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Only my knight~あなたの腕に守られて~(レイヴィス)

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プリンセスに迫る危機。 守ってくれるのは、
―…あなただけのナイト。
愛しいあの人がナイトとして、一日誰よりも近くにいることに…
………
レイヴィス:はっきり言っておかないと伝わらないか
レイヴィス:騎士だと思って頼って
……
とろけるような愛につつまれる物語が、ここに…―

 

*感謝Alice殿下提供文字檔(・∀・)

 

 

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第1話:

 

足音が中庭に響いて…
Alice:レイヴィス
濃い茶色の髪を揺らして、レイヴィスがその場に姿を現した。
レイヴィス:楽しそうに話してたな
穏やかに声をかけるレイヴィスへ、ユーリがにこっと笑って頷く。
ユーリ:この前観た、オペラの話をしてたんです
ユーリ:騎士が側にいない時、恋人が守ってくれるのっていいなーって
Alice:ユ、ユーリ
ユーリを慌てて止めると、
目の前に立ったレイヴィスが、小さく笑みをこぼした。
レイヴィス:止めることないだろ
レイヴィス:それとも俺には話せない内容だった?
Alice:そ、そういうわけじゃないんだけれど…

(レイヴィスのこと考えながら話してたから…照れてしまう)

オペラの登場人物のように、レイヴィスに守ってもらう場面をまた想像して、
頬が自然と熱くなってしまう。
これ以上、話し続けるのは恥ずかしくて、私は話題を変えた。
Alice:っそれより、もう迎えに来てくれたんだね


=====


Alice:っそれより、もう迎えに来てくれたんだね
何気なくそう告げると、レイヴィスは怪訝そうに首を傾げた。
レイヴィス:『もう』って言うほど早くないんじゃない?
Alice:えっ
その言葉にはっとして時計塔を見上げると、約束の時間が迫っている。

(本当だ。いつの間に…)

明日は、ハルナイト邸でフレイ地区の方々との交流会があり、
ウィスタリアで用事のあったレイヴィスが、迎えに来てくれることになっていた。
Alice:ごめん。すぐ準備するね
慌てて腰を上げ、部屋へ向かおうとすると、
ふいにレイヴィスの指先が触れ…
Alice:えっ
やんわりと手を取られる。
驚いて瞳を丸くする私へ、レイヴィスは柔らかな様子で口を開いた。
レイヴィス:ゆっくりでいい。お前のこと待つ時間、好きだから
Alice:…っ…

(待つ時間も好き、なんて…すごく甘やかされてる気分)

さらりと告げられた言葉に、心の奥が甘くくすぐられるのを感じていると、
後ろから、小さな咳ばらいが聞こえて…―
ユーリ:二人とも、俺がいること忘れてません?


=====


後ろから、小さな咳ばらいが聞こえて…
ユーリ:二人とも、俺がいること忘れてません?
Alice:……!

(そうだった。まだユーリもいるのに…)

からかうように笑って私たちを見つめるユーリに、
恥ずかしさが湧いて、一気に顔が熱くなる。
するとレイヴィスは、何でもないことのようにユーリへ答えた。
レイヴィス:忘れてないけど?
ユーリ:えーじゃあ、見せつけられてたのかー
Alice:っもう……
Alice:と、とにかく荷物取ってくるね
冗談めいたそんなやりとりにも、鼓動を騒がせながら、
私はワンピースの裾を揺らし、中庭を後にした。
そうして、すぐに準備を整えてシュタインへと向かい…―
明日着る予定の、淡いブルーのドレスをクローゼットにかけていた。

(明日は、他の地区からも貴族の方がいらっしゃるんだっけ)

シュタインまでの馬車の中で、
明日、招待している来賓について、レイヴィスから話を聞いていた。

(初めてお逢いする方々だから、失礼のないようにしないと)

そう思っていると、ノックと共に扉が開き…―


=====


(初めてお逢いする方々だから、失礼のないようにしないと)

そう思っていると、ノックと共に扉が開き…
レイヴィス:まだ寝てなかったんだ
レイヴィスが苦笑をこぼしながら、部屋へと足を踏み入れた。
Alice:うん。明日のドレス、皺にならないようにと思って
Alice:レイヴィスも、まだ起きてたんだね
レイヴィス:ああ、書類まとめてたら明かりが見えたから

(気にして、わざわざ来てくれたのかな)

その優しさに、ふんわりと心が包まれていく。
心地良い胸の温かさを感じていると、
レイヴィスがこちらへ歩み寄り、私の方へと手を伸ばした。

(あっ)

ふいに縮まった距離が、抱きしめられることを予感させて、
うるさいほどに胸の音を響かせていると…
レイヴィス:このドレス、お前に似合いそう

(え?)

思い描いていた行動に反して、
レイヴィスは、私の後ろにかけてあったドレスに触れていた。

(ドレスを見ようとしていたんだ)
(勘違いしてしまって恥ずかしい…)

速まった鼓動はなかなかおさまらず、全身が熱くなっていく。
そんな私を、レイヴィスが不思議そうに見つめた。
レイヴィス:Alice?
Alice:っ…う、うん。ありがとう
レイヴィス:……
慌てて返事をすると、レイヴィスは私をじっと見つめ…―
レイヴィス:もしかして期待した? こうされること


=====


慌てて返事をすると、レイヴィスは私をじっと見つめ…
レイヴィス:もしかして期待した? こうされること
意地悪に微笑み、ふんわりと抱きしめた。
Alice:……!
その腕に抱かれて嬉しい気持ちと、
想いを見抜かれていた恥ずかしさから、さらに頬が熱を持つ。
Alice:…どうして分かったの?
レイヴィス:全部、顔に出てるから
そう言うレイヴィスは、私の頬をするりと撫でた。
Alice:ほ、本当に?
慌てて両手で頬を包むと、レイヴィスがおかしそうに笑みをこぼす。
レイヴィス:冗談だって気づきなよ
レイヴィス:相変わらず、からかいがいのあるやつ
Alice:もう、レイヴィス…
思わず拗ねたような眼差しを向けると、
抱きしめられたまま、髪を優しく梳かれた。
レイヴィス:お前のことなら、見てれば分かる。恋人だから
レイヴィス:それ以外に理由なんてない

(からかっても、すぐにこんな嬉しい言葉をくれるから…)
(レイヴィスには敵わない)

胸がときめきで満たされ、私は受け取った想いに応えるように、
自分の気持ちを言葉にする。
Alice:レイヴィスの言う通り…少しだけ、期待してしまったの。だから、
Alice:こうしてもらえて、嬉しい…
胸元に頬を寄せ、呟くように告げると…―
レイヴィス:素直だな。でも…

 

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第2話:

 

レイヴィス:素直だな。でも…
レイヴィス:素直すぎて、少し無防備
Alice:えっ
その声にわずかな真剣さが混じったのに気付き、首を傾げる。
レイヴィスは、そのまま真面目な様子で言葉を続けた。
レイヴィス:明日の招待客に、他の地区の貴族もいるって言っただろ
Alice:うん。…初めてお逢いする人も多いよね
レイヴィス:ああ。だいたいは節度を持って接してくるけど、
レイヴィス:中には、話が上手いやつもいるから
そう言われて、私は昼間のユーリとの会話を思い出す。
ユーリ:例えばこの城にも騎士団はいるけど、
ユーリ:つきっきりで、Alice様と一緒にいるわけじゃないでしょ?

(レイヴィスもあの話を思い出して、こう言ってくれてるのかも)

目の前の青い瞳は、私を心配そうに見つめている。

(失礼にならないように、だけじゃなく…)


=====


(失礼にならないように、だけじゃなく…)
(自分の身も守れるようにならないと)

レイヴィス:明日は、そういうやつも集まる場だから…
レイヴィスの声に重ねるようにして、私は言葉を紡いだ。
Alice:うん。心配かけないように、気を付ける。それに…
Alice:もし何かあっても、自分で対処出来るようにするね
真っ直ぐ見上げて告げると、
レイヴィスが一瞬驚いたように瞳を瞬かせてから、ふっと笑った。

(あれ)

レイヴィス:本当に、抜けてる
レイヴィス:まさか、そう言われるとは思わなかった
Alice:それって、どういう…
苦笑交じりに言われて、小さく首を傾げてしまう。

(変なこと言ってしまったかな…?)
(でも、騎士がいなかった場合も考えてしっかりしろって意味じゃ…)

考えていると、レイヴィスがふいに私の手を取って…―
レイヴィス:はっきり言っておかないと伝わらないか


=====


(変なこと言ってしまったかな…?)
(でも、騎士がいなかった場合も考えてしっかりしろって意味じゃ…)

考えていると、レイヴィスがふいに私の手を取って…
レイヴィス:はっきり言っておかないと伝わらないか
広い胸元に手をあてるよう促された。
レイヴィス:俺がいるから『自分で対処』は、しなくていい
レイヴィス:騎士だと思って頼って

(あ…)

触れた胸元からもレイヴィスの気持ちが伝わってくるようで、
優しい気持ちに、自然と目元を緩める。

(まさか、昼間に想像した通りになるなんて思わなかった)
(でも、ずっと側にいてくれるなら…やっぱりレイヴィスがいい)

Alice:うん。ありがとう
私は愛しさを胸に抱きながら、頷いた。

***

そうして、迎えた翌日の夜…―
交流会に参加していた私は、
レイヴィスと一緒に、多くの方々と挨拶を交わしていた。
男性:今後ともどうぞ宜しくお願いします
Alice:こちらこそ
話し終えた男性が、別の輪に入っていくのを見送ると、
隣にいたレイヴィスが声をかける。
レイヴィス:今のでだいたい挨拶は終わったはずだから、後はゆっくりしたら?
レイヴィス:飲み物、取ってくる
Alice:ありがとう
笑顔で頷いたレイヴィスが、その場から離れていく。
すると、入れ替わるようにして一人の男性が話しかけてきて…―
???:ウィスタリアのプリンセス


=====


笑顔で頷いたレイヴィスが、その場から離れていく。
すると、入れ替わるようにして一人の男性が話しかけてきて…
???:ウィスタリアのプリンセス
声のした方を向くと、
側に立っていたのは、少し前に挨拶をした隣の地区の男爵だった。
男爵:今よろしいですか?
Alice:はい

(レイヴィスと挨拶した時は、爽やかな印象の方だったな)

にこやかに頷くと、男爵は黒い瞳を細める。
男爵:それはよかった。では、二人きりで話せる場所へ
Alice:えっ
男爵:お話しして頂けるんですよね

(っ…二人きりなんて、そんなつもりじゃなかったのに)

レイヴィス:明日の招待客に、他の地区の貴族もいるって言っただろ
レイヴィス:中には、話が上手いやつもいるから

(レイヴィスの言った通りだった…。でも、後悔しても仕方ない)
(何とか断らないと)

嫌な音を立てる鼓動を抑えながら、私は男爵へ視線を向ける。
Alice:お話ならここで…
男爵:さあ、プリンセス
しかし言葉を遮られ、強引に腰に手を回されたその時…―


=====


Alice:お話ならここで…
男爵:さあ、プリンセス
しかし言葉を遮られ、強引に腰に手を回されたその時…
レイヴィス:どこへ行かれるんですか?
行く手を阻むように、レイヴィスがこちらに歩み寄った。

(よかった…)

恋人の姿に、ほっと胸を撫でおろす。
そんな私に気遣うような視線を向けた後、
レイヴィスは色のない声で、再び男爵に訊ねた。
レイヴィス:プリンセスとの挨拶は先ほど済んだと思いますが、
レイヴィス:場所を移動するほどの話が?
途端に男爵は焦った様子を見せ、
まだ回されたままだった腰元の手に、ぐっと力を込めて答えた。
男爵:そ、その…プリンセスが具合が悪そうでしたので介抱を
Alice:……!
堂々と嘘をつく男爵に、思わず息をのむ。

(挨拶をした時は、こんな方に見えなかったのに…)

レイヴィス:…そうですか
静かに答えたレイヴィスは、近くのテーブルに持っていたグラスを置くと、
鋭い視線で男爵を見据えて…―

 

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第3話-プレミア(Premier)END:

 

レイヴィス:…そうですか
静かに答えたレイヴィスは、近くのテーブルに持っていたグラスを置くと、
鋭い視線で男爵を見据えて…
レイヴィス:では、屋敷の一室で休んで頂きます
きっぱりと、そう言い放った。
レイヴィス:案内するので、こちらへ。プリンセス
私の方へ手を差し出しながらも、男爵から目を逸らさないレイヴィスに、
隣から息をのむ声が聞こえる。

(体調が悪いわけじゃないけれど…)
(この場で騒ぎにならないように、レイヴィスについていった方がいいよね)

焦っていて気づかなかったものの、改めて周りへ視線を向けると、
歓談をしている招待客たちが、様子を窺うようにこちらを見ていた。

(…それに)

レイヴィス:俺がいるから『自分で対処』は、しなくていい
レイヴィス:騎士だと思って頼って

(ああ言ってくれたから)

私は、そっとレイヴィスの手に手を重ね…―


=====


私は、そっとレイヴィスの手に手を重ね、
ぎゅっと握り締める。
それだけで、強張っていた心がほぐれていくのを感じた。
レイヴィス:知らせて頂きありがとうございました
レイヴィス:引き続き、交流会をお楽しみください
男爵:…ええ
硬い笑顔の男爵に背を向けて、私とレイヴィスは会場を後にした。

***

その後…―
案内されたレイヴィスの部屋で、ソファに腰かけていると、
招待客を見送り終えたレイヴィスが戻ってきた。
Alice:ごめんね。最後まで会場にいられなくて…
レイヴィス:気にしなくていい。交流会も、無事に終わったから
レイヴィス:それより…
レイヴィスは、私の隣にそっと腰かけて続ける。
レイヴィス:男爵に言い寄られてた時、戻るのが遅れて悪かった
Alice:そんな。助けてくれてありがとう
Alice:ただ私、体調が悪いわけじゃ…
言いそびれていた本当のことを告げようとすると、
私の声に被せるようにして、レイヴィスが穏やかに答えた。
レイヴィス:何ともないことなんて、お前の顔見たら分かる
Alice:えっ


=====


レイヴィス:何ともないことなんて、お前の顔見たら分かる
Alice:えっ
レイヴィス:昨日も言ったと思うけど?

(昨日って…)

レイヴィス:お前のことなら、見てれば分かる。恋人だから
ちゃんと見ていてくれる心強さに、胸の奥に優しい明かりが灯る。
レイヴィス:あの時は、会場から連れ出した方がいいと思っただけ

(レイヴィスも同じこと考えて、ああ言ってくれたんだ)

Alice:うん。そうだよね
Alice:あの場で騒ぎになってしまう方が問題だから
レイヴィス:……
私の言葉に一瞬、
口を閉ざしたレイヴィスは、少し伏せていた目を再び私へと向けて続けた。
レイヴィス:…それだけが理由じゃない
Alice:……?
落とされた真剣な声に、瞳を瞬かせていると、レイヴィスに、ぐっと腰を引き寄せられて…
Alice:あっ
レイヴィス:恋人が他の男に触れられて、黙っていられるほど、
レイヴィス:俺は出来た人間じゃない
青い瞳は心の奥まで貫くようで、その想いに背筋が甘く痺れてしまう。

(そうだった…)
(いつも冷静に、側にいてくれるレイヴィスは、)
(誰よりも熱く…私を愛してくれる人)

時に激しく思えるほどの想いがよぎり、
レイヴィスを見つめることしか出来ない。
すると、そっと頬に手の平が添えられ…―


=====


すると、そっと頬に手の平が添えられ…
レイヴィス:誰にも触れさせたくないぐらい、
レイヴィス:お前を愛してる
誘われるように距離が縮まり、唇が重なった。
Alice:…っ…ぁ
熱い息を継いでは、また塞がれ、
角度を変え、繰り返される口づけに意識が徐々にとろけてしまう。
Alice:……んっ
口づけの合間に、小さく吐息をこぼして、そっと瞼を開けた時…

(あっ)

間近に迫ったレイヴィスから視線を逸らせなくなってしまった。

(…もっと見ていたい)

不意打ちでレイヴィスの胸の内を聞いたせいか、
いつもより欲張りな気持ちが湧いてくる。

(もっと、レイヴィスの想いを感じていたい)

奪われるような熱い口づけを受けながら、心の中で呟くと、
ふと、目を開けたレイヴィスの眼差しとぴたりと合った。
Alice:っ……
見つめ合うだけで、くすぶっていた熱が一気に上がるのを感じる。
その時、レイヴィスが唇を離してどこか意地悪に微笑み…―


=====


くすぶっていた熱が一気に上がるのを感じる。
その時、レイヴィスが唇を離してどこか意地悪に微笑み…
レイヴィス:もしかして今、見てた?
吐息が触れる距離でそう囁いた。
Alice:っ……そ、それは……

(確かに見ていたけれど…)

正直に言うのは恥ずかしくて、言葉に詰まってしまう。
けれどレイヴィスは、そんな私の気持ちを見透かしたように笑みを深めた。
レイヴィス:珍しいな。お前がそういうことするの
レイヴィス:理由、教えて
透き通った青い瞳に見つめられたら、隠すことは出来そうもない。
私はそっと視線を伏せながら頷いた。
Alice:…レイヴィスの想いが、伝わってくる気がして…
Alice:さっき、レイヴィスが愛してるって言ってくれたのが嬉しかったから、
Alice:もっと……気持ちを知りたいな、って…思ったの
レイヴィス:へえ
どうしようもなく高鳴ってしまう鼓動を必死で抑える私に、
レイヴィスが楽しげに囁いた…―
レイヴィス:いいんじゃない? そのまま見てなよ
レイヴィス:お前の視線も、想いも、全部俺で埋めてあげる
彼の腕に抱きとめられ、守ってもらった夜、―…その腕の中に、ひとり占めされる。
レイヴィス:大人しくしてって言ったばかりなんだけど?
意地悪に笑ったレイヴィスが、吐息を奪うように口づけて…
レイヴィス:俺の気持ちを知りたがったのはお前の方でしょ
レイヴィス:全部伝わりきるまで、離さないから
向けられる熱を、全て受け止めて、二人の想いが溶けあっていく…―


fin.

 

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第3話-スウィート(Sweet)END:

 

レイヴィス:…そうですか
静かに答えたレイヴィスは、近くのテーブルに持っていたグラスを置くと、
鋭い視線で男爵を見据えて…
レイヴィス:ですが、私には体調を崩しているように見えません。まさか…
レイヴィス:無理やり連れ出そうとしていたわけではないですよね?
男爵:…っいえ、そんな
男爵は笑顔を貼りつけて、私の腰から手を離す。
男爵:どうやら私の勘違いのようですな。…それでは
作り笑いのまま、あくまでも優雅にお辞儀をして、男爵は会場を後にした。
レイヴィス:何もされてない?
そっと手を握ってくれるレイヴィスは、優しい眼差しをしていて、
冷えていた心が、徐々に温かくなっていく。
Alice:うん、大丈夫

(やっぱり、レイヴィスが側にいてくれると安心するな)

安堵の息をつくと、焦っていた心が冷静になり、
ふとレイヴィスの昨日の言葉がよみがえった。
レイヴィス:俺がいるから『自分で対処』は、しなくていい
レイヴィス:騎士だと思って頼って

(さっきの男爵にも、レイヴィスを待ってるってはっきり言ったら、)
(状況が変わったかもしれない)

わずかな後悔を胸に私はレイヴィスを見上げた。
Alice:すぐに来てくれてありがとう。それから…ごめんね
レイヴィス:…謝られる覚えはないんだけど
Alice:心配かけてしまったし、
Alice:頼れって言ってくれたのに、自分で何とかしようとしたから…
すると、怪訝そうにしていたレイヴィスは、小さく笑みをこぼし…―


=====


Alice:心配かけてしまったし、
Alice:頼れって言ってくれたのに、自分で何とかしようとしたから…
すると、怪訝そうにしていたレイヴィスは小さく笑みをこぼし…
レイヴィス:本当に、素直すぎ
苦笑交じりにそう言って、真っ直ぐに私を見つめ直した。
レイヴィス:俺も側にいなかったから。悪かった

(レイヴィス…)

向けられる青い瞳から、誠実に私を思ってくれる気持ちが伝わって、
心がきゅんと甘く音を立てる。
私はその眼差しを受け止め、はっきりと自分の想いを口にした。
Alice:ううん。レイヴィスこそ謝らないで
Alice:さっき、レイヴィスの顔が見えてとてもほっとしたの
レイヴィス:……
Alice:…好きな人に守ってもらうって、こんなに心強くて…嬉しいんだね
言いながら次第に照れた気持ちが湧いて、
最後の方は声が小さくなりながら、はにかんだ笑みをこぼす。
すると、少し考えるようにしたレイヴィスが、私の腰に腕を回し…―


=====


Alice:…好きな人に守ってもらうって、こんなに心強くて…嬉しいんだね
言いながら次第に照れた気持ちが湧いて、
最後の方は声が小さくなりながら、はにかんだ笑みをこぼす。
すると、少し考えるようにしたレイヴィスが、私の腰に腕を回し…
レイヴィス:来て
短いその言葉は微かな甘さをはらんでいて、
小さく鼓動を騒がせながら一緒に歩みを進めた。

***

そうして、腰を抱き寄せられたままバルコニーへ足を踏み入れると…
Alice:あっ
入り口近くの柱にもたれたレイヴィスに、すっぽりと抱きしめられてしまった。
Alice:っレイヴィス…?
慌てて顔を上げると、間近で見つめ合ったその瞳からわずかな熱を感じ、
その熱さが移ったように、私の頬も火照っていく。
レイヴィス:他の男が触れたところ見た後に、あんな可愛いこと言われたら、
レイヴィス:すぐに触れたくなるだろ

(…もしかして……妬いてくれたのかな)

いっそう乱れる鼓動を聞いていると、レイヴィスの唇が耳元に触れ…―


=====


レイヴィス:他の男が触れたところ見た後に、あんな可愛いこと言われたら、
レイヴィス:すぐに触れたくなるだろ

(…もしかして……妬いてくれたのかな)

いっそう乱れる鼓動を聞いていると、レイヴィスの唇が耳元に触れ…
レイヴィス:それとも、あの場でこうしてもよかった?
からかうような口調が耳をくすぐり、全身が熱を持つ。
私は首を横に振って、真っ赤になっているはずの顔を隠すように、
目の前の胸元に、そっと頬を寄せた。

(大勢がいる中でこんな風にレイヴィスに触れられるなんて…無理だよ)
(きっと今以上に照れてしまうし…それに、誰にも見せたくない)
(こんな風に、私を思ってくれるレイヴィスのこと)

胸が苦しくなるほどの愛しさから、上着をきゅっと握ってしまう。
火照った身体を冷ますように夜風が吹き抜けた時、
私を抱きしめる腕に、わずかに力がこもった。
レイヴィス:Alice、顔上げて
掠れた声に誘われて見上げると、
ふいに、首筋にレイヴィスが顔を埋め…―


=====


レイヴィス:Alice、顔上げて
掠れた声に誘われて言われた通りに見上げると、
ふいに、首筋にレイヴィスが顔を埋め…
Alice:……っぁ
甘い痛みが走った。

(もしかして…)

暗がりの中で、はっきりとは見えないものの、
首筋に赤い痕が残されたように思える。
Alice:レ、レイヴィス…
熱さが残るのは鎖骨の少し上で、明るい場所で見たらすぐに分かってしまう。
Alice:これじゃあ…隠せないよ
慌てる私に、レイヴィスは変わらない調子で答えた。
レイヴィス:別にいいんじゃない? 隠さなくても
レイヴィス:俺のものだって分かれば、変なやつも寄りつかない
Alice:それは…

(その通りだけれど、やっぱりこのまま会場に戻るわけには…)

その独占欲に嬉しさと戸惑いを抱いていると、
レイヴィスは胸元のポケットからスカーフを抜いた。
レイヴィス:冗談
そう言って、私の首元へリボンのようにスカーフを結んでくれる。
レイヴィス:ちゃんと分かってる
レイヴィス:見せつけなくても、お前が俺のものだってこと
温かい声色で告げられた言葉に、胸が大きく波打った。

(周りに示さなくても、想いは変わらない)
(私の心はずっと…レイヴィスのもの)

やがて、私は星空が広がるバルコニーを後にして、
大好きな人に寄り添い、賑やかな声で満たされた会場へと戻っていった…―


fin.

 

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エピローグEpilogue:

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    創作者介紹
    創作者 小澤亞緣(吉琳) 的頭像
    小澤亞緣(吉琳)

    ♔亞緣腐宅窩♔

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