日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(獎

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~

(獎勵故事)

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(獎

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【期間】2024/3/13~2024/3/28

 

 

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(中

 

吉琳碎碎念:

因為日宮要停更了,於是在這次選舉前,就將沐沐的帳號還給她了~

這次排行進前90名的故事就是沐沐提供的,感謝她 抱抱抱

 

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(中

 

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(獎

『始まりの春に隣にいてほしい頼もしい彼部門』

『汗ばむ夏が似合う色気たっぷりの彼部門』

『寂しい秋に身も心も温めてくれる甘々な彼部門』

『雪景色が似合うクールでカリスマな彼部門』

 

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春の足音がし始めたある日……
みんなで作り上げる春のティーパーティは温かいもので…―

レオ 「いいんじゃない? 春らしいことなら俺もしたい」
ルイ 「なら……庭でティーパーティなんてどう?」

ジル 「でしたら次はティーパーティに出すお茶やお菓子について話しましょうか」
シド 「俺は酒にしてくれ」

レイヴィス 「それなら花の絵を贈るっていうのはどう?」
ロベール 「それはいいかもしれない。吉琳ちゃん、どんな花がいい?」

アルバート 「シュタインからも何か手土産を持っていかなければならないですね」
ゼノ 「吉琳、お前は何か希望はあるか」

ユーリ 「アラン様、クッキーの生地の固さはこれくらいでいいですか?」
アラン 「ん……ちょうどいい。あとは伸ばして型抜きだな」

たくさんの花とみんなからの愛が詰まったパーティー……
身も心もぽかぽかする素敵な春の一日を…―

 

さらに、今回はランキング特典に春のティーパーティ第6話が登場…―

レオ 「今日の吉琳ちゃんのドレス、すごく綺麗だね」
アラン 「ちゃんと……ドレスも花柄なんだな」

みんなで心を通わせる春のティーパーティに癒されて…―

 

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70枚特典
ストーリーを読む

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ほろほろと零れるような陽射しが降り注ぐ、春の午後…―
公務の合間に春の陽気に誘われて、私はバルコニーに出た。

(陽射しが暖かい……もう春なんだなぁ)

公務で少し疲れた身体を伸ばして、庭に咲く花を眺めるだけで心が躍る。

(夏も秋も冬も……それぞれの季節が好きだけど、春ってなんだかワクワクする)

レオ 「吉琳ちゃん」
柔らかな声に振り返ると、レオとルイが笑みを浮かべて立っていた。
レオ 「ノックしたんだけど、返事がなかったから入らせてもらったんだ」
レオ 「外の風に当たっていたんだね」
吉琳 「うん、いいお天気だから……見て、昨日蕾だった花が開いてる」
庭を指さすと、レオとルイが覗き込む。
レオ 「ほんとだ、可愛い花」
ルイ 「でもまだ少し風が冷たいでしょ。寒くない?」
吉琳 「少し寒いかも……」
ルイ 「暖かくしておかないと。体調を崩してもいけないし」
ルイがそっと肩に掛けてくれたブランケットは温かく、
心にまで温もりを届けてくれる。
お礼を言って微笑む私に、ルイはどこか心配そうな眼差しを向けた。
ルイ 「もしかして何か悩み事でもある?」
ルイ 「俺達で良ければ話を聞くよ」
吉琳 「ううん、悩みなんてないよ」

(一人でぼんやりと外を見ていたせいで、二人に余計な心配をさせてしまったかも)

慌てて首を横に振り、笑みを浮かべる。
吉琳 「もう春なんだって、思っていただけ」
吉琳 「春ってなんだか浮足立ってしまって……何か、春らしいことしたいなぁ」
レオ 「春らしいこと……?」
何げない呟きに、レオとルイが顔を見合わせる。
二人は同時に楽しげな笑みを浮かべた。
レオ 「いいんじゃない? 春らしいことなら俺もしたい」
レオ 「せっかく冬が終わって、気持ちのいい春が来たんだしね」
ルイ 「なら……庭でティーパーティなんてどう?」
ルイ 「吉琳の好きな花を眺めながら、お茶やお喋りを楽しむとか……」
吉琳 「うん、それ素敵だね!」
ルイの提案に、ためらうことなく頷きを返す。

(春の庭でティーパーティなんて、すごく楽しそう!)

レオ 「じゃあ、皆にも声を掛けてみる? アランとかユーリとか……」
ルイ 「そういえば来週はシュタインとの会談だよね?」
ルイ 「せっかくだし、誘ってみるのもいいんじゃない?」
吉琳 「うん! アルバートも一緒に来る予定だから招待状を渡してみるね」
大切な人達と春の訪れを楽しむ……。
皆の笑顔を想像するだけで、胸が弾んだ。
吉琳 「どんなティーパーティにしようか?」
レオ 「お茶ならジルが詳しいし、聞いてみるのもいいんじゃない?」
吉琳 「そうだね。あ、シドにも声を掛けて……」
ルイ 「え」
シドという名前に、ルイが反応する。
レオと顔を見合わせてルイに目を向けると、渋々といった様子で頷いてくれた。
ルイ 「まあ、いいけど……」
吉琳 「ふふっ、ありがとうルイ」

(皆の笑顔をたくさん見られるような、楽しいティーパーティにしよう……!)

庭にやって来た小鳥のさえずりが心地良く耳を揺らす。
思いがけずに決まったティーパーティに胸を躍らせながら、
私は春の陽射しに目を細めた…―

 

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200枚特典
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レオやルイとティーパーティを開こうと話した翌日……。
私は早速ジルに相談を持ち掛けた。
ジル 「春のティーパーティですか、素敵ですね」
吉琳 「はい。それでジルにお茶のことで相談したくて」
ジル 「ええ、そういうことならお任せください」
シド 「……で、そのティーパーティに関係のない俺がどうして呼ばれたんだ?」
訝しげな眼差しを向けるシドに、私は用意していた招待状を差し出した。
シド 「……招待状? 俺がティーパーティって柄かよ」
吉琳 「シドにも来てほしいの。春の訪れを皆で楽しめたらいいなって思ってるから」
吉琳 「それにシドにも力を貸してほしくて」
吉琳 「シドなら今城下で流行しているお菓子にも詳しいでしょ?」
シドは小さく息を吐くと、テーブルの上に包みを置いた。
吉琳 「これは?」
シド 「お前が今言った流行のお菓子だよ。城下の若者の間で大層な人気らしい」
ジル 「用意がいいですね、シド」
シド 「たまたまだ」
ジル 「お菓子をいただいたことですし、お茶を淹れましょうか」
にっこり笑ったジルが、優雅な手つきでお茶を淹れてくれる。
芳醇な香りのするお茶とシドのお菓子を食べながら、
ティーパーティについて三人で話すことになった。
ジル 「どなたを招待する予定ですか?」
吉琳 「レオとルイ、ジルとシドに……アラン、ユーリも」
吉琳 「あと来週に公務で来る予定のゼノ様とアルバートにも招待状を出すつもりです」
ジル 「皆さん、参加してくれるといいですね」
にっこり笑うジルに頷きを返しながら、二人のことが頭に浮かぶ。
吉琳 「できたらレイヴィスやロベールさんにも来てほしいと思っているんですが……」
ジル 「明日フレイ地区での公務が入っています」
ジル 「ハルナイト卿にはその時声を掛けてみられては?」
吉琳 「あ、そうでしたね。そうしてみます」

(あとはロベールさんか……)

考えを巡らせる私に、シドが目を向ける。
お菓子をつまんだ後軽く指を舐めたシドが、口を開いた。
シド 「明日レイヴィスのとこに行くんだろ」
シド 「ロベールのことなら、それで解決する」
吉琳 「え……?」

(じゃあ、ロベールさんは今レイヴィスのところにいるってこと……?)

それ以上話そうとはしないけれど、シドの言うことなら信じることができる。
ジルも同じようで、ふっと笑みを浮かべると小さく顎を引いた。
ジル 「でしたら次はティーパーティに出すお茶やお菓子について話しましょうか」
シド 「俺は酒にしてくれ」
吉琳 「ブランデー入りの紅茶ね」
笑顔の私に、シドが眉を寄せる。
ジルは楽しそうに笑うと、シドが持って来てくれたお菓子をつまんだ。
ジル 「このお菓子もいいんじゃないでしょうか。紅茶にとてもよく合いますし」
ジル 「シド、用意をお願いしてもよろしいですか?」
シド 「来週だろ? ああ、任せとけ」
吉琳 「他にも軽い食事を用意しておきたくて」
ジル 「それでしたら……」
ジルとの話し合いに、なんだかんだと言いながらシドも参加してくれる。

(素敵なティーパーティになりそうだな)

皆の笑顔が溢れるティーパーティを思い浮かべて、
私の口元は自然とほころんでいた…―

 

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270枚特典
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フレイ地区の貴族を交えての公務が終わり、私はレイヴィスに声を掛けた。
吉琳 「レイヴィス」
レイヴィス 「ああ、吉琳……お疲れ様。」
レイヴィス 「君の提案のおかげでまた一歩前に進めそうだ」
吉琳 「それなら良かった。これからもフレイ地区とは協力しあっていきたいから」
吉琳 「それで……この後なんだけど、少し時間ある? 話したいことがあるの」
私の言葉に、レイヴィスが迷うことなく頷きを返してくれる。
レイヴィス 「ちょうど良かった。俺も吉琳に会わせたい人がいるんだ」
吉琳 「会わせたい人……?」
レイヴィス 「行こう、今頃俺達が来るのを待ってる」
どこか悪戯な笑みを浮かべるレイヴィスに促され、私は部屋を後にした。

***

レイヴィスが執務室のドアをノックすると、短い返事が返ってきた。
ドアを開けると、キャンバスに向かっていたロベールさんが顔を上げる。
吉琳 「ロベールさん……!」
ロベール 「吉琳ちゃん、久しぶりだね。元気にしてたかい?」
吉琳 「はい、ロベールさんは?」
ロベール 「俺も相変わらずだよ」
にっこり笑うロベールさんの傍らに、レイヴィスが立つ。
レイヴィス 「ロベールに絵を依頼していたんだ」
レイヴィス 「吉琳が来るって言うと、君に会いたいって」
吉琳 「そうだったんだ……」

(シドの言う通りだったな。レイヴィスのところに行けば解決するって)

レイヴィス 「そういえば吉琳、話って?」
吉琳 「うん、これを渡したくて……」
レイヴィスとロベールさんに、私はティーパーティの招待状を差し出した。
吉琳 「よかったら二人にも来てほしいなって」
ロベール 「ティーパーティか。春らしくていいね」
レイヴィス 「ああ。俺達もぜひ参加させてもらうよ」
吉琳 「ほんと? 良かった……!」
ほっと息を吐く私に、顔を見合わせた二人が口元をほころばせる。
レイヴィス 「この前、いい茶葉をもらったんだ。ちょうどいいから持って行くよ」
吉琳 「うん、ありがとうレイヴィス」
ロベール 「じゃあ俺はどうしようかな……」
ロベールさんが考えるように視線を宙に走らせる。
そんなロベールさんに、私は笑顔で首を横に振った。
吉琳 「何もいりませんよ。参加してもらえるだけで充分です」
ロベール 「でもせっかくだし……」
レイヴィス 「それなら花の絵を贈るっていうのはどう?」
ロベール 「それはいいかもしれない。吉琳ちゃん、どんな花がいい?」

(ロベールさんが描く花はきっとどれも素敵だろうけど……)

吉琳 「そうですね……」
レイヴィス 「俺はあの黄色の花が好きだな。えっと確か……」
眉を寄せて考えるレイヴィスに、ロベールさんがおかしそうに笑みを零す。
ロベール 「レイヴィスに贈るわけじゃないけどね」
レイヴィス 「分かってる。参考までにってことだよ」
吉琳 「レイヴィスとロベールさんにも参加してもらえて……」
吉琳 「ティーパーティが楽しみです」
私の言葉に、レイヴィスとロベールさんも笑顔で頷いてくれる。
ティーパーティを待ち遠しく思いながら、
私は束の間二人とのお喋りを楽しむのだった…―

 

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360枚特典
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フレイ地区でレイヴィスに会った数日後…―
私はゼノ様とアルバートに案内してもらい、シュタイン城の周辺を視察していた。
ゼノ 「……新たに区画整理を行った場所以外にも、他に見ておきたい所はあるか?」
吉琳 「いいえ、参考にさせていただきたかった場所は全て見せていただいたので……」
吉琳 「ありがとうございます」
吉琳 「来週、ゼノ様がウィスタリアを訪問してくださる時には私が城下をご案内しますね」
ゼノ 「ああ、頼む。最近のウィスタリア城下の発展は目をみはるものがあるからな」
一旦、話に区切りがついた時、護衛として同行していたアルバートがゼノ様に小声で囁く。
アルバート 「ゼノ様、招待状の件を」
ゼノ 「ああ、そうだったな」
ゼノ 「吉琳……ティーパーティの招待状を受け取った。」
ゼノ 「アルバートと二人で参加させてもらおう」
ゼノ様はそう答えてから、ちらりとアルバートに視線を向ける。
ゼノ 「それで構わないか」
アルバート 「はい、すでに時間を確保しておきましたので問題ありません」
吉琳 「二人共、来ていただけるんですね……」
吉琳 「嬉しいです。お迎えの準備を整えてお待ちしていますね」
その時、ゼノ様がふと何かを思い出したような表情をした。
ゼノ 「そういえば……招待状の押し花にしていた花が、あまり見たことがないものだったが」
吉琳 「あれは名前も知らない野花なんですが、王宮の庭によく咲いていて……」
吉琳 「上品で綺麗な花なので、ゼノ様に贈るのにふさわしいね……」
吉琳 「って、ユーリと話しながら選んだんですよ」
ゼノ 「……そうか。確かに、綺麗な花だった」
アルバート 「ゼノ様。正式な招待状ももらいましたし、」
アルバート 「シュタインからも何か手土産を持っていかなければならないですね」
ゼノ 「……そうだな」
ゼノ 「吉琳、お前は何か希望はあるか」

(お菓子と紅茶は用意する目途が立っているし……)

吉琳 「あ、でしたら……シュタインの花を持ってきていただけませんか?」
ゼノ 「花……でいいのか」
吉琳 「はい。テーブルに飾ればティーパーティがもっと華やかになると思うので」
ゼノ 「……お前の希望だというのなら、叶えよう」
アルバート 「早速、手配しようと思うのですがウィスタリアのプリンセスはどのような花をご希望ですか?」
吉琳 「どんな……そうですね……」

(シュタインにはどんな花があるんだろう?)

少し悩んでいると、ゼノ様がふっと微笑んだ。
ゼノ 「その目で見た方が早いだろう。行くぞ」

***

そうしてやって来たのは城下の花屋だった。
ゼノ 「ここにはシュタインでしか咲かない花も揃っている。好きなものを選ぶといい」
アルバート 「初めて見る花も多いでしょうから……お手伝いします」
吉琳 「ありがとうございます」
それからアルバートは花の名前を一つ一つ教えてくれた。
吉琳 「どれも素敵で選ぶのが大変ですね……」
吉琳 「よかったら、アルバートの好きな花を教えてもらえますか?」
アルバート 「なっ……私の好きな花、ですか」
吉琳 「ゼノ様も、お好きな花を教えてください」
ゼノ 「……?」
吉琳 「せっかくですから三人の好きな花を選んで飾りたいんです」
ゼノ 「そういうことであれば、共に探すとしよう」
それから花屋の店先で、楽しくおしゃべりをしながら、それぞれが好きな花を選んでいった。
吉琳 「決まりましたね!」
ゼノ 「ああ」
アルバート 「青、白、黄色の花……ですか。一つのブーケにしても色合いがいいですね」
ゼノ 「では、選んだ花をブーケにして持っていこう」
ゼノ 「楽しみにしている」

(素敵なパーティになりそうだな……)

素敵な花に彩られたティーパーティの会場を想像して、私は頬を緩めたのだった…―

 

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(中

 

420枚特典
ストーリーを読む

日版王宮-王宮フェス2024~彼の隣で過ごす季節決定戦~(獎

ティーパーティの前日…―
その日の公務を終えた私は、
執務机の引き出しから、お菓子のレシピを取り出した。
吉琳 「よし、頑張ってなるべくたくさん作ろう」
スイーツと軽食は城の厨房に頼んであって、
シドもお菓子を持ってきてくれることになっているけれど、
料理が得意なアランと話して、手作りのお菓子も用意することにしたのだった。
ユーリ 「準備万端だね、吉琳様」
書類の片づけをしてくれていたユーリが、私が手にしたレシピを見て微笑んだ。
吉琳 「アラン様も待ってると思うから、行こうか」
吉琳 「うん!」
ユーリと一緒に急いでキッチンへ行くと、
先に仕事が終わっていたアランが出迎えてくれた。
アラン 「材料と道具は用意しといた」
アラン 「公務終わったばっかりだろ。少し休んでからじゃなくていいの?」
吉琳 「うん、大丈夫。始めようか」
ユーリ 「俺も、もちろん手伝うからね」
吉琳 「ありがとう」
アラン 「助かる」
ユーリ 「それで、何を作るの?」
吉琳 「まずは花の形のクッキーと、」
吉琳 「薔薇みたいにピンクのクリームを飾ったカップケーキから始めようかな」
明日のティーパーティは『花』をテーマにしていた。
ユーリ 「わあ……すごく華やかなティーパーティになりそうだね」
吉琳 「早く食べたいね」
アラン 「早く始めて完成させねえと、明日になっても食えねえぞ」
苦笑したアランが私に小麦粉、ユーリに砂糖を渡す。
アラン 「まず、計量からな」
それから三人で作業を分担して明日のためのお菓子を作っていく。
ユーリ 「アラン様、クッキーの生地の固さはこれくらいでいいですか?」
アラン 「ん……ちょうどいい。あとは伸ばして型抜きだな」
吉琳 「それじゃあ、そろそろオーブンに火を入れておくね」
アラン 「ああ」
やがてすべてのお菓子が完成して……
ユーリ 「吉琳様、盛りつけ用の食器を持ってきたよ」
ユーリ 「もちろん花柄で揃えておいたからね!」
吉琳 「ありがとう」
そうして盛りつけを終え、テーブルに色とりどりのお菓子が並んだ。
アラン 「どうにか出来たな」
吉琳 「うん……!」

(見た目も可愛いし、本当に美味しそうだな……)

甘い香りが漂う中、お菓子を眺めていた時、うっかり私のお腹が鳴ってしまい……
吉琳 「っ……!」
瞬時に顔が熱くなるのを感じながら手でお腹を押さえたけれど、もう遅かった。
アラン 「……本当、正直すぎ」
ふっと笑ったアランにつられたのかユーリも笑う。
ユーリ 「吉琳様のお腹の可愛い鳴き声、聞こえちゃった」
吉琳 「っ……二人共、忘れて……!」
アラン 「忘れてやらねえ」
アランは意地悪に言いながら、私へとお皿を差し出す。
そこには、三人分の花形のクッキーとカップケーキが載っていて……
アラン 「味見用の分……取っておいたから食っていいぞ」
吉琳 「っ……アラン、ありがとう!」
ユーリ 「すぐに紅茶を淹れるね!」
それから、三人で紅茶を飲みながら味見用のお菓子を頬張る。
アラン 「……ん。美味い」
ユーリ 「本当に、すごく美味しい……!」
吉琳 「んー……美味しい」
吉琳 「早くみんなに食べてもらいたいな……」
ユーリ 「明日が楽しみだね、吉琳様」
吉琳 「うん」
アラン 「明日は出迎えの準備があるし、食ったら今日は早く休めよ」
吉琳 「そうするよ」

(準備は万端だし、あとはみんなが来るのを待つだけ)
(笑顔に溢れたティーパーティになるといいな……)

明日のことを想像しながら、
花の形のクッキーをもう一枚、頬張ったのだった…―

 

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◆90位以内ランクイン◆
王宮フェス2023 特別シナリオ

読む >>>

 

ティーパーティ当日、中庭にはみんなが一緒に座れる大きなテーブルが設置されていた…―
ジル 「テーブルセッティングは私とユーリでしておきますので、貴女はお客様の出迎えをお願いします」
ユーリ 「吉琳様が作ったお菓子も、ちゃんと並べておくからね」
吉琳 「ありがとう。それじゃあ、あとはお願いするね」
テーブルを離れて中庭の入り口に向かうと、ちょうどアランとレオがやって来て……
レオ 「今日の吉琳ちゃんのドレス、すごく綺麗だね」
アラン 「ちゃんと……ドレスも花柄なんだな」
アラン 「まあ、似合ってるんじゃねえの」
レオ 「素直に『可愛い』って言えばいいのに」
アラン 「……は?」
吉琳 「ふふ……二人共、褒めてくれてありがとう。先に席に座ってて」
アランたちの次にやって来たのは、シドとルイだった。

(珍しい組み合わせだな……)

吉琳 「一緒に来たの?」
ルイ 「……そんなわけない。たまたま、そこで会っただけ」
ルイは顔をしかめたけれど、シドは気にする様子もなく、私へと箱を差し出す。
シド 「ほら頼まれてたもん、持ってきてやったぞ」
吉琳 「あ、前にも持ってきてくれた流行りのお菓子だよね……ありがとう」
私が箱を受け取ると、ジルがやってきて代わりに持ってくれる。
ジル 「テーブルに並べておきますね」
吉琳 「お願いします、ジル」
そのままジルがシドとルイを席まで案内すると、次にゼノ様とアルバートがやって来た。
吉琳 「ゼノ様、アルバート……お待ちしていました」
ゼノ 「招待に感謝する」
アルバート 「お招きありがとうございます」
ゼノ 「……約束のものだ」
ゼノ様が差し出したのは、シュタインで選んだ花で作った大きなブーケだった。
吉琳 「綺麗で、香りもいいですね……ありがとうございます。早速、飾らせてもらいますね」
席への案内をユーリに任せて、ブーケを持ってテーブルに向かおうとすると……
アルバート 「飾り付けでしたら、俺が……」
吉琳 「いいんですか?」
アルバート 「はい。また招待客が来たようですし」
吉琳 「え?」
アルバートにブーケを渡したのと同時に、名前を呼ばれて……
レイヴィス 「吉琳」
ロベール 「吉琳ちゃん、お招きありがとう」
振り返った先には笑顔のレイヴィスとロベールさんが立っていた。
吉琳 「レイヴィス、ロベールさん……来てくれたんですね」
ロベール 「絵も、ちゃんと持ってきたよ」
ロベールさんが指差した方を見るとちょうどユーリがテーブルのそばに置いたイーゼルに絵を飾っていた。
レイヴィス 「もっと近くで見てくれば?」
吉琳 「うん!」
絵の近くに行ってみると、絵を飾っていたユーリがにっこりと笑う。
ユーリ 「ロベールさんの絵はここでいいかな。あと、レイヴィス様から貴重な茶葉をもらったよ」
ユーリの報告を受けてから、ロベールさんの絵を見ていると、みんなも集まってくる。
レオ 「花に囲まれた吉琳ちゃんの絵か……」
ゼノ 「どこか……見ている者の心を明るく照らすようだな」
ルイ 「……吉琳らしくて、いい笑顔だね」
シド 「確かに、いつもこんな顔して笑ってるからな」
みんなが絵に見入っている中、レイヴィスがロベールさんに声を掛ける。
レイヴィス 「大好評みたいだな。俺も……本当にいい絵だと思うけど」
ロベール 「ありがとう、レイヴィス」
和やかな笑顔があちこちで溢れる光景に、私は胸の奥が温かくなるのを感じていた。

(素敵なひとときになりそう)

吉琳 「では、そろそろティーパーティを始めましょうか」
ジル 「皆様、どうぞお席へ」
全員が席に着き、香り高い紅茶とテーブルいっぱいに並んだ軽食とお菓子を楽しむ。
アラン 「その薔薇のカップケーキと、花の形のクッキーは吉琳の手作りだぞ」
アルバート 「とても上手ですね……」
吉琳 「私だけじゃなく、アランとユーリも一緒に作ったんですけどね」
アルバート 「っ……ユーリが、これほどのものを作れるなんて……」
ユーリ 「当然でしょ!」
ゼノ 「ふっ……」
ルイ 「吉琳の手作り……いただきます」
レイヴィス 「ん……味も、悪くないんじゃない?」
吉琳 「おかわりもあるので、皆さん、たくさん召し上がってくださいね!」

(大切な人の笑顔に囲まれて……なんて幸せな時間なんだろう)

青空の下には、賑やかな笑い声がいつまでも響いていた…―

 

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~ 各部門の結果は… ~

各部門の1位に輝いたのは誰…?

ドキドキの結果発表は 4/1(月 ) 16:00 から予定してるよ!
お楽しみに♪

 

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