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[復刻]Winter Wonder Land~クリスマスの奇跡~(プロローグ)

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このイベントは2016年12月3日~12月15日に開催されていた『Winter Wonder Land~クリスマスの奇跡~』の復刻イベントとなります。

 

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序  

プロローグ:

 

空がかすかに茜色を帯び始めた、穏やかな夕暮れ…―
クリスマスイヴを迎えたウィスタリア城では、
今夜のパーティーに向けて飾り付けが行われていた。
ジル:…これで準備は完璧です
レオ:それにしても…あの二人も手伝ってくれるなんてね
並んでホールを見渡す二人の視線の先では、
シドがツリーのてっぺんにある星の位置を直し、
ルイがテーブルに置かれた花瓶の花を直していた。
ルイ:ジル、出来た
ジル:ありがとうございます、ハワード卿
ジル:お手を煩わせてしまって、申し訳ございません
ルイ:気にしないで
なんでもないことのように答えるルイとは反対に、
星を直し終わったシドは面倒くさそうに眉根を寄せた。
シド:ったく…こんなもん、使用人に任せりゃいいだろ
ジル:メイドでは手が届かなかったのですよ
ジル:たまたま通りがかったのですから、これくらいは頼まれてください
シド:こいつと扱いが違いすぎだろ。手伝い料請求するぞ
レオはそのやりとりに苦笑してから、
テーブルの上に置かれた招待状を手に取った。
レオ:あとは、吉琳ちゃんにこの招待状を渡すだけだね
ルイ:今夜のパーティー、吉琳には秘密にしてたの?
レオ:そう。驚かせようと思って
その時、ジルがふと何かに気付いたようにホールの入口を振り返った。
ジル:…おや。またどこかに行ってしまったようですね
ルイ:どうかしたの?
ジル:最近、ミケランジェロがよく姿を消すのですよ
ジル:さきほどまであのあたりで遊んでいたはずですが…
シド:ミケランジェロ…? …ああ、お前が飼ってた猫か
ルイ:…実は、シャルも最近どこかに行ってることが多いんだ
飼っている小鳥の様子を思い出し、ルイが不思議そうに首を傾げる。
レオ:恋人のところにでも行ってるんじゃない?
レオ:明日はクリスマスだし
当然のように言うレオに、シドが呆れたような顔になる。
シド:…相変わらずちゃらついてるな、お前
レオ:だって、誰もが思うことでしょ?
レオが微笑んで、言葉を続けた。
レオ:『クリスマスは、大切な人と過ごしたい』って

***

一方その頃、執務室では…―
ユーリ:吉琳様、今日の公務はもう終わりだよ
ユーリ:せっかくのイヴなんだし、楽しまなくっちゃ
吉琳:うん、ありがとう
私は書類から視線を上げて、
デスクにティーカップを置いてくれたユーリに微笑んだ。

(クリスマスイヴか…)
(せっかくだから、今夜と明日は大切な人と過ごしたいな)

カップを傾けながら彼のことを想って、自然と唇に笑みが浮かぶ。

(あ、そういえば…)

私はユーリに借りたままだった本があることを思い出し、
本棚から、どこかクリスマスを思わせる赤と緑の背表紙の本を抜き取った。
吉琳:ユーリ、この本ありがとう。面白かったよ
ユーリ:よかった。気に入ってくれた?
吉琳:もちろん。クリスマスに、不思議な街に迷い込むなんて…
吉琳:今の時期に読むのにぴったりなお話だね
ユーリ:うん。
ユーリ:もし本当にこんなことが起こったらって思うと、わくわくするよね
ユーリと笑みを交わし、本を渡そうとしたその時、
ページの間から、栞がするりと抜け落ちた。
吉琳:あっ、ごめん
拾おうとしてしゃがむと……
栞と私を遮るように、何かふわふわとしたものがさっと横切った。

(え…?)

顔を上げて、ふわふわの正体を確かめる。
隙間の空いたドアの側で、ジルの飼い猫のミケランジェロが、
栞をくわえたままこちらを見つめていた。
ユーリ:ミケランジェロ、いつの間に…
次の瞬間、ミケランジェロはくるりと背を向け、執務室を出て行ってしまう。
吉琳:っ、ちょっと待ってて、返してもらってくるから
ユーリ:あ、吉琳様…!
ユーリが呼ぶ声を背中に聞きながら、
私はミケランジェロを追って廊下に出た。

***

そしてすぐに、突き当たりに辿りつく。
吉琳:ほら、いい子だから、その栞をちょうだい
こちらをじっと見上げるミケランジェロに微笑みかけると…―
ミケランジェロが背を向け、ぴょんと壁の中に飛び込んでいった。

(…えっ…今、何が起こったの…?)

さっきまで目の前にいたはずのミケランジェロの姿が、跡形もなくなっている。

(この壁の中に…?)

おそるおそる壁に手を触れると、
そこは水面のように波打って、私の肘まで飲み込んだ。

(……!)

???:吉琳!
誰かが私の呼ぶ声が聞こえたのと同時に、
もう片方の手首を掴まれる。

(誰っ…?)

振り返るよりも先に、あたりはまぶしい光に包まれた。

(何が起こってるの…!?)

目がくらむ中で、私の手首をしっかりと掴む温もりだけを感じる。

***

そうして辿りついたのは、
ホワイトイヴの粉雪が舞う、不思議な街だった…―

 

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どの彼と物語を過ごす?

>>>ジルを選ぶ

>>>レオを選ぶ --活動結束才會更新上來

 

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