◆シンデレラガチャ◆(ユーリ◆ガチャシート)

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彼目線のサイドストーリー

 

【続編】

◆愛の続きガチャ《ありのまま》

◇愛のカタチ~プリティ〜《これからもずっと君のとなりで》

◆愛のカタチ~ロイヤル〜《決意》

 

 

 

 

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【続編シート】

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愛の続きガチャ『ありのまま』

読む>>>

シュタイン城を訪れた夜のこと…―
吉琳:ユーリは…さっきの話どう思ったの?
ベッドに隣同士で腰かけていた吉琳が、ユーリに真剣な瞳を向ける。
ユーリ:さっき?
吉琳:ジェラルド様のこと…
ユーリ:ああ、そのことか……
その名前を聞き、吉琳が気にしていることをようやく理解する。
ジェラルドの具合が悪いと聞いた時、
不安や心配は、全くと言っていいほど湧いてこなかった。

(こんなこと言ったら、びっくりされるかな)

ユーリは自分の気持ちを見つめ返すように、そっと目を伏せる。

(でも…吉琳には誤魔化したくない)
(大好きな吉琳に嘘はつきたくない)

ユーリは今まで胸の奥に仕舞いこんでいた想いを、ありのまま口にした。
ユーリ:正直に言うとね…分からないんだ
吉琳:分からないって…お父様、なのに?

(お父様、か)

自分の出生の秘密が分かった今でも、
ジェラルドを父だと思ったことはなかった。
ユーリ:うん……。悲しいとか、心配って気持ちがあんまり湧かなくて
ユーリ:…ほとんど話したことないからかな
吉琳:…話したことがないの…?
言葉を詰まらせる吉琳へ淡い笑みを向け、
ユーリは昔のことを思い返した。
それは、ユーリがまだ城に来たばかりの頃…―

〝庭を散歩していたユーリの目に、〞
〝官僚と共に遠くの廊下を歩いていくジェラルドの姿が見えた。〞
〝官僚:ジェラルド様、まだ税を搾りとれる地域がありそうです〞
〝ジェラルド:そうか〞

〝(ぜのさまに、にてる)〞
〝(あのひとが、じぇらるどさま…)〞

〝初めて見た国王の顔を、まじまじと見つめてしまう。〞
〝その時、切れ長の瞳が一瞬こちらを向いたものの、〞
〝すぐに視線が逸らされた…―〞

(今思い返しても、あの瞳…やっぱり冷たく感じるな)

ユーリ:もしかしたら、逢いたくなかったのかも
ユーリ:きっと俺のこと、息子だって思ってないんじゃないかな
過去を語りながらぽつりとそう言うと、
吉琳は必死な顔で首を横に振る。
吉琳:っそんなこと…
そう言いかけた瞳は、戸惑いと悲しみで揺れている。

(俺のことなのに…優しいな)

安心させるようにそっと微笑み、愛しい人へ手を伸ばして…
ユーリ:そんな顔しないで吉琳
そっと肩を抱き寄せ、こつんと額を合わせる。
吉琳:ユーリ…ごめんね…
か細い声に、ユーリは額を合わせたまま緩く首を振る。
ユーリ:吉琳が謝ることじゃないよ。それに俺、本当に気にしてないんだ
ユーリ:ただ…そういうことだから、父親って感じがあんまりしなくて
ユーリ:……冷たいやつって思った?
悲しそうな吉琳の表情を和らげたくて、
わざとおどけて、そう言うと…
吉琳:冷たいなんて思わないよ
吉琳:…ユーリは……すごく温かいから
切なげに瞳を揺らしながらも、吉琳は唇に微笑みをのせる。
吉琳:今、目の前にいるのは、温かくて優しい…私の王子様だよ
その声と同時に、華奢な腕がユーリを柔らかく包んだ。

(何で、吉琳って…)
(いつでも心に寄り添ってくれるんだろう)

不思議に思いながらも、今はそれが何よりも嬉しかった。
ユーリは、ぽすんと吉琳の肩に頭を乗せる。
ユーリ:ありがとう…吉琳
小さくそう告げると、吉琳が微かに笑う。
吉琳:私こそ…ありがとう
ユーリ:吉琳…

(痛みを分かち合ってくれるだけじゃなくて、癒やしてくれる大事な人…)

ユーリは埋めていた顔を上げ、腕の力を緩めるといたずらっぽく続ける。

(全然かっこいい場面じゃないけど、)
(今、俺の全部を知ってもらったから…)
(今、言いたい)

ユーリ:あーあ。俺かっこ悪いなー
吉琳:えっ…?
驚く吉琳に笑顔を見せて、ユーリはポケットから小箱を取り出す。
ユーリ:本当はもっと別の場所で言う予定だったんだけど、
ユーリ:今、俺の大切な場所で言いたい
ユーリは緊張で速まる鼓動を聞きながら、ベッドの下へ跪いて小箱を開けた。
そして…
ユーリ:吉琳。俺のお嫁さんになってください
吉琳:…ユーリ……
告げると、吉琳は驚きに瞳を大きく見開き、そのまま黙り込んでしまう。
けれど、その顔いっぱいに喜びが広がっていた。

(喜んでくれて良かった)

心の中でほっと息をついて、
ユーリは覗き込むように吉琳を見つめる。
ユーリ:あれ…嫌?
わざとからかうように言うユーリに、吉琳は笑顔で首を横に振った。
吉琳:…私の旦那さんになってください
嬉しそうに告げられた言葉に、鼓動が大きく跳ねる。

(旦那さん…まだ全然慣れないけど、)
(しっくりくるまで、いっぱい呼んでもらおっかな)

幸せな未来を想像して、ユーリは箱から指輪を取り出す。

(俺たち、家族になるんだ)

ユーリ:吉琳、ありがとう。…愛してるよ
こみ上げる愛しさを抱いて、吉琳の薬指に指輪をはめた…―

 

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愛のカタチ~プリティ〜『これからもずっと君のとなりで』

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ユーリと吉琳は婚姻式の延期の意思を、
ジルとレオへ告げていた。
ジル:ジェラルド様のことはきっと諸国に伝わるでしょうし、その判断は賢明かと
ジル:何より…ウィスタリアを想っての決断を、反対するわけがありません
二人:ありがとうございます!

(ジル様なら分かってくれると思った)

信頼の想いから、そう心の中でこぼし、
吉琳とユーリは微笑み合う。
すると、そんな二人を見てレオがいたずらっぽい笑みを向けた。
レオ:俺は、正直に言うとちょっと残念だけどね
レオ:吉琳ちゃんのウエディングドレス姿、楽しみにしてたから
吉琳:もう、レオってば…

(吉琳のウエディングドレス姿かー)

一緒に選んだドレスは、
吉琳を華やかに飾ってくれるようなデザインだった。
ユーリ:俺の方がずっと楽しみにしてましたよ!

(早く見たい気持ちもあるけど…)

ユーリ:でも、楽しみは後にとっておいた方がいいって言うじゃないですか
そう言って、吉琳の手を握りウインクを投げる。
その様子に苦笑をこぼしたレオは、小さく肩をすくめた。
レオ:そんなに見せつけなくても、吉琳ちゃんは取らないって
ユーリ:俺としては、まだまだ見せつけたいんですけどね
冗談っぽくレオと会話をしていると、
吉琳が頬を染め、顔を綻ばせているのに気づく。
ユーリ:どうしたの?
吉琳:その、嬉しくて…

(そんな風に言われると思わなかった…)

ユーリ:そっか

(吉琳も残念がってるかもって思ったけど、)
(いらない心配だったみたい)

ユーリの気持ちを心から理解して、一緒に決断してくれた吉琳に、
改めて愛しさを感じた。

(何回でも愛してるって言いたいぐらい)

そこへ、ジルの声が響く。
ジル:そうと決まれば、より一層公務に励んで頂きますので、
ジル:覚悟して下さいね?
二人:はい!
それからというもの、
ユーリと吉琳は今まで通り、
次期国王とプリンセスとして公務やレッスンを行っていった。

***

そうして、ユーリの疑惑が落ち着いてから二週間が経った頃…―
ユーリと吉琳は、二人揃って城下の視察をしていた。
女性:ユーリ様、この揚げ菓子お好きでしたよね。どうぞ
ユーリ:いいの? ありがとう!
通りに面した店で売られていた、
砂糖のまぶされた揚げ菓子を手渡され、ユーリはにこっと笑顔を返す。
ユーリ:この辺りは今日も賑やかだね
吉琳:うん
今日の視察では、ジェラルドが亡くなったことや婚姻式の延期で、
城下に不安や混乱がないか確かめるのも、目的の一つだった。

(みんな、いつも通りで大丈夫そう)

人々の様子に安心しながら、隣へ視線を向ける。
すると、吉琳は何かを考えるように難しい顔をしていた。

(この前、レイヴィス様から手紙が来たばっかりだし、)
(…もしかして夫人のことかな)

数日前、視察のため近々ウィスタリアを訪れると
レイヴィスから手紙が届いていた。
そして手紙には、ヨハンナ夫人の権力も弱くなったと、添えられていたのだった。

(あの時…『綺麗事』って言ってたよね)

〝それは一週間前、シュタインで行われた王室会議でのこと…―〞
〝偽の情報を流した疑いでヨハンナ夫人は会議にかけられていたものの、〞
〝ユーリは罪の追求を取り下げるよう提案していた。〞

〝(…疑われた俺自身にも、非はあると思う)〞

〝ユーリの提案はゼノ様や官僚からも承認され、〞
〝今日の王室会議で、判決が言い渡されることになっていた。〞
〝官僚:ウィスタリアの次期国王からの申し出により、〞
〝官僚:ヨハンナ=アードラー公爵夫人を不問とします〞
〝ユーリは、中央に座る夫人を真っ直ぐに見つめて…〞
〝ユーリ:権力を強くすることより、一緒に過ごす時間を持つことの方が、〞
〝ユーリ:家族のためになると思います〞
〝ヨハンナ:……綺麗事ですわ〞

(『綺麗事』かもしれない)

夫人の冷たい声がよみがえり、きゅっと唇を結ぶ。

(夫人みたいに考える人は、きっと他にもいると思う)
(でも、またこんなことがあった時は、もっと上手くおさめられるはず)

教訓として胸の痛みと共に、自分の心に刻みつける。

(これからもずっと…吉琳が隣にいるから)

そう思いながら吉琳を改めて見つめる。

(あ、まだ難しい顔してる。それなら…)

揚げ菓子を持っている手を、吉琳へ向けて…
ユーリ:吉琳。はい、あーん
吉琳:えっ……んむ…
口元に近付けると、吉琳は驚いた様子で菓子をぱくりと頬張る。
ユーリ:考えごとも良いけど、今はちゃんと城下を視察しなきゃ
そう言ってから、口元に触れるだけのキスを落とす。
吉琳:っ……
吉琳:ユ、ユーリ…
ユーリ:砂糖がついてたから取ってあげただけだよ?

(なーんて、可愛い顔してたからキスしたくなっちゃっただけだけど)

ユーリはにこにこと笑顔を向けながら、
吉琳の手を引いて立ち止まった。
ユーリ:真剣な顔してる吉琳も好きだけど、今は笑顔の吉琳が見たいなー
ユーリ:ね。だから笑って?
最初ははにかむように笑い、吉琳はやがて満面の笑みを見せてくれる。
吉琳:ありがとう

(やっぱり俺が一番好きなのはこの笑顔だな)

ユーリ:吉琳の笑顔、大好き
ユーリ:部屋に戻ったら、俺だけにもっと見せて
甘く囁いて、ユーリは手を繋いで歩きだす。

(この手をずっと離さない)

握った手の中に、幸せの全てが詰まっていると感じた。

(吉琳に出逢わなかったら、本当の強さも優しさも知らないままだった)
(大切なことを教えてくれた大好きな人のために、)
(俺は吉琳を守る王子様になるよ)

繋いでいた手に、きゅっと力を込める。

(そして、この国を守る立派な国王にも)
(二つも願うなんて欲張りかもしれないけど…必ず叶える)

ユーリと吉琳が見つめた先には、
眩しいウィスタリアの景色が広がっていた…―

 

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愛のカタチ~ロイヤル〜『決意』

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婚姻式が無事に終わり、
ユーリと吉琳を祝したパーティーが、ホールで開かれていた。
レイヴィス:盛大だな
式にも出席してくれていたレイヴィスに声をかけられ、
二人はにこやかに答える。
吉琳:うん。出席してくれてありがとう
レイヴィス:ああ
ユーリ:レイヴィス様、改めてお礼言わせて下さい
ユーリ:あの時、夫人が偽の情報を信じるように促してくれなかったら、
ユーリ:今日を迎えられませんでした。ありがとうございます
吉琳:ありがとう
吉琳と一緒に感謝を込めてお礼を言うと、
レイヴィスは何でもないように言う。
レイヴィス:別に。手紙にも書いたけど、協力した方が利益があると思っただけ

(レイヴィス様らしい)

けれど、いつも通り素っ気なく言いつつも、微かな笑みが浮かんだように見えて、
ユーリと吉琳も笑みを返す。
すると、レイヴィスが少し考えるようにユーリを眺め…
レイヴィス:それよりも、そろそろ止めたら?
ユーリ:えっ
何のことだか分からず見つめ返すと、レイヴィスはそのまま言葉を続けた。
レイヴィス:敬語とその呼び方。もう国王なんだから

(あ…そっか)

以前、正式に国王になるまでは、
今まで通りの呼び方や話し方にしたいと、周囲に伝えていた。

(もう国王になったんだもんね)

ユーリ:そう…だね。ありがとう、レイヴィス
そう言ってみるものの、どこか自分でもぎこちないように感じる。

(うーん、しばらく慣れないかも)

照れる気持ちを隠すように、レイヴィスへ小さく笑った。
レイヴィス:そう思ってる人、他にもいるんじゃない?
吉琳:他にも…?
その時、レイヴィスが一瞬だけ、窓際から歩いてくる人物を見たのに気付く。

(もしかして…)

『他』が誰を指すのか、検討はついたものの、
レイヴィスは答えを言うことなく、背を向けた。
レイヴィス:それじゃあ。二人とも、おめでとう
そうして離れていくレイヴィスと入れ替わるように、
窓際から歩いてきたゼノとアルバートが目の前で足を止める。
ゼノ:いい式だった
吉琳:ありがとうございます
ユーリ:皆さんにも喜んでもらえる式になって良かったです
忙しい中、式に参列してくれた二人に、改めて感謝の気持ちが湧く。

(ゼノ様とアルに見送られる日が来るなんて、)
(あの時は、全然思ってなかったなー)

以前、一人でシュタインを出た時、
胸の中は、焦りと使命感で埋め尽くされていた。
しかし同じくシュタインを出る今、胸には温かさが広がっている。

(吉琳に恋をして結婚しなかったら、)
(こんな幸せな気持ち、知らなかったのかも)
(吉琳に出逢えて良かった)

微笑みを浮かべていると、ゼノの隣に立つアルバートが小さく息をつく。
アルバート:プリンセスを見て固まっていた時はどうなるかと思ったが

(もう…素直におめでとうって言えばいいのに)
(心配してくれてるんだって分かるけど)

ユーリ:だって、吉琳のウエディングドレス姿初めて見たんだもん
ユーリ:それに、アルは人のこと言えないでしょ
ユーリ:式の最中、泣いてたの知ってるんだからね
いつもの調子で言い返すと、アルバートが絶句する。
アルバート:なっ…!
ゼノ:そうだったな
アルバート:ゼノ様っ…

(ゼノ様に言われたら、反論できないね)

いつもと変わらないやりとりが、心地良い。

(でも、俺はウィスタリアの国王としてここにいるんだから、)
(『いつもと一緒』じゃダメだよね)

ユーリは真剣な瞳をゼノへ向けた。
ユーリ:ゼノ様。これからは隣国の国王として宜しくお願いします
ゼノ:ああ
そう答えたゼノは、穏やかな眼差しで続ける。
ゼノ:……それならば、ふさわしい態度を取るといい

(あっ)

その言葉が、たった今レイヴィスの言っていたことと重なった。

(うーん、でも…)

ユーリは胸のうちを正直に伝えるように、すっと背筋を伸ばす。
ユーリ:俺にとってゼノ様は恩人で、忠誠を誓った方なので、
ユーリ:ふさわしい態度を取るまで、ちょっと時間がかかるかもしれません
ゼノに対しては、すぐに態度を改めることは難しく思えた。
ユーリ:でも…
ユーリ:胸を張って、ゼノ様と対等になれるような国王になります

(ウィスタリアのために…吉琳のために)

きっぱりと決意を告げると、ゼノは深く頷いてくれた。
ゼノ:ああ
ユーリ:あ、でもこの呼び方だったらすぐに出来るかも

(ゼノ様のこと、こうやって呼んでみたかったんだよね)

ユーリ:…お兄ちゃん
ゼノ:……
ゼノは少し驚くようにしてから、いっそう優しい眼差しを向けた。
ゼノ:…それもまた、ふさわしい態度なのかもしれない
ゼノ:どんな立場であれ…お前は俺の弟だからな

(ゼノ様…)

その言葉は、ユーリの心を優しく包みこんでいく。
アルバートも、笑顔をこぼすユーリをどこか柔らかい瞳で見つめている。

(初めて俺を認めてくれた恩人ってずっと思ってたけど、)
(これからは…大好きなお兄ちゃんっていうのも加えていいよね?)

芽生えた新しい絆に、ユーリは温かな気持ちを感じながらしっかりと頷いた…―

 

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    小澤亞緣(吉琳) 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()