンセス~ 
  『果たせない約束』
◇ 恋の行方 ~恋するプリンセス~ 
  『100日間と言えない言葉』
◆ 恋の秘密 
  『幸せな欲』

新版王宮 本篇轉蛋(本編プリンスガチャ):レオ

 

 

新版王宮 本篇轉蛋(本編プリンスガチャ):レオ

 

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◆ 恋の予感 
       『偽物の恋人同士の始まり』

 

――…100日間、偽物の恋人になろうという提案に吉琳が頷いた夜
机の上に置いていた一冊のノートに思いつきで手を伸ばす。
レオ 「それじゃ、恋人同士の約束を決めよっか」
吉琳 「……約束?」
レオ 「そ、偽物の恋人同士なんだし」
レオ 「線引き、必要でしょ」
吉琳 「確かに…」

(……吉琳ちゃんって、本当に素直だよね)

あっさりと提案を受け入れる姿は少し心配になるくらいだ。
そんなことを考えながら、ペンをノートに走らせる。
レオ 「…まずは、これかな」

――…偽物の恋人同士だとバレないようにすること

(これは大前提)

レオ 「バレたら、元も子もないしね」
吉琳 「ジルとクロードは、もう知ってるんだよね?」
レオ 「うん、勝手に話してごめん」
吉琳 「ううん、クロードがジルは鋭いから話さなくても気づいただろうって」
レオ 「それはクロードにも言えることだけどね」

(たまに鋭くて、困る時もあるけど…)

吉琳 「二人には嘘がつけないね」
レオ 「そういうこと」
吉琳 「それじゃ、ジルとクロード以外には秘密ってことだよね」
レオ 「うん。あと…――」

*****
アラン 「…あんた、なに考えてんの」
レオ 「なんのこと」
アラン 「とぼけるな。…昼間のだよ」
レオ 「ああ、吉琳ちゃんが俺の恋人になったっていう話?」
アラン 「あれ嘘だろ」
*****

アランも知ってる、そう言いかけて口をつぐんだ。
吉琳 「……レオ?」

(吉琳ちゃんは、俺とアランが兄弟だってこともまだ知らない)
(それなら……)

あえてここで言う必要はない、そう思った。
レオ 「ううん、それじゃ次を決めよっか」
ペンを差し出すと、不思議そうな顔を向けられる。
吉琳 「…?」
レオ 「次は吉琳ちゃんが書いてよ」
迷いながらも、ノートに綺麗な文字が綴られていく。

――…100日間でこの関係を必ず解消すること

なんだか、この言葉は強い意志が込められているように感じた。
吉琳 「100日間の終わりなんてずっと先のことだけど…」
レオ 「案外あっという間かもしれないよ?」
吉琳 「そうかもね」
吉琳 「今度はレオの番」
レオ 「そうだな…」
一瞬だけ宙に視線を向けると、ペンを走らせた。

――…お互いを、決して好きにならないこと

吉琳 「…お互い、好きにならないこと」
レオ 「……うん。好きになったら、偽物じゃなくなっちゃうし」

(……それに、恋なんか俺には必要ない)

大切なものを作ること、
ずっと一緒にいる人を作ることは、きっと自分にとって足枷になる。
そんなことを考えていると、吉琳と視線がぶつかった。

(…今、どんな気持ちでいるんだろ)

レオ 「今ならやめられるよ…?」
軽く尋ねると、吉琳が首を横に振った。
吉琳 「ううん、もう決めたの。レオと一緒にいるって」

(……一緒に、いる)

吉琳 「約束は必ず守るよ。これからよろしくね、レオ」
あまりに向けられた笑顔が真っ直ぐだから、少しだけ胸が痛んだような気がした。

(…この胸の痛みは気のせいだ)
(俺は100日間、嘘の恋をする)

瞳を見つめ返して、笑顔を作る。
レオ 「こちらこそ」
――…こうして、100日間だけの偽物の恋が始まった

 

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◇ 恋の芽生え 
       『好きだなんて言わないで』

 

――…アランが仕事のためにウィスタリアを出る日
レオ 「…………」
セバスチャン 「アラン!!デカケル」
レオ 「ん…?」
目を落としていた本を閉じて立ち上がり、窓の外に視線を向けると……
レオ 「…?」
そこには、アランと吉琳が話している姿があった。

(…おかしいな)

レオ 「あの二人……あんなに仲良かったっけ」
セバスチャン 「プリンセス、レオノコトシンパイシテル」
セバスチャン 「アルバム、ミタ。ダカラ、アランニタヨル」
レオ 「…アルバム?」

(もしかして……)

その言葉に、アルバムを閉まっている本棚を見ると、
少しだけ飛び出している一冊に気づく。
レオ 「お前…、あれ見せたの?」
セバスチャン 「チガウ!チガウ!」
レオ 「違くないだろ」

(あれを見て、あの二人が話してるってことは……)

自分のことを相談していたのかもしれない、そんな予感がした。
レオ 「……だから、か」
セバスチャン 「レオ、オコラナイデ。オコラナイデ」
レオ 「怒ってない」
羽をバタバタと動かしていたセバスチャンは、ぴたっと動きを止める。
セバスチャン 「……オレノコトハ、オコッテモイイ」
レオ 「…?」
セバスチャン 「ケド」
セバスチャン 「プリンセスノコト、オコラナイデ」

(……?)

その瞬間、セバスチャンは部屋の中で飛び上がり……
レオ 「…っ…」
眼鏡を口ばしで奪い取ると、窓枠まで飛んで行く。
レオ 「…!おい」
捕まえようと、手を伸ばすと窓枠でセバスチャンが振り返る。
セバスチャン 「プリンセス、キット…」
セバスチャン 「レオガ、スキナダケ」
そう呟いて、セバスチャンは青空の下へと飛んで行く。

(今……、なんて)

レオ 「………吉琳ちゃんが」
レオ 「俺を好き?」
思いがけない言葉に窓枠に手をついて外を覗くと、
セバスチャンが吉琳に眼鏡を渡している姿が見えた。
見つめていると、瞬間、視線が重なって吉琳の顔に笑顔が広がる。
吉琳 「…っ…レオ、今からこれ届けに行くね!」

(……っ…)

その笑顔にただ頷くことしかできない。
吉琳が走り出す足音が、外から聞こえてくる。

(…吉琳ちゃんが、俺を好きだなんてあるはずない)

そう強く否定した後に、
ダンスパーティーの夜のことが不意に思い出された。

*****
レオ 「今夜だけ俺を好きになってよ」
吉琳 「……え」
レオ 「だって、今夜吉琳ちゃんはダンスの相手に好きな人を選ぶんでしょ?」
レオ 「見つけた時、困った顔してたから」
レオ 「好きな人がいないなら、偽物の恋人の出番かなって」
吉琳 「そう、正解。困ってたんだ、だから……」
吉琳 「私と踊って頂けますか…?」
*****

(あの時……、吉琳ちゃんの声が少し震えてた)
(繋いだ手が、強張ってた)

だけど、無意識で気づかないふりをしてきた。

(…俺には、好きだなんて言ってもらう資格なんてない)
(だって俺はいつか…――)

自分の手を見つめたその時、扉がノックされる。
そっとドアノブに手をかけて、開いていく。

(だって俺はいつか、全てを捨てるかもしれないのに)

扉を開けると、吉琳が屈託なく笑う。

(そんな顔で、笑わないで…)

目の前の温かさに、縋りそうになる。
吉琳 「はい、レオ。これ……」
眼鏡を渡そうと伸ばされた手を掴んで……
眼鏡が音をたてて、床に落ちる。
吉琳 「…レオ?」
目の前の瞳が、不安そうに揺れた。
レオ 「吉琳ちゃんは、俺のこと」
レオ 「……好きじゃないよね?」

(お願いだから)
(好きだなんて言わないで)

 

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◆ 恋の行方 ~夢見るプリンセス~ 
       『果たせない約束』

 

――…レオが官僚を辞めて王宮を出ることを決めた日

(…持って行く荷物は、これだけでいい)

荷物をまとめていたその時…、部屋の扉が開いた。
振り向くと、そこには肩で息をした吉琳の姿がある。
レオ 「吉琳ちゃん…」
吉琳 「ねえ、レオ。ここを出て行くの…?」
レオ 「……!」
吉琳 「官僚を辞めるって本当…?」

(……出た後に、ジルから伝えてもらおうと思ってたのに)

吉琳の泣きそうな顔を見ると、心が揺れてしまう。
だけど、今、こうして向き合っている以上…、話さないといけない。
レオ 「全部、本当だよ。自分で決めて、許可ももらってきた」
吉琳 「どうしてそんな…」
レオ 「吉琳ちゃん」
レオ 「審議では許されたかもしれない。けど…」
レオ 「やっぱり俺は王宮の官僚として、してはいけないことをしたんだよ」
吉琳 「…?」
レオ 「自分で情報を売り込んで混乱させて、…銃を持ち出した」

(……吉琳ちゃんが止めてくれなかったら)
(…後戻りできないことを、していたかもしれない)

吉琳 「あの教室は…? どうするの」
レオ 「全部、投げ出した方が楽だよね」
吉琳 「…っ…」
レオ 「それに、本当なら合わせる顔もない」
レオ 「けど…、投げ出さない。諦めたくないんだ」
吉琳 「…レオ?」
レオ 「したことの代償は、…これから必死に夢を追いかけることで償っていく」
レオ 「一から、…始めようと思う」
吉琳 「それじゃ…」

(諦めないことは…)
(自分が本当に大切だと思ってる気持ちは、吉琳ちゃんが教えてくれたから)

レオ 「この城を出て、先生になるよ」
まるで吉琳に誓うように口にすると、掠れた声が届く。
吉琳 「そっか……」

(こんな時、どんな言葉を言えばいいのかわからない)

考えた末に口からこぼれた言葉は、とんでもなく簡素なものだった。
レオ 「ごめん…」
吉琳 「…え」
上手く言葉にならなくて、バッグに入れようとしていたノートを差し出す。

(偽物の恋人同士になった日に、約束を交わした…)

――…偽物の恋人同士だとバレないようにすること
――…100日間でこの関係を必ず解消すること
――…お互いを、決して好きにならないこと

(…最初の一つ目しか、守れていない)

レオ 「…100日間、偽物の恋人でいられなくてごめん」
吉琳 「……っ…」
レオ 「勝手に決めて、ここを離れようとして…」
ごめん、言葉を重ねようとすると、頬をそっとつままれる。
レオ 「…吉琳ちゃん?」
吉琳 「本当だよ、レオが最初に言い出したくせに」
吉琳 「それじゃ、バツゲーム考えておこうかな」
レオ 「え…?」
吉琳 「そのバツゲームで、約束を守らなかったことはチャラ」
吉琳 「次に逢った時までに考えておくね」
吉琳がそう言って、笑う。
その目には、涙がうっすらたまっていて胸がえぐられたような気持ちになった。
レオ 「………うん」

(いつも…励ましてもらって、ごめん)

*****
吉琳 「レオは…、過去を消すために生きてきたのかもしれない」
吉琳 「けど…過去は、消えないよ」
吉琳 「どんなに頑張っても忘れることなんて、できないから」
吉琳 「逃げても逃げても、追いかけてくるなら…」
吉琳 「一緒に…苦しもうよ」
レオ 「……っ」吉琳 「いくらだって…一緒に持つから」
*****

一緒に苦しもう、そう笑う吉琳に力強く大丈夫と言いきれるほど、
強くない。

(…だから、俺は一人で歩かないといけない)
(吉琳ちゃんを守れるように)
(……好きだって、胸を張って伝えられるように)

そっと頬に触れていた手が離れていく。
吉琳の瞳が大きく揺れて息を呑んだ瞬間、背を向けられる。
吉琳 「あ、そうだレオ! この地球儀、私がもらってもいい?」
顔は見えないけれど、声に涙が滲んでいた。
レオ 「もちろん…」
今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られながら、
ぎゅっと手のひらを握りしめる。

(今の俺は…)
(…涙を拭うことさえできない)

 

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◇ 恋の行方 ~恋するプリンセス~ 
       『100日間と言えない言葉』

 

――…過去の事件の闇が晴らされた日の穏やかな夜
…………

(あ……)

吉琳の姿を探していると、一人バルコニーに出て空を見上げる姿を見つけた。
歩き出すと、肩に乗っていたセバスチャンが先に飛びたってしまう。
レオ 「…!」
吉琳 「…! セバスチャン」
セバスチャン 「レオガ、サガシテタ」
吉琳 「レオが…?」
セバスチャン 「ソウ、ケドオレガ、サキニミツケタ」

(全く……)

レオ 「先に見つけたじゃないだろ」
セバスチャン 「レオ、オコル。ニゲルガ、カチ」
セバスチャンはそれだけ言い残し、夜の中に飛び立ってしまう。
レオ 「探してたんだ」
吉琳 「ん…?」
レオ 「今日、吉琳ちゃんと話せていなかったから」

(…一番に話したいはずなのに、言葉が見つからなくて話せなかった)
(あの日、くれた言葉を超えるものが見つからなかった…)

*****
吉琳 「レオ。私の目にはね」
吉琳 「そばにあるものを大切にしてる、レオの表情がずっと映ってたよ」
吉琳 「大切なものはね、抱きしめるんだよ」
レオ 「………抱きしめる?」
吉琳 「そう、抱きしめて離さないようにしておくの」
吉琳 「そうしても、いいんだよ」
レオ 「……っ…」
*****

(吉琳ちゃんの言葉が、ずっと優しく背中を押してくれたんだよ)

視線が真っ直ぐに重なると、吉琳が眉を下げて笑う。
吉琳 「レオ、どうしてそんなに困った顔してるの?」

(…それは)

レオ 「言葉を、探してた」
レオ 「ありがとうでも…軽い言葉にしかならない気がして」

(……どんな言葉も、嘘くさい気がして)

レオ 「けど、この言葉しか見つからないから」
自分の胸の中にある想いを全て差し出すように、告げた。
レオ 「…ありがとう」
夜の風が、吉琳の髪をさらっていく。
吉琳 「レオ、今どんな気持ちでいる?」
レオ 「え…」
吉琳 「聞いてみたかったの」

(…今の、気持ち)

レオ 「上手く言えない。けど…」
レオ 「こんなに心が穏やかな日を俺は知らなかった」
身勝手な言葉だと思う。
だけど、これが心からの本心だった。
吉琳 「うん、そっか…」
吉琳は穏やかに微笑むと、まるで息をするように言った。
吉琳 「レオ、これからはきっとこんな穏やかな日が続いていくよ」
レオ 「……吉琳ちゃん?」
まるで何かを決断するような表情が心をざらつかせていく。

(どうして、何かを振り切るように笑うんだろう…)

その瞬間、気づく。

(吉琳ちゃんは…、ここを出て行くつもりだ)

100日間の終わりは、もう指で数えられるくらいしか残されていなかった。
吉琳 「私が保証する、おやすみ。レオ」

(……行かないでほしい)

その想いを、今まで自分がしてきた身勝手さが閉じ込める。
それでも、このままだと消えてしまいそうで、
もう二度と逢えなくなってしまいそうで腕を伸ばし……
レオ 「……待って」
華奢な手首を掴まえた瞬間、視線がぶつかった。

(都合が良いってわかってる。けど…)
(…君が欲しくて仕方ない)

 

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◆ 恋の秘密 
       『幸せな欲』

 

――…穏やかな陽ざしが城下に降り注ぐ日
…………
レオ 「それじゃ、今日の授業はここまで」
そう告げて本を閉じた瞬間、子どもたちが一斉にはしゃぎ始める。
子ども 「プリンセス先生ー! 絵本読んで!」
吉琳 「いいよ、おいで。今日はどれにしよっか」
子どもたちに囲まれて、吉琳はひどく穏やかに笑う。

(…ほんと、吉琳ちゃんは誰からも好かれるな)

最近ではこの教室のことも公になって昼間に授業ができるようになった。
そして、吉琳は公務だからなんてらしくないわがままを言って、
この教室をたまに手伝ってくれている。
子ども 「俺、いつかプリンセス先生の恋人になってもいいよ」

(……?)

一人の子どもが頬を染めながら、吉琳を見上げる。
吉琳 「本当に? それじゃ、それまで待ってようかな」

(……待ってようかなって。子どもに嫉妬なんてしたくないけど)

まるで子どものような感情に心の中でため息をついて、
吉琳の肩に腕を回す。
レオ 「だーめ。今も、ずっと先も、プリンセスは俺だけの恋人だから」
吉琳 「レオ…っ」
吉琳がひどく困った表情で目を伏せる。

(…ほんと重症かも)
(困ってる表情が嬉しいだなんて)

***

――…そして子どもたちが帰った後、吉琳は拗ねた表情で口を開いた
吉琳 「レオ…子どもたちの前であんなこと言うなんて大人げないよ」
レオ 「吉琳ちゃんがそうさせてるんだよ…?」
首を傾げた吉琳の頬に手を添えて、顔を覗き込む。

(だって……)

レオ 「俺、初めてこんなに好きになったから自分の気持ちを持て余してるのかも」
吉琳 「持て余してる…?」

(……子どもの恋みたいに、感情が動かされることも)
(……湧き出てくる独占欲が、少しだけ嬉しいと思うことも初めて知ったから)

自分の気持ちをまだ上手く扱えない。
レオ 「そう、吉琳ちゃんの気持ちが知りたくて仕方ない」
眼鏡を取って、吉琳の唇に顔を寄せてささやく。
レオ 「だから、ちゃんと好きだって教えてよ」
吉琳が息を呑んだ瞬間、吐息さえも奪うようなキスをした。

***

(ん……っ……)

ゆっくり目を開けると……
窓から夕陽が差し込み、いつの間にか眠ってしまっていたことに気づく。
肩に穏やかな体温を感じて視線を向けると、吉琳が絵本を読んでいた。

(…起こさないように、動かないでいてくれたんだ)

吉琳 「あ…、レオ。起きた?」
レオ 「うん、ごめんね。寄りかかっちゃって」
吉琳は首を緩く振ると、目元を和らげて言った。
吉琳 「レオ、最近は体温を預けて眠ってくれるようになったね」
レオ 「え…?」
吉琳 「なんだか、安心して眠ってくれてるみたいで嬉しかったよ」
その瞬間に、気づく。

(…そう言えば、こんな風に人の体温を感じたまま眠ったことってあったかな?)

それにいつしか吉琳のそばで眠ると、悪い夢を見なくなっていた。

(…こうして色んなことを知っていく)

知りたいと思っていたのに、こうして新しい自分に気づかされるんだ。
寄りかかっていた体を起こそうとすると……
吉琳 「あ、もう少しでこの本、読み終わるんだ」
レオ 「ん…?」
吉琳 「だから、もう少し眠ってていいよ」
手元に開かれた絵本は、最後の一ページで止まっている。
読み終わってるでしょ、なんてことは言わない。

(…もう少し、この穏やかな時間の中にいたいから)

レオ 「うん、それじゃもう少しだけ」
目をつぶると、しばらくして吉琳が髪を撫でてくれる気配を感じる。

(…知りたいと思う)
(吉琳を、幸せにする方法を)

今、自分が感じている以上の幸せをあげられる方法を知りたい。

(…欲深く、なったな)

だけど、何もかも手にすることを怖れていた自分よりも、
こうして、手からこぼれるほどの幸せを欲しがりたいと思う今が大切だった。
吉琳 「………好きだよ」
風にさらわれたら消えてしまいそうな小さな声が、耳に届く。

(また、幸せな欲が積もった)

目を開けると、吉琳のひどく優しい顔が視界いっぱいに広がった。
レオ 「それ、起きてる時に言ってよ」
吉琳 「レオ……っ」
吉琳が照れくさそうに笑うたび、心が満たされていく。

(……こんなに好きだと思える人には、もう出逢えない)

レオ 「俺は…」
床に置かれた手をそっと握って、告げた。
レオ 「愛してるよ」
この甘い時間が現実だと教えてくれるように、温かな体温が流れ込んでくる。
この体温を、この人を守っていくために生きていこう。

(やっと俺は……幸せを掴まえた)

 

新版王宮 本篇轉蛋(本編プリンスガチャ):レオ

 

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    創作者 小澤亞緣(吉琳) 的頭像
    小澤亞緣(吉琳)

    ♔亞緣腐宅窩♔

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