小標

Love Target~キケンな恋と甘いくちづけ~(シド)

席德標

狙われたあなたを守ってくれる、彼の本当の姿とは…?
隠された真実を知った時、
スパイの彼とのキケンな恋が動き出す…―
…………
真っ直ぐに見つめられながら、
シドの声が優しく響き…―
シド:今までは結局、守りてえものなんてなかった
シド:だが今は違う。お前が、俺の守りてえ…何より大切な女だ
…………
全てを受け止めたあなたには、
二人だけの甘く刺激的な夜が待っている…―

 

*感謝沐沐願意幫忙存席德的來湊齊這次劇情^^

 

 

 

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第1話は共通の物語になっているよ!
第2話からお相手選択が発生し

各彼のエンディングが楽しめるよ!

 

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プロローグ:

暖かな日差しが降り注ぐ、ある休日の午後…―
数年前に両親を亡くした私は、
貴族の一人娘として、抱えている領地の視察に赴いてた。

(もう…二人の命日か…)

視察を終えてお墓参りに向かっていると、
通りがかった教会から、
ミサを終えたばかりの神父のロベールさんが顔を出した。
沐沐:こんにちは、ロベールさん
ロベール:こんにちは。今日は…ご両親の命日だね
黒いワンピースに身を包んだ私を見て、ロベールさんが穏やかに微笑む。
顔なじみで、いつも優しく相談に乗ってくれるロベールさんと話していると、
判事のジルと自警団のアランが教会を訪ねてきた。
ジル:近くで不審な人物が現れたとアラン殿から聞いたので、
ジル:ロベール殿にも伝えておこうと思いまして
二人は両親に先立たれた私を気遣ってくれて、
たまに夜道で会うと心配して家まで送ってくれることもあった。
アラン:お前も、気をつけろよ
沐沐:うん、ありがとう
そうしてみんなに見送ってもらい、私は教会を後にした。

(あれ…? あそこにいるのって…)

墓地に向かう途中にあるシドの営むバーの前で、
顔なじみの二人の姿を見つけて足を止める。
沐沐:シド、ゼノ様、こんにちは
挨拶をすると、シドが気だるげに片手を上げた。
バーの店主であるシドと他国から派遣されている外交官のゼノ様は、
こうしてバーで話していることが多く、私も仲間にいれてもらうことが多い。
シド:よお。そういや今日だったな
ゼノ:…暗くなる前に済ませると良い
沐沐:はい。行ってきます
そうして私は二人に笑顔を返すと、両親の眠る墓地へと足を進めた。

***

お墓参りを終え、すっかり暗くなった道を歩いて家に帰ると、
自室のバルコニーにぽつんと何かが置かれていることに気づく。

(何だろう…)

鍵のかかった鉄製の箱を手に取り、その下に置かれていた封筒を開ける。
封筒の中にはチェーンに通された鍵と、両親からだという手紙が入っていた。
沐沐:『中身はとても大切なものだ。取り扱いには気をつけるように』…

(どうしてこんなところに…二人の知り合いが届けてくれたのかな)

そう思いながら箱を開けようとしたその時、部屋のドアがノックされた。
持っていた鍵を首にかけ、箱を机の上に置いて部屋を出る。
けれど、そこには誰の姿もなかった。

(こんな時間に訪ねてくる人はいないだろうし、聞き間違いかな…)

不思議に思って部屋に戻り、はっと目を見開く。

(さっき置いた箱がない…)

驚きながらも、
私は消えた箱の代わりに置かれていた一枚のカードを手に取り…―
沐沐:『関わるな』って、どういうこと…?

 

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どのルートを選ぶ?

『今度の彼は全員スパイ!?』
彼との甘く刺激的な恋が楽しめるよ!

第1話はこちらの2ルートから選択してね♪

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>>>アラン・ジル・シドを選ぶ

 

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アラン・ジル・シド編 共通-第1話:

沐沐:『関わるな』って、どういうこと…?
不穏な警告を受けて、少しの怖さを感じる。
バルコニーから外を見下ろしても怪しい人影はなく、
胸に広がる謎は一層深まっていく。

(大切なものって書いてあったのに…)

両親からの手紙の内容を思い出して、
寂しさできゅっと胸がしめつけられる。

(箱を返してもらわないと…)
(もう夜も遅いけど、アランなら相談に乗ってくれるかも…)

そうして私は、
自警団の団員でいつも頼りにしているアランを訪ねることを決めた。

***

アランの家に向かう途中、路地裏から聞こえてきた声に立ち止まる。
声をひそめるような話し声は、どこか聞きおぼえがあった。
???:…まだ、中身がどこの国の情報かはわからない
???:そうですか…しばらく様子を見るしかありませんね

(アランとジルの声に似てる…)

そう思って路地裏を覗きこんだ時…
沐沐:…っ……
ふいに後ろから肩を叩かれ、驚いて振り向く。
すると、そこにはにやりと口元に笑みを浮かべたシドの姿があった。
シド:盗み聞きか?
シド:だが、気をつけろよ…
シド:知らなくていいことを知っちまうかもしれねえからな
沐沐:もう…大丈夫だよ
路地裏に入ろうとした私を引きとめたシドに笑いかけると、
シドがからかうように口を開いた。
シド:そうか? 三国間の関係は悪くなる一方だ
シド:どこの国のスパイがうろついてるか分からねえぞ

(確かに、最近は不穏な噂も聞くけど…)

西と東、そしてこの北の国の外交関係は悪化の一途を辿り、
長い間、緊張状態が続いていた。
シド:それにこんな時間に一人で歩くのも感心しねえな
沐沐:ごめん…
表情を固くする私の髪を、シドがわしゃわしゃと撫でる。
沐沐:わっ…
自然に笑顔がこぼれると、シドも口元を緩めた。

(気を紛らわせてくれたのかな)

バーを営むシドは、
貴族が招待されるパーティー会場でお酒を作っていることが多く、
よく顔を合わせるうちに気安く話せる関係になっていた。
シド:それでこんなとこで何してんだ?
沐沐:実は…
シドに話そうと思ったその時、路地裏から歩いて来る足音が聞こえ…―
ジル:…騒々しいと思ったら、貴女たちでしたか
アラン:お前…こんなところで何してんだよ
沐沐:ジル…アランも

(やっぱり、さっきのは二人の声だったんだ)
(よかった…ジルもいるなら、心強いな)

判事であり、
両親の古い知り合いだというジルはいつも親身に相談に乗ってくれる。
沐沐:二人とも、こんな時間までお仕事だったの?
沐沐:お疲れ様
外の見廻りをしていたのかと思い、そう言うと、
ジルが心配そうに眉根を寄せた。
ジル:ありがとうございます。
ジル:ですが、それよりも…シドの言う通りです、沐沐
ジル:こんな時間に暗い路地裏に入るのは、良くありませんよ
アラン:何か用事だったのか?
沐沐:うん、アランに相談があって…
そう言って、私は箱がなくなった経緯を話した。

(あれ…なんか空気が張り詰めてるような…)
(気のせいかな…)

いつもとは少し違う雰囲気を感じて口をつぐむと、シドが先を促す。
シド:それで、その箱の中身ってのは何だったんだ?
沐沐:それは…まだ見てないの
沐沐:鍵を開ける前になくなったから…
そう言うと、アランとジルがそっと目配せを交わし、
アランがいつもよりも低い声で訊ねた。
アラン:…で、その鍵はどこにあるんだ?
沐沐:あ、首に掛けたままで…
そう言って私が服の下に入れていた鍵をひっぱり出そうとした瞬間…
沐沐:きゃっ…
ぐっとジルに腕を引き寄せられ、胸元に抱きしめられる。
ジル:っアラン殿
アラン:ああ、分かってる
驚く間もなく鋭い声が飛び交い、金属のぶつかり合う音が響いた。
アランを見ると、真っ黒な衣服に身を包んだ男と対峙している。

(誰っ…)

ナイフを交えるその姿に一気に恐怖が湧いた。
男:くそっ…!
シド:…見たことねえ顔だな。どこの国のやつだ?
隣にいるシドが、冷たい目で男を見据える。

(一体、何が起きてるんだろう)

状況についていけず、私はただジルの腕の中から眺めていた。
沐沐:ジル…これは…
ジル:大丈夫です。すぐに終わりますよ
ジルの言う通り、
勝負はアランが圧倒的に優勢のまま決着がついたようだった。

(よかった…)

ドキドキしながら成り行きを見守っていると、ジルに声を掛けられる。
ジル:外は危ないですね
ジル:また襲われないとも限りませんし、
ジル:ひとまずここから近いアラン殿の家へ…
抱きしめていたジルの腕が離れて、頷こうとしたその時、
後ろからシドが私の腕を引き…―
シド:おっと。
シド:アンタが心配してんのは…沐沐じゃなくてこいつだろ?
首に下げていた鍵を持ちあげた。
アラン:手を離せ、シド
シド:分かったよ
背後から投げかけられたアランの固い声に、
シドが気にした様子もなくゆっくりと私から離れる。
後ろを振り向くと、
そこには射抜くような瞳でシドを見るアランがいた。

(こんなみんなは…知らない……)

思わず遠ざかるように後ずさり、呆然とみんなを見つめた。
ジル:悪いですが、貴女をシドに渡すわけには行きません
ジル:沐沐、こちらへ
ジルが優しい声音で告げた。
アラン:…その鍵を渡すだけでいい
アラン:お前は何も知る必要はない
同調するように言葉を続け、アランが手を差し伸べる。
シド:本当にそれでいいのか?
シド:何で狙われたのかも分からねえままで
沐沐:え…?

(確かに…気にはなるけど…)

私をまっすぐに見つめ、シドが口を開く。
シド:知りたいなら…俺と来い

(誰を信じたらいいの…?)

どうすればいいのかわからずに、
ぎゅっと瞑った私の目に浮かんだのは、
あの人のいつもの優しい笑顔だった。
そうして、私は彼の手を取る。
すると、耳元で優しい声が聞こえて…―
???:もう、大丈夫

 

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どの彼と物語を過ごす?

1

>>>シドを選ぶ

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第2話:

 

『大丈夫』と安心させるような声に顔をあげると…
シド:さっさと行くぞ

(シド…)

シドはにやっと笑みを浮かべる。
そうして私は、シドに手を引かれるまま走り出した。
沐沐:っ、どこに行くの…?

(シドは、)
(本当のことを知りたいなら自分と来いって言ってたけど…)

まだ訳が分からないことだらけで、
少し前を走るシドの背中を見つめる。
シド:お前の家、ここから近かったな
シド:このまま狙われるのも面倒だ。
シド:とりあえず、そこで落ち着くぞ
沐沐:…分かった

***

それから、私はシドと自分の部屋へ戻ってきた。

(さっき襲ってきた人たちは、一体何だったのかな)
(それに、あの箱…どこに行っちゃったんだろう…)

シドとソファに腰を下ろしながら、思わず考え込んでいると…
シド:お前に難しい顔は似合わねえな

(あっ…)

からかうような声と共に大きな手にくしゃりと髪を撫でられ、はっとする。
シド:箱なら戻って来る

(…励まそうとしてくれてるのかな)

シドの優しさに、少し心が軽くなった。

(考えても分かりそうにないし…)
(シドに、色々聞いてみよう)

沐沐:あの…シド。まず教えて欲しいんだけど…
沐沐:どうして、みんなそんなにあの箱を気にするの?

(ただの、両親からの贈り物のはずなのに…)

訊ねると、
シドは少し考えるような素振りをしたあと、独り言のように呟く。
シド:…そうだな、説明しておいた方がいいか
シド:どうせ、もうお前も巻き込まれてんだ

(巻き込まれてる…?)

不穏な響きに首を傾げると、シドが続ける。
シド:あの箱を気にしてるのは、俺たちがこの国に潜入してるスパイだからだ
シド:お前の両親も、この国…北の国の有名なスパイだった
沐沐:え…
いつものようにからかわれているのかと思ったけれど、
シドの態度は淡々としていた。
シド:どこから知ったのかは知らねえが…
シド:狙ってきたヤツらは、箱の中身を何か重要な情報だと思ってやがる
シド:お前の両親が自分たちの得た情報を、
シド:娘に託した可能性があると考えてんだろ
沐沐:っ、そんな…

(それで、『関わるな』と…?)

簡単には信じられないけれど、
シドの伝えてくれた話を元に考えると、今の状況に納得がいく。

(でも、まさかシドたちや、両親がスパイだったなんて…)

言葉を失っていると、ふいにシドが穏やかな声で口を開き…―
シド:…スパイだからって、悪いことしてるわけじゃねえ
シド:お前の親は、この国のために情報を集めてただけだ
その言葉に、はっとした。

(そっか…スパイって言われると、)
(何だか悪いことみたいに思ってしまうけど…)
(国のために、頑張ってたんだ)
(…シドもアランたちも、きっとそうなんだよね)

私は両親のことも、
シドやアランたちの人柄も、よく知っている。
本当の職業が何でも、
みんなの優しさや心の温かさは、変わらないはずだ。
沐沐:…シドとアランとジルは、みんな仲間なの?
シド:いや。アランたちは西の国のスパイ、
シド:俺は雇われればどこの国にもつくスパイだ
シド:今は東の国に雇われて、保管してある情報を守ってる
シド:どうやら東の国のスパイの中に、二重スパイが紛れてるらしくてな
沐沐:二重スパイ…

(誰かが、東の国のスパイになりすましている…)
(ということだよね)

想像以上の事態に思わず息をのむ。
シド:ああ。俺はあちこちで仕事してるから、だいたいのスパイの顔は知ってる
シド:だから、そういうヤツらの存在にも気づきやすい
シド:…ま、ほとんどのスパイは自分の生まれた国のために働くもんだがな
話によると、私の両親やアランたちも故郷の国に属していて、
シドのようなスパイは珍しいらしい。
沐沐:シドは、どうして一つの国に決めないの?
シド:どこかに縛られるなんてごめんだ
沐沐:っ、そんな理由で…?

(シドらしいけど…)

驚いてシドを見つめると、ふとシドの雰囲気が落ちついて、
静かな瞳で言葉を続ける、
シド:それに…昔、家族を狙われたっていう仲間の話を聞いてな
シド:スパイは身内や大事なもんを狙われる可能性がある
シド:そうなった場合、他国の情報を握ってた方が有利に立ち回れるからな

(そうなんだ…)
(…シドなりに、色々考えてのことなんだろうな)
(でも、一つの国に決めないということは…)

沐沐:色んな国に雇われるなら…いずれはこの国を出ていくの?
訊ねながら、胸の奥が小さく痛む。

(これまでは、考えたことなかったけど、)
(いつか、シドに逢えなくなる日が来るかもしれないのかな…)

密かな寂しさを覚えながら、シドを見つめると…―
シド:さあな
いつもと変わらない余裕の笑顔で、はぐらかされてしまった。

(っ、シドっていつもそう…)
(それに…ずっと見てたのに、)
(シドがスパイだなんて全然気づかなかった)

シドは私の参加するパーティーによくバーテンダーとして来ていて、
何かと私を気にかけてくれていた。

(しつこく言い寄ってくる男性から、)
(さりげなく守ってくれたこともあったな…)

少し意地悪なところもあるけど、本当は優しい人なんだと気が付いたら、
いつの間にか好きになってしまっていた。

(でも、)
(こんな想いを抱いているのは、きっと私だけなんだろうな)

シド:…大丈夫だ。中身は情報じゃねえ
俯いていると、私が不安になっていると思ったのか、
シドが励ますようにそう言ってくれる。
シド:まぁ、情報だったとしてもその鍵がねえ限り絶対に開かねえがな

(中身は情報じゃないって…)

沐沐:どうしてそんなことが分かるの?
シド:届けたのが俺だからだ
沐沐:っ、シドが…?
シドはからかうように笑っているけど、これも冗談ではないらしい。
沐沐:じゃあ、シドは箱の中身が何なのか知ってるの?
シド:たとえ知ってても、教える気はねえ
シド:せっかくの贈りもんだ、直接自分で確かめろ
沐沐:そうしたいけど…でも、戻って来るかも分からないのに
シド:戻ってこなけりゃ、取り戻しに行けばいいだろ

(そんな簡単に…?)

目を瞬かせていると、シドの口元に、更に楽しげな笑みが浮かんだ。
シド:…パーティーに行く準備しとけ
沐沐:えっ…?

(何でこんな時に突然…?)

不思議に思うけれど、
訊ねる前にシドが立ち上がり、私の髪を軽く撫でる。
シド:明日の夜、迎えに来る
シドはそれだけ言い残し、帰ってしまった。

(っ、もう…勝手なんだから)

心には疑問と、シドに触れられた温もりが残ったまま、
私はパタリと閉じた扉を見つめた。

***

翌日、空に星が輝き始める頃…―

(とりあえず、)
(言われた通りパーティーに行く準備はしておいたけど…)
(シド、何するつもりなのかな?)

首を傾げつつ、
鏡の前で身だしなみの確認をしていると、ノックの音が響く。
沐沐:はい…

(あっ…)

扉を開くと、現れたシドはいつも働いている時の格好ではなく、
正装に身を包んでいた。
シド:へえ、いつもより気合い入ってんじゃねえか
沐沐:っこんな時まで、からかわないで
シド:似合ってるって言ってんだ

(本当…ずるいんだから)

シドの言葉にドキドキと胸が波打つのを感じながら、
正装姿のシドに訊ねる。
沐沐:シドこそ、いつもと違うよ
シド:今日はバーテンダーとして参加するわけじゃねえからな
そう言って、手を差し出してくるシドに鼓動が跳ねる。

(エスコートしてくれるってこと、だよね…)

頬が熱くなるのを感じながら、
そっとシドの手に自分の手を重ねた。
沐沐:箱を取り戻しに行くんじゃないの?
シド:だから、これから行くんだろうが
シド:今日のパーティーは、スパイの情報交換のためのパーティーだ

(え…っ)

シド:一般人も参加してるが、偽装のために招かれてるようなもんだ
シド:女連れ以外は参加できねえから、お前も付き合え
沐沐:そうだったんだ…。なら、最初からそう言ってくれれば…

(もうちょっと、混乱せずに済んだのに…)

少し拗ねたよう唇を尖らせると、
ふっと笑ったシドの人差し指が、軽く私の唇に触れる。

(っ…!)

シド:いいから、大人しく俺の女の振りしとけ

 

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席德分

 

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第3話-プレミア(Premier)END:

 

シドの人差し指が、軽く私の唇に触れる。

(っ…!)

シド:いいから、大人しく俺の女の振りしとけ

(ただの振りだって分かってるけど…)

こうして見つめ合ったり、触れられたりすると、鼓動が騒いでしまう。
シド:返事がねえが、断る気か?
シド:なら、その気にさせてやってもいいが…
言いながら、距離を縮めようとしてくるシドに、
私は慌てて首を縦に振る。
沐沐:わ、分かった…っ
すると、シドは満足げにニヤッと笑って歩き出した。

(もう…本当に強引なんだから…)

***

パーティー会場につくと、
シドの話していた通り、男女のカップルが大勢集まっていた。

(この中に、スパイがたくさんいるなんて…)

普段のパーティーとあまり違いがないように見えて、
不思議な気持ちで辺りを見回す。
沐沐:それで…どうやって犯人を探すの?
シド:あ? そんなの…これで十分だ

(えっ…)

突然、腰を抱き寄せられ目を瞬かせていると、
シドは会場に流れる音楽に合わせ、
ゆっくりとステップを踏み始める。

(っ、ダンスするってこと…?)

沐沐:シド、何で急にっ…
戸惑いながら口を開くと、
シドがふっと口元を緩め、耳元に唇を寄せる。
シド:どこの国のスパイも、俺の顔は知ってる
シド:俺と一緒にいるお前に手を出せば…
シド:俺が握ってる自国の情報を流されるかもしれないってこともな

(っ…そっか、それなら…)

シドと敵対することを恐れた犯人が、
箱を返してくれるかもしれない。
ゆっくりと音楽が終わり、踊っていた足を止めると、
近くを通りがかった男性が、
私たちの近くのテーブルに何かを置いた。
沐沐:…これ……

(本当に戻って来た…!)

見覚えのある箱に、思わず手を伸ばす。
シド:っ……
その瞬間、シドが強く私を引き寄せて…―
とっさに私を背中に庇った。

(あっ…)

目の前に立ちはだかったシドの肩ごしに、
ナイフを構えた男の姿が見える。

(っ、この人、今箱を返した…)


私たち以外、
男性がナイフを構えているのに気づいている人はいないものの、
辺りに、張り詰めた空気が流れたその時…
男:っ!?
一瞬の隙を突き、シドが素早く男の手を弾く。
反動でナイフが手から滑り落ちると、
あっという間にシドが男を取り押さえた。

(すごい……)

騒ぎに気づいて駆け寄って来た警備員に、シドが男の身柄を引き渡す。
シド:不審者だ。俺の女に振られた腹いせに襲いかかってきた
沐沐:えっ…

(そんな嘘つかなくても…っ)

戸惑う私をよそに、シドはどこか楽しそうな顔をしていた。
連行される間際、襲ってきた男がシドに向かって悔しげにうめく。
スパイ:その箱は俺の手柄だ。何で返したりなんか…っ

(俺の手柄…?)

男と警備員がいなくなると、シドがそっと私に訊ねる。
シド:大丈夫か
沐沐:う、うん。今の人は…
シド:あいつは西の国のスパイの新入りだ

(あ、そういえば…)

沐沐:西の国って、たしかアランとジルの属してる国だったよね…?
シド:ああ。だが、
シド:あいつらには箱の中身は情報じゃないと、朝のうちに説明しておいた
シド:もう狙われることはねえ

(そっか…シドが二人と争うことにならなくて、よかった)

ほっと胸を撫で下ろすと、一息置いてシドが言葉を続ける。
シド:あの新入りは、上司に箱を返すように言われたが、
シド:納得がいかなかった…ってとこだろうな

(それであんなに悔しそうだったんだ…)

沐沐:でも、何で盗んだものを急に返してくれたのかな
私の問いかけに応えず、シドはただ微笑んでいる。

(…シド、何か知ってそうだけど今話すつもりはないってことかな)

そう思っていると、
シドがテーブルの上に置かれたままだった箱を手に取る。
そして、私へ手を差し出して…―
シド:行くぞ
沐沐:行くってどこへ…
シド:ここじゃ、落ちついて見られねえだろ

(あ、箱の中身のこと…)

ようやく言葉の意味に気づき、シドの手を取る。
シド:何もねえとは思うが…万が一の時のために、俺の家に来い
沐沐:うん…
こうして、私はシドとパーティー会場を後にした。

***

シドの部屋で落ち着くと、早速、鍵を取り出し箱を開ける。

(わあっ…)

中には、小さな人形や押し花、イヤリングなど、
可愛らしい小物がたくさん入っていた。
沐沐:これは…
シド:お前の両親が、お前のために潜入先の国で買い集めてた土産らしい
シド:…俺が偶然同じ任務についた時、
シド:驚かせたいからいつか娘に届けてくれって頼まれた

(っ、そうだったんだ…)

沐沐:いつも家を開けていて…一緒にいられる時間も少なかったけど…
沐沐:ちゃんと…気にかけてくれていたんだ
嬉しさに、胸がいっぱいになる。
こまごまとしたお土産の一つ一つから、
両親の愛情が伝わってくるようだった。
沐沐:本当にありがとう、シド…
沐沐:二人との約束を守ってくれて
シド:………
シドは黙ったまま小さく笑みを浮かべると、
荒っぽく私の髪を撫でる。

(っ…こういうシドだから、好きになったんだよね…)

ますます気持ちが膨らむのを感じながら、私は誤魔化すように訊ねる。
沐沐:でも、何であのパーティーに犯人がいるってわかったの?
シド:…あいつと同じ、西の国のスパイから連絡が入った
シド:『新入りがお前の女に手を出した。品物は返すよう言ってある』ってな
何気なく告げられた言葉に、鼓動が跳ねた。
沐沐:シドの…って…

(パーティーの時は、『振り』をしてたけど…)

それ以外の時のことを、
恋人同士のように言われていると思うと、頬が熱くなる。
すると、シドがふっと目を細めた。
シド:お前が気づいてないだけで、この街にはスパイが多い。
シド:…アランやジルもそうだしな
シド:お前は知らずにスパイたちと親しくしてた
シド:だから、何かの情報を掴んでいると誤解されないように、
シド:少し裏で手を回してた
沐沐:…どういうこと?
首を傾げると、シドの口元にいたずらっぽい笑みが浮かぶ。
シド:スパイたちの間に、お前は俺の恋人だって情報を流してある
シド:それで、大抵のヤツは手出しできなくなるからな
沐沐:えっ…!?
シド:あの新人スパイは、それを知らなかったがな。
シド:…箱が返ってきたのは、そういう理由だ
シド:他にも知らねえ新入りがいるかもしれねえが、
シド:さっきのでわかっただろ
沐沐:だからさっき『俺の女』って言ったの…?
会場でシドが言った言葉を思い出して訊ねると、
シドは何も答えず笑みを深める。

(そういえばシドは、)
(色んな国と仕事してるって言ってたけど…)

それで自分が守られていたなんて、考えてもみなかった。

(じゃあ…シドはずっと…)
(何も言わずに、守ってくれていたんだ…)

沐沐:…ずっとシドのこと見てたのに…気づかなかった

(すごく嬉しいけど…)
(何もわかってなかった自分が、少し悔しい…)

小さくうつむくと、シドの手がそっと私の頬に触れる。
シド:…ずっと見てたのは、俺も同じだ
シド:最初は、あの優秀なスパイ二人の娘がどんな女か、
シド:興味があって近づいた
シド:だが、一緒にいるうちに…
シド:お前と過ごすのが、ただ楽しいと思うようになってな

(シド……)

沐沐:それって…
騒ぐ胸の音を聞きながらぽつりと呟くと、
シドの声が優しく響いて…―
シド:…もう、分かるだろ
シド:好きでもねえ女のために、ここまでしねえよ
告げられた想いに、胸の奥がじんと熱くなる。
シドの手が慈しむように私の頬を撫でた。
シド:情報を集めて、有利に動いても…
シド:今までは結局、守りてえものなんてなかった
シド:だが今は違う。お前が、俺の守りてえ…何より大切な女だ
真っ直ぐに注がれる視線を受け止めながら、小さく頷く。
沐沐:っ、私も…
沐沐:シドのことが好き。わかりづらいけど、本当は優しいところとか…
シド:何だ、わかりづれえって
シドは目を細めて、楽しげに笑った。

(こういうところも、好き)
(全部、大好き…)

想いが溢れ、私は頬に触れるシドの手に、そっと自分の手を重ねる。
沐沐:シドが違う国に行く時は…私もついて行く
沐沐:シドと、離れたくない
シド:………
シドは微笑むと、軽く私を抱き寄せて、耳元で言う。
シド:…いや、しばらくはここにいるのも悪くねえ

(えっ…)

沐沐:どこかに縛られるなんてごめんだって言ってたのに?
視線を上げて訊ねると、シドがニヤッと笑った。
シド:国に縛られるのはごめんだが、お前に縛られるのは悪くねえ
沐沐:…っ…
からかうように言われて、頬が熱くなる。

(でも、私だって…)

沐沐:私も、シドになら縛られてもいい。…本気だよ
言い切ると、シドは驚いたように目を瞬かせた。
けれど次の瞬間、射抜くような眼差しで言う。
シド:…ますます、悪くねえな
シド:本当に俺のもんになるなら、一生かけて守ってやる
その言葉に、頷く間もなく
シドが、優しく私の唇を塞いだ…―


fin.

 

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第3話-スウィート(Sweet)END:

 

シドの人差し指が、軽く私の唇に触れる。

(っ…!)

シド:いいから、大人しく俺の女の振りしとけ
どこか楽しげな瞳に覗き込まれると、ますます鼓動が騒いだ。
沐沐:っ、分かった…
小さな声で答えると、シドはようやく指を離してくれる。
シド:行くぞ
沐沐:う、うん

(びっくりした…)

そうして、私はシドとともにパーティーへ出発した。

***

会場へ向かう途中、ひと気のない通りに差し掛かる。

(また、昨日みたいに誰か襲ってきたりしないよね…?)

不安になってあたりを見回していると、シドが低く笑う。
シド:シケた顔してんじゃねえ
シド:俺がいんだろ。…何があっても、守ってやる
沐沐:シド…

(やっぱり、シドは頼りになるな…)
(一緒にいると、ほっとする)

沐沐:ありがとう
微笑んでお礼を言うと、
シドの口元に浮かぶ笑みが、からかうように深まった。
シド:ただし、見返りはもらうがな
沐沐:っ、見返りって…
いつもの調子で言い返そうとしたその時…

(あっ…)

突然、シドに強く抱き寄せられて…―
ぬくもりに包み込まれた次の瞬間、
銀色に光るものが私の視界の端を掠めていった。

(っ、ナイフ…!?)

シドは私を背に隠すと、襲いかかってきた男の前に立ちはだかる。
シド:東の国のスパイか…
男の顔を見たシドは、冷静な声でそう呟いた。
沐沐:東って…シドと同じだよね?

(たしか、味方同士のはずなのに…)

スパイ:貴様が裏切った可能性があるからな
スパイ:その女に届けた箱の中身…
スパイ:実は、俺たちが守るべき東の国の情報だったんじゃないか?
沐沐:え…
シド:何言ってんだ、お前
沐沐:そんな…シドが裏切るようなことするはずありません
スパイ:だが、お前の両親は有名な北の国のスパイだっただろう
スパイ:完全に否定はできないはずだ。
スパイ:…そいつの無実を証明したいなら、鍵を渡せ
スパイ:今、俺がこの場で中身を確認してやる
そういう男の手には、盗まれた箱があった。

(っ、この人が犯人だったんだ…)

けれど、箱が見つかった嬉しさより、
シドが疑われている悔しさの方が大きい。
沐沐:確認して、情報じゃなければ…それでいいんですよね?

(中身は情報じゃないというシドの言葉を…私は信じる)
(何とか、誤解を解かないと…)

その一心で、男に鍵を渡そうとすると…―
シド:渡したら、二度と戻って来ねえぞ
シド:そいつこそ、裏切り者の二重スパイだからな

(えっ…!?)

シドの声が凛として響くと、男の表情が強張る。
シド:お前は東の国の人間の振り、してるだけだろ
シド:鍵を手に入れたら、
シド:箱を持ってそのまま自分の国に帰るつもりじゃねえのか
スパイ:っ…黙れ!
言い当てられて焦ったのか、
男は顔を赤くして、シドに襲いかかってきた。
シド:ったく…三流だな
シドは軽々と攻撃をかわすと、
男のナイフを叩き落とし、その場に取り押さえる。

(すごいっ…)

鮮やかな動きに目を瞬かせている間に、
どこからか男性たちが数名飛び出してきて、シドと男を取り囲んだ。

(まさか、敵の仲間…!?)

沐沐:シドっ…
不安にかられて声を上げると、
二重スパイを男性たちに引き渡したシドが立ち上がる。
シド:こいつらは俺の仲間だ。安心しろ
シド:それに…ほら

(あ…)

シドが差し出したのは、男に奪われていた箱だった。

(取り返してくれたんだ…)

無事に自体が収まったことと、
箱が戻って来た安心感で胸がいっぱいになっていると、シドが訊ねる。
シド:…大丈夫か?
沐沐:うん

(シドが守ってくれたから)

微笑んで頷くと、シドも笑みを返してくれた。
シド:元々は、今日のパーティーで捕まえるつもりだったんだがな
沐沐:えっ…そうだったの?
シド:ああ。あいつが二重スパイなのも、
シド:箱を盗んだ犯人なのも、だいたい目星がついてた
シド:だから味方を何人か護衛につけさせてたんだが、
シド:手っ取り早く済んだな

(…色々考えて、準備してくれてたんだ)

沐沐:…本当に、ありがとう
改めてお礼を言うと、シドがふっと目を細めて…―
シド:もう誰もお前を襲わねえから安心しろ
いつになく優しい声でそう告げた。
私を見つめるシドの瞳に、胸の奥がきゅっと甘く締め付けられる。
シド:で、これ受け取らねえのか?

(あっ…)

シドに言われて、はっとする。
私は箱を受け取ると、チェーンに下げていた鍵を外した。
沐沐:…開けていいんだよね?
シド:ああ。お前のもんだろ
沐沐:うん…
頷いて、そっと鍵を開ける。
そして恐る恐る蓋を開くと…
沐沐:っ、綺麗…
中には澄んだ輝きを放つ、透き通った宝石が収められていた。
シドはその中から深いブルーの宝石を取ると、私に手渡す。
シド:…それを持ってると、幸せが訪れるって言われてるんだと
穏やかにそう言って、シドが懐かしそうに目を細めた。
シド:昔、お前の両親と一緒に仕事をする機会があってな…
シド:もしかしたらもう自分の国には帰れないかもしれねえって言ってた
シド:だからいつか北の国に行くことがあったら娘に届けてくれって、
シド:頼まれたんだよ
沐沐:…そうだったんだ

(二人とも、そんな覚悟の中で仕事をしていたんだ)
(…そんな時でも、私のことを考えてくれて…)

時を越えて伝わってきた両親の想いに、目の奥が熱くなる。
沐沐:シドなら絶対約束を守ってくれるって…両親も信じてたんだね
涙をこらえながら笑いかけると、シドが一瞬、口をつぐむ。
シド:…何で、お前はそんなに俺を信じられるんだ?
沐沐:え…?
シド:さっきも、『シドが裏切るはずない』とか言ってたろ
シド:俺は、ずっとお前にスパイだってことを隠してきた
シド:その箱だって、
シド:俺だとわからねえように渡して終わりにするつもりだったんだぞ
シドは、それ以上言葉にしなかった。
それでも、言いたいことは伝わってくる。

(どうして信じられるか、なんて)
(それは……)

沐沐:私…今回、箱が盗まれてよかったって思ってる
シド:あ?
沐沐:怖いこともあったし、シドに迷惑もかけてしまったけど…
沐沐:好きな人の本当のことを、知られたから…
シド:お前…
シドがわずかに驚いたように、目を丸くして私を見つめる。

(顔が、熱い…)
(でも、今この気持ちを伝えないと…)

沐沐:信じるのは、当たり前だよ
沐沐:だって、いつも見てたから…
沐沐:シドが優しい人だってことは十分知ってる

(いつもさりげなく助けてくれて…)
(からかいながらも励ましてくれる)

そんなシドの存在に、私は助けられてきた。

(今回のことだけじゃなくて、ずっと…)

私はぎゅっと拳を握り締め、心を決めてシドを見つめる。
沐沐:…シドが好き
シド:………
想いを告げたあと、短い沈黙が降りた。
シド:…後悔しても、知らねえぞ
ふいに向けられた優しい笑みに、鼓動が跳ねる。
沐沐:っ……
そうして次の瞬間、
私はシドの腕の中に引き寄せられていた。
シド:俺も、お前が好きだ
シド:いろんな国の情報を握ってれば、
シド:大事なもんが守れると思ってたが…
シド:今までは、それを盾にする必要もなかった
シド:…特別、守りたい相手なんていなかったからな
そう言って、シドの瞳が真っ直ぐに私を見つめる。
シド:だが、お前に出会って改めて、今の働き方で正解たと思った
沐沐:シド…
行き場をなくしていた手を、シドの背中にそっと回した。
すると、シドももっと強く抱きしめ返してくれる。
シド:この先、何があっても俺がこの手で守ってやる
シド:だから、本当に俺の女になれよ
真っ直ぐな言葉に、体温が上がっていく。

(断る理由なんて、ない)

顔を上げて深く頷くと、シドが楽しげに微笑んだ。
シド:…俺と一緒になるなら、平和な日常は今日で終わりだ
シド:刺激的な毎日を送らせてやるよ
挑むような眼差しに見つめられ、思わず頬が緩む。
沐沐:絶対に後悔なんてしない…シドが一緒なら

(それだけ、好きだから)
(何も知らなかった頃の自分に、もう戻りたくない…)

シド:…上等だ
そう囁くシドの唇が近づいて、柔らかく私の唇を塞ぐ。
初めての甘い口づけを受け止めながら、
私はシドとの新しい日々が始まる予感を、確かに感じていた…―


fin.

 

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エピローグEpilogue:

席德後

想いが通じ合った二人に訪れる、愛おしいひととき…
………
……
シド:来い
シドの両腕が、きつくあなたを抱き締めて…
シド:…安心しろ
シド:お前に言われるまでもなく…もう、離さねえ
………
……
大好きな彼がスパイから恋人へと変わる夜、
真実の愛があなたを甘く包みこむ…―

 

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    小澤亞緣(吉琳) 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()